NOISE 

NOISE 第16話 悪夢と目覚め

 ←(雑記)私のイラストでイメージビデオを作ってもらっちゃいました!(追記あり) →(雑記・イラスト)一日が早すぎるなあ
リビングに入り、L字に置かれた革張りのソファの端に透子が静かに座ると、滝はなるべく距離を取って反対端に座った。
目を合わさない透子を、滝は斜め前から見つめる。

改めて向き合う透子は想像していたような刺々しさは無かったが、同時に人間らしい表情もうかがえなかった。
胡散臭い来訪者相手に笑みが無いのは当然だが、表現するのをやめたと言わんばかりに人形じみている。
クスリのせいだったらやりにくいな、と滝は少しばかり身構えた。

昨夜、綾斗に引越しの手伝いを頼み、遅くなったのでそのまま泊まってもらう事にしたと簡単に説明をしてみたが、透子はやはり整った顔を僅かにも動かさす、ただじっと滝の気配を観察している様に見えた。

家には入れても気を許してくれるまではあと10年はかかりそうだと思った滝は、時間を優先し、構わずに本題に入った。
なにしろ制限時間は家政婦がくるまでの30分足らずしかない。

「綾斗君のことがずっと気になっていたんです。単刀直入に言うと、酷な言い方ですが、今のこの家は彼にとって良い環境とは言えない。いえ、あなたと二人だけで住むことが……と言い換えてもいい」

言葉にしてみて、よけいにその「酷さ」と「大きなお世話」感が滝にも実感できたが、どう言葉を濁したところで、それが滝の率直な意見だった。

ここでようやく透子は眉根を寄せ、この闖入者を改めて胡散臭げに見つめてきた。
けれどその人間らしい表情に滝はホッとした。強く打てば響くのかもしれない。

「なぜ?」
「互いに、いい影響を与え合っていない」
「綾斗が、何か言ったの?」
「綾斗は何も言いません。けれど申し訳ないが、いろいろ漏れ聞こえてきてしまって。あなたが……この2年間、彼にどんな態度をとっているのかとか……。メンタル面の事も少し」
「菅沼ね」
何処を見ているか分からない目で、透子はつぶやいた。
化粧気のない瞼をゆっくり瞬き、深い諦めと納得を込めたような、ちいさな笑みを浮かべた。

「菅沼は、あなたにどこまで話したの?」
その表情があまりに穏やかだったので、滝は思わず口をつぐんでしまった。
タイミングは最悪であり、そしてその沈黙は雄弁過ぎた。

10年前の悲劇を知っていることはなるべく伏せて話を進めようと思っていたが、透子に伝わってしまったことは明白で、滝は困惑気味に視線を逸らした。
ほんの数秒苦い沈黙があったが、けれどここで立ち止まってしまっては来た意味がない。

いくぶんこれで話しやすくなったし、傷つけてしまうのは覚悟の上だった。

「部外者が立ち入ることをお許しください。けど、私は綾斗君と出会って彼の事を見てきました。あの子は口には出しませんが、いろんなことに耐えてる。すべてではありませんが、透子さんとの日々もその一つかと……」

透子は再び冷たい印象を受ける目で滝を見つめてきた。
けれど口は開かず、滝の次の言葉を待っているように思えた。

「彼をモデルにした彫像のことも知っています。綾斗君はたぶん何も言わずにモデルになり、壊されていく彫像たちを見て来た。それってきっと……気持ちのいいものじゃなかったはずだ」

「綾斗が、辛いって言ったの?」
「だから何も言ってないんですってば! 綾斗は何も言わないんです。胸像の事を知ったのも、今朝ここにきて菅沼君に見せてもらったからだし、綾斗をモデルにしながら完成した途端無残に壊していくって話も、その時知りました。
僕が綾斗なら、メンタルやられます。でも彼の立場だと、逃げることもできない。
そんなことを2年も繰り返したらおかしくなってしまう。一体なんでそんなことを……って菅沼君に聞いたら……」

「復讐」
「……え」
「復讐だったから。だから壊すの。めちゃくちゃに。菅沼がそう言ったでしょ」
抑揚のないアンドロイドのような透子の声が、冷たく滝に突き刺さった。

「それは、何かの身代わり?」
「……そう」

「そんなはずない。そうやって自分を誤魔化してるんじゃないですか。あの子が悪いわけじゃないのは透子さん自身よくわかってるはずだ。目にすると嫌な事を思い出してしまうなら、この家から追い出してしまえばいい。どうにでも出来たはずでしょう。
あなたはどうしようもないほど綾斗の事を想ってる。ひと晩傍にいないだけで不安になってしまうほど、気になって仕方ないんだ。それなのになぜ…」

