かげろう 〈春樹サイドストーリー〉
かげろう 第3話 チョコレート
その男の子は、ただじっと売店に並んだチョコレートバーを見つめている。
その視線が、山村にはどうしても正輝に重なって見えて仕方なかった。
山村の妻はとにかく、躾に厳しかった。
チョコレートは特に子供の天敵だと思っているらしく、一切買い与えることはしなかった。
いつもはそれに大人しく従う正輝だったが、妻が用事で正輝を残して出かけるようなことがあれば、とたんにその瞳はイタズラっぽく輝きだした。
山村も休日返上の共犯者となり、妻が出かけるやいなや、二人揃って近くのスーパーに乗り込むのだ。
お目当てのチョコレートバーを菓子棚から一本だけ掴み取り、正輝がニコリと山村に笑いかける。
言葉はいらない。暗黙の了解と言う奴だ。
「おまえ、でっかくなったらワルになるな」
そう言いながら、チョコレートを握ったままのその小さな体を抱え上げると、正輝はキャッキャと笑い、そして必ず最後に付け加えるのだ。
「ナイショね」、と。
案外、気の小さいワルだった。
「春樹君はチョコ、好き? ちょっと待ってて。おじさん、買ってあげるよ」
それはほとんど衝動だった。心の中から吹き出す衝動だった。
そんな山村を見上げ、男の子は嬉しそうに目を輝かせた。
この子も、もしかしたら母親から甘いモノを禁じられ、厳しく育てられているのかもしれない。
けれど今この瞬間、この少年の共犯者になりたかった。
この子の親を捜さねばならない時に、何をしているのだという想いは隅に追いやられ、山村はそのチョコレートバーと、緑茶のペットボトルをレジに持っていき、精算を済ませた。
「ありがとう、食べてもいい?」
男の子はひんやりと冷たいチョコレートを受け取ると、遠慮がちに訊いてきた。
山村が頷いてやると、その子はうれしそうにチョコレートバーを頬張った。
時折山村に目を向け、目が合うたびにニコッと笑う。
仕草のひとつひとつが愛らしい。
「でも、春樹君のママに怒られないかな、チョコのこと」
立ったまま、懸命にチョコを頬張るその姿に癒されながら、今さらながら山村は言ってみた。
男の子はしばらくモグモグしながら山村を見つめていたが、やがて再びニコリと笑い、つぶやいた。
「ナイショね」
山村は一瞬わけのわからない波に呑み込まれ、息が出来なくなった。
その男の子の声色も口調も、まるで正輝のものだった。
目頭が痛いほど熱を持ち、視界が歪んだのと同時に、頬に涙が伝った。
慌てて手の甲でぬぐう。
男の子はすでにチョコレートを食べ終わり、ただ驚いたようにこちらを見ている。
目の前で40を越えた男がいきなり涙をこぼしたのだ。小さなその子には訳が分からなかったのだろう。
山村はフラフラとすぐそばにあったベンチに座り、頭を垂れ、「目にゴミが入ったんだ」と言い訳をして、改めてハンカチで顔を拭った。
鼻の奥がジンと痛み、涙が溢れてくる。
ああ、この子の親を捜してやらなければならないというのに。自分はいったい何をやっているんだろう。
息を吸い込み、気を逸らそうとするのだが、涙が止まらない。
ふと、頭に触れるモノがあった。
男の子が、うなだれている山村の頭をそっと撫でているのだ。
驚いて一瞬動きを止めたが、その感触がとてつもなく心地よく、山村はその手が自分の頭を撫でるのに任せた。
その手の主はやがて、「ごめんね」、と小さく言った。
「なぜ、ごめん?」
「春樹が泣かせちゃったんでしょう?」
「そんなことないよ。君はちっとも悪くない」
「おじさんだって、ちっとも悪くないよ」
その声に、体中の血が一瞬ざわめいた。
現実の雑音も暑さも遮断し、ほわりと包み込んでくれるような声。
山村はゆっくり頭を上げ、呆けたように、目の前に立つ男の子を見つめた。
