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(雑記)高村先生の雑文集

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大好きな高村薫先生の初期の作品を全部読んでしまったので、今度は雑文集をいくつか読んでみました。

作家的時評集2000-2007 (朝日文庫 た 51-1)作家的時評集2000-2007 (朝日文庫 た 51-1)
(2007/10/10)
高村 薫

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半眼訥訥半眼訥訥
(2000/01)
高村 薫

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続 閑人生生 平成雑記帳2009-2011 (朝日文庫)続 閑人生生 平成雑記帳2009-2011 (朝日文庫)
(2011/12/07)
高村 薫

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エッセイと言ってしまっていいのかは分かりませんが、新聞等に連載されたこれらの雑文集は、
政治、文化、経済、犯罪、そして、個々の家庭、個人個人の意識レベルに至るまで、
彼女なりの視点で綴られています。

さすが・・・中学生の頃から毎日きっちり新聞を読み込まれてきた先生の視点は、本当に厳しくて正確で、そしてゆるぎないです。
今から15年以上前に書かれたものもありますが、そこに提示された問題は、すべて今現在の日本の問題点なのです。
言いかえれば、当時先生が危惧された問題点は、驚くほど的を得ており、やはり危ない方向に転がり、政治家の手に寄って何も好転しなかったということなのですね。

「半眼訥訥」(はんがんとつとつ)に至っては、個々の家庭、主婦、母親のあり方についても厳しく書かれていて、背筋が伸びるとともに、「ごめんなさい」と、反省すること至極。
母親・大人としての義務は? 市井に生きる自分の役割は?

でもね、先生の語り口は、根底にこっそり愛情が格納されてて、ムッと来ないんです。
先生になら、叱られてもいいかも^^;

しかし、いったい彼女は、どんな幼少時代を送り、そして自分の執筆については、どんな思いを持っておられるのか。正確無比、ゆるぎない、鋼鉄のイメージの先生への興味は尽きません。

ご自身の子供の時のエピソードもちょこっとありました。
自己中な近所の女の子を(ひっぱたいて)しまったこと・・・とか。(けっこうツボ)
あと、自分の作品は、書き終わったらすぐさま忘れてしまい、思い入れを引きずったりしない・・・とか。

えーーーー!そうなんですか? あんなに素敵な、母性本能をくすぐる男たちを、忘れられるんですか?
(いや、彼女なら有り得る。)

文庫版が出るたびに、恐ろしいほどの改稿をされる訳に、愕然。
“ハードカバーとして出された作品を読み返して、その不出来に恥ずかしくなる。けれど文庫版を出したいと言う出版社の言い分も分かる。ならば、最低限恥ずかしくないレベルの作品に書き直すのみ。読者に渡ってしまった初期の作品は、できるならば焼却、破棄されることを願う。”

と、いうものでした。
なんという徹底した作家魂。少しでも意に反するものを出してしまったことを、ここまで悔いるとは。

でも、でも・・・私は先生の初期のハードカバー、『わが手に拳銃を』も、改稿された『李歐』と同じくらい好きですよ! そして、登場人物だって、みんな大好きですよ!

・・・なんて、面と向かって言ったら、「あら、そう。でも、あれらは拙作ですから、破棄してください」って、おっしゃるんだろうな~~(>_<)
でも、そんな非凡な崇高な作家魂がまた、魅力です。

でもね先生。わかってますよ。先生はあながち、登場人物をないがしろにしておられません。
「半眼訥訥」で、昨今の大学生のことを語られるとき、なんども「李歐」の一彰を引き合いに出しておられた。
一彰は、きっと先生にとって可愛い登場人物なのでしょう。

しかし・・・なんでしょうね。
先生の鋼鉄で完璧な人間としてのイメージと、あの、リアルすぎる狂気と犯罪と妖艶さに満ちた作品たち。
ギャップ、ありすぎです。
一度でいいから、砕けた、普通のトークをしてみたい。
猫をたくさん飼ってらっしゃるそうですしね。
猫トークとか、してみたいな・・・なんて思います。(^-^)


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~ Comment ~

NoTitle 

こんにちは。
雑文集は、読んだ事ないんです。^^;
是非、購入して読んでみたいと思います。

マダム猫柳さんへ 

マダム、いらっしゃい^^
マダムも、高村先生を読まれてるんですよね。

雑文集は、だらしない私には、身につまされて痛い記事もたくさんありますが、
なんか、背筋が伸びます。

やはり高村先生は最強だなあ・・と思える雑文集です。ぜひ^^

NoTitle 

で、純文学のほうは?(笑)

NoTitle 

投票しておきました。気づかなくてスマソ(汗)

ポール・ブリッツさんへ 

老後の楽しみに取っておくのです。(w)

ポール。ブリッツさんへ 

ありがとうございます。感謝です!^^
こそっと出てみました。
来月も、こそっと出します(w)

NoTitle 

>先生が危惧された問題点は、驚くほど的を得ており

そうなんですよね。だから、耳を傾けずには、
いられないのだとおもいます。

鍵コメy さんへ 

まったく、先生の洞察力にはびっくりします。
物事の本質を見抜く力・・・なのですね。

これは、政治家だけじゃなく、私たち一人一人の問題点なのでしょう。
背筋の伸びる思いです。

ブログでのYさんの真摯な活動に、いつも感動しています。
いろいろ考えさせられることばかりです。

いってきます!!! 