「同じ血が流れてるの」
透子が抑揚のない声のまま言った。

「汚らしい男の血が、濃く入ってる。どうしようもなく。あの小さかった綾斗が、少しずつ、少しずつ、あの悪魔に似て来る。中身は綾斗だって分かってるけど、目が、声が、輪郭が、あの男を想像させる。
時間が止まらないのよ。どんどん小さい綾斗を消していく。だから……。まだ、悪魔に変ってしまう前の綾斗を私の中に残しておきたかった」
瓦礫の中からようやく細い道を見つけたような感覚に、滝は背筋がぞくりとした。

「だから綾斗の像を?」
「小さかったあの日の綾斗を想いながら、私だけの今の綾斗を作るの。でもやっぱりどれも、あの汚い男の血を感じさせるから、怖くなって叩き壊すの。壊れてるのはみんな、あの男なの。綾斗の中に入り込んでるあの男なの」
「綾斗の中にあの男がいるわけじゃないだろ」
「でも憎いの。怖いのよ」
「じゃあ、綾斗をこの家から追い出せよ」
「追い出せないよ。綾斗がいなくなる! 私の、小さな綾斗が」
「小さな?」
「小さな綾斗が……」
透子の声が震えはじめたが、滝の憤りも増していき、会話を止めることができなくなった。

「なぜ小さいころの綾斗にこだわる必要がある。今の綾斗を見てやれよ。綾斗は時間とともに成長するよ、当たり前の事だ。それでも内面が変わる訳じゃない。あの子の父親とは別人だ。そんなことも分からないんだったら、いっそのこと綾斗から離れろって言ってるんだ。一緒に居たってあんたにとってもいい事なんて、ひとつもない!」

「5歳の綾斗が私を助けてくれるの! 昨日も、おとといも、その前も。記憶の中であの男にのしかかられてる私を、あの日の綾斗が助けてくれるの。綾斗がいないとダメなの。小さな綾斗も、いっしょに居なくなってしまう!」

叫び声に変った。

「5歳の綾斗が、なんなんだよ!」
支離滅裂だ。
やはりどこか妄想と現実が混沌と混ざり合っているのだ。これはもうカウンセラーに任せるしかないのかもしれない。

「なぜ5歳なんだよ…透子さん。なんで5歳じゃなきゃ、いけない」
声のトーンを落とし、ため息のように滝は言った。
目の前の透子は、萎れた夕顔のように顔を伏せている。

「私の叫びに答えてくれたのは、5歳の綾斗だけだったから」

「……叫び?」


       ◇


目の前の滝という男が驚いたように自分を見つめてくる。
透子は記憶の底から湧き出てくるあの日の恐怖と痛みに押し流されそうで、ぎゅっと体をこわばらせた。

めったに会う事もなかった叔父のいきなりの暴行に、12歳の透子は何の抵抗もできず、ただ心の中で叫ぶしかなかった。
喉からは恐怖のあまり呻きすら漏らすことは出来ないでいた。
誰にも届くはずのない助けを、涙を流しながらがらひたすら心の中で叫び続けた。
恐怖と混乱と体を引き裂かれる痛みの中で唯一透子をの心を現実に引き止めるものがあった。

おねえちゃん。 おねえちゃん。 ダメ、お父さん やめて! おねがい。

ドアの向こう側で必死で泣くその声は、自分のための叫び声だと思えた。
声も出せず何の抵抗もできない地獄の中から、唯一透子の手を取ってくれた。

綾斗が泣いていてくれる。喉が裂ける程、必死になって泣いてくれている。
自分の苦しみを感じていてくれる。
なぜだか透子にはそれが分かった。

大丈夫綾斗、泣かないで、大丈夫だから。
意識を失うまで透子はその声をずっと聞き、そして目覚めた後もその声を聞きつづけた。

世界でたった一人だけ。 
あの時の自分のために泣いてくれた人が居てくれたことが、透子の凍り付いた心を唯一溶かしてくれた。
狂気の中に落ち込んで行く心を繋ぎ止めてくれた。
たとえまだ小さな子供であっても、綾斗はかけがえのない救世主だった。

けれどあれから叔父は警戒してか、何年も姿を現さなかった。綾斗に会う事も、会いたいと思う事もできなかった。
汚らわしい叔父の記憶と一緒に、透子は綾斗の記憶も封印した。
あの男さえ現れなければもう忘れられる。そう思っていた。