目が合うと琥珀色の瞳を細め、その子は再び柔らかく笑った。
その視線が、山村にはどうしても正輝に重なって見えて仕方なかった。
山村の妻はとにかく、躾に厳しかった。
チョコレートは特に子供の天敵だと思っているらしく、一切買い与えることはしなかった。
いつもはそれに大人しく従う正輝だったが、妻が用事で正輝を残して出かけるようなことがあれば、とたんにその瞳はイタズラっぽく輝きだした。
山村も休日返上の共犯者となり、妻が出かけるやいなや、二人揃って近くのスーパーに乗り込むのだ。
お目当てのチョコレートバーを菓子棚から一本だけ掴み取り、正輝がニコリと山村に笑いかける。
言葉はいらない。暗黙の了解と言う奴だ。
「おまえ、でっかくなったらワルになるな」
そう言いながら、チョコレートを握ったままのその小さな体を抱え上げると、正輝はキャッキャと笑い、そして必ず最後に付け加えるのだ。
「ナイショね」、と。
案外、気の小さいワルだった。
「春樹君はチョコ、好き? ちょっと待ってて。おじさん、買ってあげるよ」
それはほとんど衝動だった。心の中から吹き出す衝動だった。
そんな山村を見上げ、男の子は嬉しそうに目を輝かせた。
この子も、もしかしたら母親から甘いモノを禁じられ、厳しく育てられているのかもしれない。
けれど今この瞬間、この少年の共犯者になりたかった。
この子の親を捜さねばならない時に、何をしているのだという想いは隅に追いやられ、山村はそのチョコレートバーと、緑茶のペットボトルをレジに持っていき、精算を済ませた。
「ありがとう、食べてもいい?」
男の子はひんやりと冷たいチョコレートを受け取ると、遠慮がちに訊いてきた。
山村が頷いてやると、その子はうれしそうにチョコレートバーを頬張った。
時折山村に目を向け、目が合うたびにニコッと笑う。
仕草のひとつひとつが愛らしい。
「でも、春樹君のママに怒られないかな、チョコのこと」
立ったまま、懸命にチョコを頬張るその姿に癒されながら、今さらながら山村は言ってみた。
男の子はしばらくモグモグしながら山村を見つめていたが、やがて再びニコリと笑い、つぶやいた。
「ナイショね」
山村は一瞬わけのわからない波に呑み込まれ、息が出来なくなった。
その男の子の声色も口調も、まるで正輝のものだった。
目頭が痛いほど熱を持ち、視界が歪んだのと同時に、頬に涙が伝った。
慌てて手の甲でぬぐう。
男の子はすでにチョコレートを食べ終わり、ただ驚いたようにこちらを見ている。
目の前で40を越えた男がいきなり涙をこぼしたのだ。小さなその子には訳が分からなかったのだろう。
山村はフラフラとすぐそばにあったベンチに座り、頭を垂れ、「目にゴミが入ったんだ」と言い訳をして、改めてハンカチで顔を拭った。
鼻の奥がジンと痛み、涙が溢れてくる。
ああ、この子の親を捜してやらなければならないというのに。自分はいったい何をやっているんだろう。
息を吸い込み、気を逸らそうとするのだが、涙が止まらない。
ふと、頭に触れるモノがあった。
男の子が、うなだれている山村の頭をそっと撫でているのだ。
驚いて一瞬動きを止めたが、その感触がとてつもなく心地よく、山村はその手が自分の頭を撫でるのに任せた。
その手の主はやがて、「ごめんね」、と小さく言った。
「なぜ、ごめん?」
「春樹が泣かせちゃったんでしょう?」
「そんなことないよ。君はちっとも悪くない」
「おじさんだって、ちっとも悪くないよ」
その声に、体中の血が一瞬ざわめいた。
現実の雑音も暑さも遮断し、ほわりと包み込んでくれるような声。
山村はゆっくり頭を上げ、呆けたように、目の前に立つ男の子を見つめた。
目が合うと琥珀色の瞳を細め、その子は再び柔らかく笑った。