こんばんは~~(^0^*)ノ
なかなか来られなくて本当にごめんなさいm(_ _)m
ゆっくり来るつもりだったんですけど
こんな時間になってしまいました・・・・・
実は明日というか、今日午前4時出なので
もう寝なくちゃいけないんです・・・・・
飛行機飛ぶか分かりませんけど・・・(;m;)

かげろうにも雨猫にも
コメント入れたかったんですけど
帰ってきてからでいいですか???
本当にごめんなさいね・・・・・・

帰ってきたら、
こんどこそゆっくりコメントしに伺いますね!!

いってきます(^0^*)ノシ

かじぺたさんへ 

かじぺたさん~。いってらっしゃい。
飛行機は、無事飛びましたか?

いやいや、コメなんて、ほんとうに気にしないでくださいね。
読んでくださるだけでもうれしいです^^

とにかく、気を付けて行って来てくださいね~~。
楽しい記事、まってます!

NoTitle 

なんか良いですね。

政治の話なんかできませんが、世の中のことについてのお話をお聞かせいただきたいですね。

物事の見方感じ方に触れたらびびっと来ますかね。

あんたそこに正座! はい。みたいな(^^;)

limeさんのような真っ直ぐなファンについて、どう思っていらっしゃるのか、とか、気になりますよ。

拍手鍵コメNさんへ 

Nさん、ありがとう~~。
えへへ。愛情、ばれちゃいましたか。
そうなんですよ。
トークショーとかあったら、絶対行きたいです。
でも、そういうの、ひきうけないだろうなあ~、センセイ。
物腰はとっても柔らかいけど、やはり鋼鉄な人だと思う。
そこがまた、しびれるんですが。
やっぱり・・・天上人だなあ~~って思います。

けいさんへ 


> 政治の話なんかできませんが、世の中のことについてのお話をお聞かせいただきたいですね。
> 物事の見方感じ方に触れたらびびっと来ますかね。

ええもう、ビビッときまくりです!
読みながら「すいません!!」って、言いたくなります。
いえ、私がいい加減な人間だからですね。
けいさんは、絶対怒られません。

> limeさんのような真っ直ぐなファンについて、どう思っていらっしゃるのか、とか、気になりますよ。

め・・・・迷惑かも(涙

きっと、クールなんだろうなあ~。
でも、憧れます。
一週間一緒に生活したら、 人間変わりそうな気がします。(ちょっとランクアップ?)

^^ 

作家への想いがひしひし伝わりますね。
尊敬できる作家がいるというのは幸せなことだと思います。

因みに「天井人」では。
屋根裏住まいの魔女・キキになってしまいますよ!!
ぎゃはw^^)/

waravinoさんへ 

きゃ~~!

本当だ~~。(∥ ̄■ ̄∥) キキじゃん! 借り住まいのアリエッティじゃん!

訂正訂正。まったくうちのPCときたら・・・。(PCのせいにする)

waravinoさん、ありがとうございます^^

NoTitle 

PCのせいにしたw
だめですよ、limeあねさまっ。

キキの……危機(ぷっくすくす

るるさんへ 

ううっ。
こんなとこに突っ込むとは! なかなか目ざといるるさん!

いや、全てはPCのせいですょ。私がそんなへまは・・・。

>キキの……危機

↑ふっ。私も書こうと思ったけど、やめたのですっ!

NoTitle 

好きな作家さんと話してみたいって思う気持ちって梶にもわかるなぁ~☆

いったいどんな話が出来るか楽しみでしょうがない!
という気持ち反面、ついていけない・・・と思う事もあると・・・頭の中身が違いすぎるぅ~~(^_^;)

kaziさんへ 

> 好きな作家さんと話してみたいって思う気持ちって梶にもわかるなぁ~☆

でしょ~?
でも、そう、頭の中身が違いすぎて・・・・。あ、私の事ですよ。

だけど、あらゆる知識と、さらに創作の妄想力を兼ね備えた作家さんと、やっぱり話をしてみたいですよね。
実際あったら、タジタジしちゃいそうですが^^;

NoTitle 

limeさんの愛がびんびんに伝わりますな~。
確かに高村さんって高潔なイメージがあります。
まだ作品をじっくり読んでないので
これは、写真とプロフィールとlimeさんの
愛あふれるファントークからくるイメージですね(爆)

Happy Flower Popさんへ 

えへへ。
や、やっぱりですか。
どうも、本も作者も、集中的に惚れ込んでしまうタイプで。
乱読できない所以ですね。

やはり、尊敬しますねえ、先生は。
人間像は、わたしなどにはとても測り知れませんが、あの作品は本当に胸に来ます。

本を読んで泣いたことは、今まで3回しかないんですが、その一冊が先生の本です。
号泣しました。
文章的にもビシッとど真ん中です! ストーリー云々の前に、あの文体は本当に芸術です。決して耽美では無く、硬質な美しさ。

そして先生の描く男たちがもう・・・。リアルにそこに存在するんです。虚構では無く、血肉を持って。
(反対に、先生の描く女性は、愛情が注ぎ込まれていないように見えて、私はそこもツボなんですがww)

やはり作家は相性ですね。
私はどうも、「あ、この人は合わないかな・・・」と思うと、続きが読めなくて。
先生といつも比較される、超売れっ子の女流作家さんがいらっしゃるんですが、ものすごくベストセラーなその本も、なぜか、胸に響かず・・・。

本を読むって、作家さんとの信頼関係だなあ~と、その時思いました。

なんて言いながら、拙作をこうやってブログにあげている自分の横暴さw。
読んでくださる方には、感謝と申し訳なさでいっぱいです。^^;
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