けれど病巣はいつまでも透子を蝕んだ。
男という生き物が怖くなり、中・高と女子校で過ごし、何とか正常な生活を送れたと思っていたが、やはりあの日の夢を見るだけで、世界のすべてが崩壊する感覚に捕らわれた。
終わっていない。終わることはない。悪夢はずっと透子の中にあった。

そしてついに壊れたのが2年前。大学を休学中の冬。
ふらりとやってきた叔父が、再び透子の中に押し入ってきた。体は込み上げてくる恐怖で萎縮し、抵抗など出来るはずもなく。
乱暴に貫かれながら透子は心の中で再び綾斗を求めた。
あの時のように、小さな綾斗に泣いてほしかった。恐怖を共有してほしかった。
けれどその夜の慟哭は透子一人のものだった。

我に返って、自分の汚い体をどう処分してしまおうか考えていた時に、菅沼が現れて言ったのだ。
あの悪魔が、この近くの国道で死んだと。
神がやっと重い腰を上げたのだと菅沼が笑った。
そして数日後。その悪魔の代わりに、ひとりぼっちになってしまった綾斗が、透子のもとにやってきた。
13歳の綾斗だ。
まだあどけない少年の中に、二つの面影を同時に感じた。

透子には分からなかった。
その少年が、自分の求めた救世主なのか。それとも、あの悪魔の分身なのか。

『お前にその子をやる。煮るなり焼くなり切り刻むなり。好きなようにして確かめればいいさ』
神がそう言ったように、透子には聞こえた。

だから透子は綾斗を確かめた。
覆い隠すものを取り払い、眺め、土を捏ね、投影し、土の中から正しい答えが出るまで、何度も何度も確かめた。

「それで……。答えは、もう出たんだよね。透子さん」

白い霞の中から声がした。
透子は今、初めて目覚めたように瞳を動かし、瞬きし、斜め向かいに座ってこちらを見ている男の顔を、
見つめ返した。



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~ Comment ~

NoTitle 

今日は。
そうやったんや・・・。
一人で解決なんてできない出来事。
このまま、自分というものが無くなってしまえば、思い出すこともないのに。それもできず、バランスを保つために、周りからは理解されないかもしれないことを延々と。
この深い絶望に、出口はあるんでしょうか。

おぉ 

菅沼~(って、やっぱりそこかぁ、なんで菅沼中心に回っているのか、私のこのお話の理解……あ、いや、多分感覚的には滝目線なんだよね。だからこそ、菅沼が邪魔っ気にそこに突っ立っていて。)、本当に何もしていない? 綾斗の親父さんがその辺で死んじゃったのは菅沼がもしや……とか、もしかすると、綾斗ってことはないよね、と、妙にそこに引っかかった大海でした。
それはともかく、滝が頑張ってるなぁ。うん、玉ちゃんと違って(失礼)、さすがに教師だけあって、一応真正面から頑張るよね(つまり、玉ちゃんみたいに偶然助けちゃった、じゃないよね)。その気持ちが実って、いい成果が出るといいなぁ。滝自身のためにも、綾斗のためにも、透子のためにも。
透子の辛さとか気持ちとか、今回はちゃんと前に出てきて、変な女じゃなくなったと思いました。彼女の壊れた気持ちが簡単に元に戻るとは思えないけれど、そして滝の言うとおり、本当は綾斗と一緒にいない方がいいけれど、でもいっしょにいなければ救われないのもよく分かるなぁと……
どこに執着するのか、見守りますね。

マダム猫柳さんへ 

マダム、こんばんは^^ 続き、読んでくださってうれしいです。
透子は結局、1人で必死に耐えながら、なんとか救いを見出そうとしていたみたいです><
でも、心って一度病んでしまうと本当に一人では浮上できなくって・・・。

そうなんですよね、周囲には変人っとかメンヘラとか引きこもりとか…いろいろ勝手に思われてしまうんですが、
こんな感情は説明すること自体が苦痛ですもんね。
綾斗にも、救い出してあげる方法は思いつかなかっただろうし。
(菅沼も、実はそうなのかも)

この(あまりデリカシーのなさそうな)滝に、救うほどの裁量があるとは思えないんですが、なんとか少しでも、道がみえてきたらいいなあ・・・。(なにしろ、あと4話ですから!)そこ?

マダム、いつもありがとうございます^^

NoTitle 

う~~ん
透子・・・・・
痛みがわかるけれど・・・

滝せんせ!
どうにかしてくれるんでしょ?