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- ┣ 第2話 扉
- ┣ 第3話 その手の中の天使
- ┣ 第4話 この星の下で
- ┣ 第5話 サクラ
- ┣ 第6話 追憶
- ┣ 第7話 HOME
- ┣ 挿入話 序曲・本当のプロローグ
- ┣ 第8話 渇望
- ┣ 第9話 天使の称号
- ┣ 第10話 エレジー
- ┗ 最終話 夢の終わりに
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未分類

~ Comment ~
kaziさんへ
同じくらいの男の子を持つkaziさんには、ほんとうに辛い描写だったですよね。
申し訳なかったです。
でも、ここまで読んでもらえて、うれしいです。
(あ、でも、「これは読みたくない」と思われたら、本当にスル―してくださいね)
人の心を救うなんて、たやすくできることではないのですが、ほんの一瞬の触れ合いが、何かの化学反応を起こしてくれればいいな・・・と。そんな思いで描きました。
後一話、見守ってやってください。
梶さん、すこしだけ吹っ切れましたか?
それは、この話の事じゃなく、梶さんの抱えていた問題ですよね?
だったらうれしいな。
申し訳なかったです。
でも、ここまで読んでもらえて、うれしいです。
(あ、でも、「これは読みたくない」と思われたら、本当にスル―してくださいね)
人の心を救うなんて、たやすくできることではないのですが、ほんの一瞬の触れ合いが、何かの化学反応を起こしてくれればいいな・・・と。そんな思いで描きました。
後一話、見守ってやってください。
梶さん、すこしだけ吹っ切れましたか?
それは、この話の事じゃなく、梶さんの抱えていた問題ですよね?
だったらうれしいな。
ポール・ブリッツさんへ
春樹は、・・・本当にチョコが食べたかっただけなのじゃないかなあと、作者は睨んでおります(笑
イノセントな男、好きですねぇ。
そんな人間を書けば書くほど、現実離れして行くのは、なぜだろう・・・。
でも、小説の中くらい、純潔を見たいじゃないですか(*^_^*)
しかし、春樹はたぶん・・・結婚できませんよね。一生。(´Д`。)
イノセントな男、好きですねぇ。
そんな人間を書けば書くほど、現実離れして行くのは、なぜだろう・・・。
でも、小説の中くらい、純潔を見たいじゃないですか(*^_^*)
しかし、春樹はたぶん・・・結婚できませんよね。一生。(´Д`。)
頭なでなで
ちっちゃい子が ちっちゃい手で、「だいじょうぶだよ」と頭をなでなでしてくれると、
何とも言えずホンワカした気分になりますよね。
私の場合は、ドジで頭をぶつけただけだったんですけどね。
あの感触は忘れられません。
何とも言えずホンワカした気分になりますよね。
私の場合は、ドジで頭をぶつけただけだったんですけどね。
あの感触は忘れられません。
NoTitle
うるうるだよぉ~~
お母さんの知らないお父さんと二人だけの秘密って、
子どもの心をワクワクさせるのですよね。ちょいワルだと余計に。
春樹がその思い出の一ページを再現したら・・・
きます・・・
春樹は素直で良い子だぁ~~
素直フェチ^^
お母さんの知らないお父さんと二人だけの秘密って、
子どもの心をワクワクさせるのですよね。ちょいワルだと余計に。
春樹がその思い出の一ページを再現したら・・・
きます・・・
春樹は素直で良い子だぁ~~
素直フェチ^^
NoTitle
小さい頃から春樹は、当たり前のようにこんな生活をしてきたんだ。
可哀想にと思ってしまうけれど、これしか知らないのだから、当然の世界なんだろうな。
知ろうとしなくても入ってしまった情報には、ある程度の距離を置けても。