という読後感でした・・・

もやもやもやもや・・・・

う〜む 

こんばんは。

滝先生の想いも分かるけれど、30分でなんとかなるような問題じゃないなあ。30分しかないからしょうがないんだけれど。

菅沼の関わり方もあれですけれど、本当は菅沼くらい長く一緒にいて、ゆっくり時間をかけて、(もちろん今みたいにじゃなくてもっと別のメソッドの方がいいに決まっていますけれど)透子のトラウマを癒していかないと、どうにもならないように感じます。

綾斗は、五歳の時だけじゃなく、二年前も助けを呼ぶ声を聴いたんじゃないかなあ。遠くにいるコインロッカーの中の知らない赤ん坊の声も聞けるんだから、必死に自分に助けを求めている透子の声はきっと聴こえたと思うんですよね。

簡単に救いの見えそうもない状況ですけれど、滝先生の無茶な横やりがどんな影響を与えるのか、注目しています。

大海彩洋さんへ2 

おはようございます。 (寝てきました^^)

やっぱり菅沼に注目してくださる大海さん(笑)
きっとこの物語の根幹からみると、すごい脇役なんだけど、透子に視点を合わせた時、きっとものすごい重要人物なんでしょうね。
いや、私の中ではそうなんだけど、このNOISEという中編の中では、蛇足になって書けない裏エピソードがいっぱいあって。

>本当に何もしていない? 綾斗の親父さんがその辺で死んじゃったのは菅沼がもしや……とか、もしかすると、綾斗ってことはないよね

ここは、一番引っかかるところですよね。
綾斗は何もしていないという事は、はっきりしてるんですが、菅沼がなにかやったのかどうかは、どこにも描いていないんです。

考えてみたら、車を運転して帰る男に薬を盛るなんて絶対に危険ですもんね。誰かを巻き添えにしてしまう危険性があるし。
でも・・・。
(この裏話は、本編に必要かどうか迷った挙句、割愛しました。>< )

ははは、玉ちゃんがここでも滝と比べられてる~。
そうそう、玉城は「偶然助けちゃった」と、「助けるつもりが、逆に崖から突き落としちゃった」の連続ですもんね!w

滝は新米先生だけど、やっぱり何かしら自分が動かなきゃ、という責任感をもってそうですね。(やり方が唐突だけど!)
でもこれも、過去の後悔があったからなのかもしれません。
次回からは、その辺のことも少し触れて行きます。

今回ようやく透子の本音の部分を明かしてみました。とはいえ、やっぱりどこかラリッテるようなモノローグですが、これが透子の表現のいっぱいいっぱいで・・・。
この人の壊れ具合は、今日明日にどうにかなるものでもないし、滝がどう頑張っても解決することではないんですが、・・・なにしろあと4話!(そんなw)

このお話は、悩める透子と綾斗を滝が救うというものではないので、本当に透子には申し訳ないけど、滝にいろいろ引っ掻き回させてもらう事にしました。
この16話も、考えたらひどいですよね^^;
滝、完全に綾斗に重点を置いて話してて。透子にしたら「何でこの男がこんなにコアな話を・・・・」なんだろうなあ。

この短いお話の中で滝は透子を救う事は出来ないし、綾斗を救う事も出来ないかもしれないけど、ざーーーーっと一気に読み終えてもらった時、このお話が何だったのかが、分かってもらえたらいいなあと、・・・読者様にすがるような気持ちで書いています。
次回、いったん物語は透子を離れ、少し俯瞰で見れるようになってると思います。

ああ~、改めてこのお話、急ぎ足過ぎるなあ~~(笑)
大海さんにはいつもいろんな視点で読んでくださって、感謝です^^
やっぱりコメントって参考になりますね!





海青藍花さんへ 

藍花さん、おはようございます^^

本当に今回は、もやもや~~、ですよね。
透子の今までの苦悩と、綾斗に対する仕打ちの真意が少し見えて来たと言っても、だれも助かるわけでもないし。

滝がこのあと、透子の苦しみを解決してくれるとはとても思えないし。
(ちょっとデリカシーの無い会話になっちゃいましたしね)
でも、こうやって新しい風を入れて引っ掻き回すことによって、何かが動き出せばいいな・・・と。