好きになった人の胸の内は、どうやっても距離を置けない。
結局人を好きになることが一番の試練なんですねー(涙)
可哀想にと思ってしまうけれど、これしか知らないのだから、当然の世界なんだろうな。
知ろうとしなくても入ってしまった情報には、ある程度の距離を置けても。
好きになった人の胸の内は、どうやっても距離を置けない。
結局人を好きになることが一番の試練なんですねー(涙)
NoTitle
いいシーンですね。
画面が浮かんでくる。
ふっくらとして暖かい、いや熱いような小さな手。
ズンと来たでしょうね。
春樹の能力が一番発揮できて喜ばれるとしたら、
こんな風に慰めることなのかも・・・
言葉に出せない事の方がずっと多いいもの。
画面が浮かんでくる。
ふっくらとして暖かい、いや熱いような小さな手。
ズンと来たでしょうね。
春樹の能力が一番発揮できて喜ばれるとしたら、
こんな風に慰めることなのかも・・・
言葉に出せない事の方がずっと多いいもの。
- #6459 ぴゆう
- URL
- 2012.06/08 12:00
- ▲EntryTop
NoTitle
チョコバー、「ナイショね」の言葉
これらは、春樹が山村から 読み取った上での言動でしょうか。。。?
もし 読み取っていたとしても
幼い春樹には、深く考えずに 自分の内に浮かんだ事に 純粋に従ったのかもしれないですね。
プニュプニュの小さな手が、「泣かないで」と慰めてくれる
これには、キタ ━━━ヽ(TωT)ノ ━━━!!
「おじさんだって、ちっとも悪くないよ」...そう 誰の責任でもない。
だけど やっぱり 子供の死は、受け入れ難く、
”あの時 あぁすれば良かった”と、ずっと 後悔するものなんです、親だから・・・
(。-_-。)...byebye☆
これらは、春樹が山村から 読み取った上での言動でしょうか。。。?
もし 読み取っていたとしても
幼い春樹には、深く考えずに 自分の内に浮かんだ事に 純粋に従ったのかもしれないですね。
プニュプニュの小さな手が、「泣かないで」と慰めてくれる
これには、キタ ━━━ヽ(TωT)ノ ━━━!!
「おじさんだって、ちっとも悪くないよ」...そう 誰の責任でもない。
だけど やっぱり 子供の死は、受け入れ難く、
”あの時 あぁすれば良かった”と、ずっと 後悔するものなんです、親だから・・・
(。-_-。)...byebye☆
- #6460 けいったん
- URL
- 2012.06/08 12:59
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しのぶもじずりさんへ
あれは、いいですよね。
ちっちゃい子にも、人を慰めてあげたい、笑ってほしいという気持ちが、いっぱい詰まってるんですよね。
そんな純真ななでなでは、本当にぐっときます。
しのぶさんも、なでなでされたんですね。
素敵なことです^^
ちっちゃい子にも、人を慰めてあげたい、笑ってほしいという気持ちが、いっぱい詰まってるんですよね。
そんな純真ななでなでは、本当にぐっときます。
しのぶさんも、なでなでされたんですね。
素敵なことです^^
けいさんへ
けいさん、ありがとう~。
お母さんと子供って、結構物語にされるけど、お父さんと息子の、親密な関係って言うのも、いいですよね。
ここで描く母親は、子育てに猛進しすぎて、ちょっと子供を縛っちゃってるママ。
そんなママの目を盗んで、結託する父子。悪ガキふたり。
こういうのも、いいな・・・と。
ここでは、春樹の感情は書かれていませんが、4、最終話を読んでもらえば、春樹がこの山村に抱いた想いが、少しだけ伝わるかな?と・・・。(いや、きっと作者にしか分からないレベルでしょう><)