このお話の中には、今まで外側からしか見ていなかった他人の心に、踏み込んでみてみる、という試みが随所に入れてあります。

解決できないと分っていても、踏み込んで手を伸ばしてみる。
触れあってみる。

次回、お話は透子の問題から離れて、滝の心を少し覗く方向に変っていきます。
あと4話!
モヤモヤは続くかもしれませんが、またよかったら覗いてみてやってください^^

八少女 夕 さんへ 

おはようございます^^

そうなんです! 30分でどうにかなる話ではないんですよね。
でもこの、ちょっとデリカシーに掛ける滝が1年かけて話し込んでもきっと、何も解決しないに違いない(笑)
だからあえて、30分にしたんです。

このお話は、滝が綾斗や透子を救うお話ではない………と思ってくださった方がいいかもしれません。
いや、逆に滝が・・・(っと、また喋りすぎる)

でも、無駄だと分っていても殻を閉ざした相手に踏み込んでみるという行動を、あえて滝にとってもらいました。
もともと滝は、そんな正義感の強い人間じゃなかったんです。
その滝がこんな風に行動してしまうのは、なぜ? というのも、このお話の一つのあれで。(あれってなんだ)

あ! 綾斗が2年前の透子の叫びを聞いたかどうかは、ここでは不明なんです。
実は綾斗が声を聞ける範囲は1キロくらいまでで。 
その瞬間の声は聴かなかったと思うんですが、2年前再会した時からはもう、絶えず悲鳴のような透子の声を聞き続けることになったと思うんです。
綾斗、本当に針の筵><

あと4話なので、本当に急ぎ足なんですが、滝が動いたことによって何かが動き出すことには間違いないです。
それが解決とか救いになるかは分からないんですが・・・。

次回、透子の問題をいったん少し離れ、この物語の本題に立ち戻ろうと思います。
ああ、いろいろ話が飛んじゃって。20話では無理があったかなあ><
もう少しモヤモヤしながら、お付き合いください^^

複雑な心理状態 

なるほど。そういうことだったんですね。
透子が綾斗にこだわるのは、襲いかかってきた悪魔とそれを心理的にだけでも救ってくれた幼い救世主が混在する存在だからだったんですね。
憎くもあり、愛おしくもある。愛情の裏返しの憎しみ、というレベルではなく、憎悪もすれば守ってほしくもある(守ってあげたくもある?)
だから手元に置いておきたいし、その形を肖像にしたいし、そして壊したい。
なんとも矛盾した心理状態ではありますが、透子の中では理に叶っている言動だったんですね。

この複雑な心理世界に、良くも悪くも熱血な滝がどこまで踏み込めるものか、どこまで解決できるものか、それも気になりますね。
また時間を楽しみにしてます!

廣木涼さんへ 

廣木さん、いらっしゃい^^

今回は本当に微妙で分かりにくい透子の内面を吐き出させてみたんですが、この(まだちょっと支離滅裂な)感情をしっかり廣木さんが感じ取ってくださって、とてもうれしくなりました。
透子ってずっと対人恐怖症でここ数年引きこもりがちだったので、表現力が幼いし、くすりでぼんやりしてるから、話し方も幼いですが、完全に壊れてて、あんな言動をしていたわけではなかったみたいなんです。

本当に、廣木さんが書いてくださったそのものズバリの、苦しい感覚なんだと思います。
(廣木さんの理解がとても的確だったので、改めて作者が「うん、そうなんだ・・・」と納得しました!)

さあ、この透子に向き合おうとしている滝ですが・・・。
もうこの数分で、デリカシーの無さが露見してますし、透子よりも綾斗寄りの発言が目立つし・・・。とてもじゃないけど、この滝が透子をいい方向にすくえる気がしないんです>< 困った。

次回は「おいおい!」って感じのごり押し発言に、読者様「むっ」とされるかも、という不安を抱きつつ、進めて行きます。
実はあと4話でこの物語、おわります(><)
透子の事は、ほんの一部分に過ぎなくて。
恐ろしく速いスピードで(乱暴に)進んで行きますが、どうぞ温かい目で習作にお付き合いください(^-^)

NoTitle 

私が透子さんに言えるとしたら。。。。
精神科にいこう。。。。
・・・と身も蓋もないのが医療関係者の性だじぇ。。。
あそこは本当に色々な人生の経過をたどっていきますからね。。。

LandM さんへ 

本当に、それが一番のアドバイスでしょうね~。
きっとわたしでも、それくらいしかアドバイスできなさそう。

でも、あそこで心を開いて赤の他人の先生に、すべてを話す勇気が透子にはなさそうです。
私も実際に10年ほど前、何か所か通いましたが、結局はクスリを出されるだけで。
だったら、菅沼や滝のお節介のほうが、透子にはためになるかもしれません。
難しい子ですから^^;

NoTitle 

『滝 VS 透子』と なるのか~~!?
ワクワクo( ̄▽ ̄o)(o ̄▽ ̄)oドキドキ していたのですが、そうではなかったですね。
心理的には そうかも。。。(苦笑)

綾斗にも 当たり前ですが、透子に対しても 滝は 教師のよう・・・

ずっと繰り返して来た行動に そんな意味があったなんて!
で、 透子、あなたの答えは・・・??
(⌒_⌒)ノ はーい先生...byebye☆

NoTitle 

う~~ん・・・・
今回はなんとコメントしていいのやら・・・
透子の苦しみも綾斗も苦しみも・・・・

滝せんせが、どうにかしてくれるのかしら?

またもや続きがきになって しょうがありません。

こんばんは。 

ついに始まった滝と透子のガチの対話。透子は思っていたよりまともで、人間味があるように感じました。たった30分しか時間が無かったことを考えれば、滝の会話はこれで精一杯だったと思います。
でも透子の精神は相当に破壊されていて、正常な状態に戻ることなんか出来ないんじゃないかと思いました。辛いんですけれど・・・。
それほど酷い仕打ちを受けたんだと思います。
叔父の事故死も当然のことのように見えてしまいます。菅沼が絡んでいたとしても、それはそれでしょうがないんじゃないかなどと考えてしまいます。嫌な奴ですが。
でも綾斗にとってそのことは全く自分の責任じゃないんですよね。透子の精神の状態と綾斗に向ける気持ちについてはある程度理解しますが、綾斗の扱われかたや、綾斗自身の気持ちについては理不尽さを感じます。
この事件がきっかけで綾斗に受信能力が生まれたのでしょうか?
もしそうでなかったとしても綾斗にとって不要な能力でしょう。神から綾斗に与えられた試練だとしたら、神も糞もないなぁ・・・と、本気で思います。
サキは一生懸命考えましたがやはり出口は見えません。闇に取り残された気分です。

え?答え?誰の声がしたんだろう?
limeさんがどのように展開されるのか、興味津々です。

けいったんさんへ 

うん、二人の対決か!って感じだったけど、どうやら透子は少し状態が落ち着いてきていて、滝とまともに話ができてたみたいですね。
透子にしてみたら、何この突然入ってきたお節介で失礼な男! なんでしょうが(笑)

お、ちょっと滝、先生みたいに見えました?
滝も無意識だったでしょうが。でも、これって透子を救うって言うより、綾斗を救いたいって感じが強くて、書きながらちょっと透子がかわいそうに・・・^^;

でもこの物語、透子の傷をなんとかしよう・・・というお話ではないので、このあと手厚いケアは皆無なんです。

そして作者最大のご都合主義展開へ!
透子ごめん・・・な、方向に行きますが、また最後までお付き合いくださいませ><

海青藍花 さんへ 

藍花さん、おはようございます~

・・・あれ、藍花さんコメ二回目!
いや、何回でも嬉しいです(笑)

今回も特にモヤモヤ感がありましたが、透子の事を滝先生が救うという展開にはならないと思うんです。
でも、大きなきっかけを与えて・・・くれるといいな。

次回お話はまた透子から離れて、綾斗に流れます。
あと4話。またどうぞお付き合いください^^

山西 サキさんへ 

おはようございます!
はい!そうなんです。精神状態が少し落ち着いた時の透子は、本当にナイーブな壊れそうな感じの女の子で。(この透子も見てるから、綾斗は透子を守りたいという気持ちを同時に持てていたのかな)

あの卑劣な叔父の死は、本当のところ誰の仕業なのかはこの本編で語られていないんですが、いろいろ想像の余地を残しておこうかな・・・と。(菅沼が一番怪しいのですが)

そしてサキさんが綾斗の事を親身に思ってくださったのも感激です。
ここでは透子の苦悩がクローズアップされて、忘れられがちですが、綾斗にしてみたら自分の父親の犯行を知っていながら透子を救えず、今も傍に居ながら傷つけていることをしっていて、ほんとうに針のムシロです。
あの叫びを聞く能力は、サキさんがおっしゃるように、綾斗を苦しめるだけの能力でしかないですもんね。

そうなんです。相手のSOSが聞こえても、助けることができない苦しさ。これがこのお話の中核でもあるんです。

それにしても、この対峙がなにかいい機会になるのか、きっと読者様は疑問ですよね。10年も病んで苦しんでる透子を、滝が30分で何とかできるわけもないし。
すぐに正常に戻って、綾斗と楽しくこの家で生活するって事は絶対無理でしょうし、かといって滝が綾斗を連れ出すって言うのもむちゃくちゃだし。

滝先生、実はこんな話を透子にするのは、ちょっと賭けでもあるんです。
「あのことを伝えてみよう・・・」と。
最後に「答えが分かったんだよね」と言ったのは目の前の滝なんです。
妄想じゃなくて、実際に言ったんです。
次回、滝の無謀なお節介がさく裂します。
お前は綾斗だけ助けようとしてるんじゃないのか!? って、怒りが沸くかもしれませんが、どうか見ていてやってください^^
いつも深いところまで読んでくださって、本当にありがとうございます。



泣くこと 

自分のために誰かが泣く。
そのことのとらえ方もいろいろとありますよね。

泣くなよ、ほっといてくれ、うっとうしい、だったり。
え? 俺のために泣いてくれてるの? じーん、だったり。
馬鹿じゃないの、だったり。
ふーん、変な人、だったり。

このテーマで「誰かが泣いている」という小説を行幾通りも書けそうです。

この間、憎くて離婚した夫に似てきた我が子を嫌いになりそう、と言っているお母さんがいました。
子どもがかわいそうだなぁ、ではありますが、お母さんの気持ちもわからなくはないです。

子どもって無力ですものね。
どうしようもなく大人に巻き込まれていく子どもたち……それでも強く生きられる子ぱかりじゃなくて。

昔から「子ども」とはそういう存在だったのでしょうけど、やり切れない気持ちになります。

あかねさんへ 

本当に。
考えてみたら、自分のために誰かが泣いてくれることって、すごい事だと思うんですよね。
(私、あんまり経験がないなあ?><薄い青春時代だったから?)

言われてみたら、本当にこのテーマって、いろいろドラマが浮かんできそう。
あかねさんなら、どう料理するんでしょうか。
(けっこう冷めた視線で描きそう・(笑))

そして・・・血って本当にすごいもんで。
姿かたちだけでなく、性格もどこか似て来り。声なんかそっくりになります。
性格は長く一緒に居なかったら似てこないかな。
そうだったらいいのに。綾斗がかわいそうすぎる。絶対そんな要素は受け継いでほしくない。

そうなんですよね、子供って本当に無力。
(無謀で馬鹿で自分勝手という視点ばかり、強調されますが)

無力だし無知だし、そのせいでどんどん悪い方向へ押し流されて行ってしまって。
結局は大人のせいなんですよね。

そんなやりきれなさを、少しでも描ければなあ・・・。永遠のテーマです。

NoTitle 

ついに滝と透子の話が始まりましたね(`・ω・´)
今までは菅沼しか入っていなかった、
綾斗達の関係に入っていくのは難しそうですが、
これを機に良い方に向かっていくといいのですが……。

同じ血が流れている、
だから同じ悪魔になってしまうかもしれないという恐怖。
でも、小さい頃の綾斗に救われているという気持ち。
両方が透子の中に存在するから、
今の状態になってしまったんですね。
区別して大丈夫だと思っても、悪魔のようになるというのは、
透子にしか分からない恐怖でしょうし変えるのは難しそうですね(><)

答えは出たんだよねという最後の滝の問いに対して、
透子はどんな答えを見つけたというのか気になりますね。
今まで通りがいいというのか、
それとも、変わっていくという答えなのか、
どんな答えが出たのか気になりますね|・ω・´)

ツバサさんへ 

こんばんは~^^
深い部分まで読み取っていただいて、とてもうれしいです。

そうですよね、今までは綾斗と透子の問題には菅沼しか入り込む隙が無かったのに・・・。
でもこれ、ちょっと菅沼の策略っぽくもありますよね^^;
滝に全部話したっていう段階で。菅沼もちょっと、自分では手におえないと思ってきたところもあるのかな??
そうだとすると、吉と出るか凶と出るか。

そう、そして透子の奇妙な行動の奥には、こんな綾斗への感情が入り乱れてたようです。
ちょっと普通では考えられない感情なのかもしれないけど・・・。
自分のために泣いてくれた綾斗が、あの叔父に似てくるというのがもう、透子には恐怖何でしょうね。
理屈ではなく。
いくらここで滝が「別人なんだよ」って言っても。トラウマって理性でカバーできないですもんね><

そうそう、滝は「答えはでたんだよね」って言っていますよね。
何を持ってそんな事をいってるんでしょう、この親爺は(笑)
実は……さっき見た綾斗の像を見て、確信したみたいなんです。
もしかしたら、半分ははったりかもしれませんが、必死の滝の弁論を、次回聞いてやってください。
本当に、綾斗を何とかしてやりたいと思うのはわかりますが、もうちょっと透子に気を使えよ!って、滝にツッコんでやってください(笑)

なんか、わかります・・・ 

そう、親と子は別人なんですよね。
なんだけど・・・なんだけど・・・・・・
親子であるということには逃れられない血の繋がりがあって
良い親ならば、それは嬉しく誇らしいものであるけれど
逆だと、逃れられない永遠の呪縛でしかない・・・・・

口からは発することの出来なかった
透子の「たすけて」という心の叫びを綾斗は聞くことが出来た。
聞いてしまったから、きっと綾斗も
辛かったし、憎かったし・・・・・・
そして、透子のどんな無茶な要求にも
自分の、その忌むべき血を呪い
許されることが叶うあても希望も無い
謝罪のために受け入れるしか為す術が無かったんですね。

透子には気づいて欲しい・・・・・・・
あの男と綾斗は全く別の人間であり
5歳の綾斗と現在の綾斗は紛れも無く
一筋の間違いも無く同じ綾斗であり
あなたの救世主そのものであるということを・・・・・・

かじぺたさんへ 

かじぺたさん、ありがとう~~。
なんか、こちらがしみじみしちゃいました。

冷静に見れば透子のやってることはちょっとおかしいのかもしれないけど、なんていうか・・・理屈じゃないんでしょうね。
綾斗に憎しみを覚えるなんて、お門違いだって他人が言っても、そんな事透子も分かってるんだと思うし。
でも、やっぱり姿かたちや声が似て来るし、そしてやっぱり血って、かじぺたさんがおっしゃるように、逃れられない何かがあって・・・。
憎んでいるのに、救ってほしい。
これって支離滅裂に思えるけど、透子の中では切り離せない呪縛なのかも。

そして、綾斗の気持ちも察してくださって、本当にうれしいです。

綾斗に「聞く」能力が無ければきっと、自分の父親の悪事も知らずに過ごし、透子とも距離を置いて過ごせたのかもしれないけど。
全部察してしまったんでしょうね・・・。
この2話ほど後で、綾斗の過去の回想もあると思います。

かじぺたさんが、透子に気づいてほしいって書いてくれた部分、本当に……そこなんですよね。
どんなに綾斗が透子を思っていたか。
透子を救うのは難しいけど、それが伝われば何かがかわるのかも。

それができるのは、菅沼でも、綾斗本人でもなく・・・。そう、やっぱりこのオッサン??

次回、オッサンちょっと頑張ります。空振りっぽいけど、見てやってください。
そして物語はいったん透子から離れ、この物語の本題へ入っていきます。

あと4話。なんでこんなに急展開なんだ!!って感じで、展開していきます。
お時間のある時に、また覗いてやってくださいませ^^
いつもありがとう~~。

NoTitle 

お。データ紛失シーンですか。
教えてくださってありがとうございます^^
いやこれ飛んじゃったなんて、焦りますね。
無事に(?)復帰できて良かったです^^
私も2か月ぶりのコメ復帰です(-_-;)

透子、なんだろう。抑揚のない声から叫びになっていくところ、ドキドキしながら読み進めていきました。いあ、以前に速読で読み逃げしてはいたのですけれど(-_-;)
何とか少しでも透子自身に吐き出させたのは、滝センセ頑張りました。
センセが答えを出してあげるのではなくて、透子が何か答えを出すのですね。
進んでまいります。

けいさんへ 

おお~、けいさん、大丈夫ですか? 目は。
まだゆっくり休ませてくださいね。コメはもう、「ここ読んだ」だけでいいんですから!(テレパシーで読み込むw)
でも、うれしいです。

そう、ここなんです、全部消しちゃったのは!!
一番複雑で微妙な二人の感情と記憶が交差して、透子の本音が見えて来る所なのに~。
消してしまった第1稿のほうが良かったような気がして、しばらくブルーでした。

そう、ここは滝先生、頑張りました。
って言っても、辛抱強く話を引き出しただけなんだけど。

やっぱり、こうやって向き合うのは、綾斗には辛すぎるし、滝くらいの他人の方がいいのかなって。
でも、透子の中では、もう何か答えが出かかってるのかもしれません。
この後、大きく動くかもです。

けいさん、どうぞ無理せずに、のんびり覗きに来てやってくださいね^^
ありがとう~~。
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