とにかく、春樹はここで、なんの計算も無く、純真に、心に浮かんだことを喋っているのですが。
春樹、素直でいい子でしょ? えへ。(親馬鹿)
お母さんと子供って、結構物語にされるけど、お父さんと息子の、親密な関係って言うのも、いいですよね。
ここで描く母親は、子育てに猛進しすぎて、ちょっと子供を縛っちゃってるママ。
そんなママの目を盗んで、結託する父子。悪ガキふたり。
こういうのも、いいな・・・と。
ここでは、春樹の感情は書かれていませんが、4、最終話を読んでもらえば、春樹がこの山村に抱いた想いが、少しだけ伝わるかな?と・・・。(いや、きっと作者にしか分からないレベルでしょう><)
とにかく、春樹はここで、なんの計算も無く、純真に、心に浮かんだことを喋っているのですが。
春樹、素直でいい子でしょ? えへ。(親馬鹿)
ごろちゃんさんへ
> 小さい頃から春樹は、当たり前のようにこんな生活をしてきたんだ。
> 可哀想にと思ってしまうけれど、これしか知らないのだから、当然の世界なんだろうな。
そうなんですよね><
第2章でも、美沙に攻められて春樹が言った言葉の中に、
「でも、僕には人の心を読むのは、呼吸と同じくらい、普通のことだったんだ」
って、言ってるんです。
幼児の頃は好奇心も手伝って、わざと人の心に飛び込んでしまったり・・・したんだと思います。
そして、不快になったり傷ついたりしながら、ようやくその「行為」を、自分で禁じたんだと思うんです。
でも、4歳の、この春樹はまだ、死という意味も分からない子供。
そんな子供にしかできない魔法が、あればいいなと。
>結局人を好きになることが一番の試練なんですねー(涙)
本当に・・・純真で、真面目な子なだけに、恋をすることが、一番の試練かも。
やっぱり、結婚できないでしょうか、春樹・・・。><
> 可哀想にと思ってしまうけれど、これしか知らないのだから、当然の世界なんだろうな。
そうなんですよね><
第2章でも、美沙に攻められて春樹が言った言葉の中に、
「でも、僕には人の心を読むのは、呼吸と同じくらい、普通のことだったんだ」
って、言ってるんです。
幼児の頃は好奇心も手伝って、わざと人の心に飛び込んでしまったり・・・したんだと思います。
そして、不快になったり傷ついたりしながら、ようやくその「行為」を、自分で禁じたんだと思うんです。
でも、4歳の、この春樹はまだ、死という意味も分からない子供。
そんな子供にしかできない魔法が、あればいいなと。
>結局人を好きになることが一番の試練なんですねー(涙)
本当に・・・純真で、真面目な子なだけに、恋をすることが、一番の試練かも。
やっぱり、結婚できないでしょうか、春樹・・・。><
ぴゆうさんへ
> いいシーンですね。
> 画面が浮かんでくる。
ありがとうございます。ここは、本当に自分の中に鮮明な絵がありました。
春樹は、この山村を救おうなんて、生意気なことはたぶん、少しも思ってないんだと思います。
ただ、シンクロした山村の気持ちを、慰めようと、言葉にしてるだけで。
4歳の今が、一番春樹は自然に生きられてたのかもしれませんね。
そんな4歳児だからこそ、起こせる奇跡があったらいいな・・・と思いました。
>春樹の能力が一番発揮できて喜ばれるとしたら、
こんな風に慰めることなのかも・・・
私も、そう思います。
呪われた能力だと思ってる春樹が、なんとも不憫で。
> 画面が浮かんでくる。
ありがとうございます。ここは、本当に自分の中に鮮明な絵がありました。
春樹は、この山村を救おうなんて、生意気なことはたぶん、少しも思ってないんだと思います。
ただ、シンクロした山村の気持ちを、慰めようと、言葉にしてるだけで。
4歳の今が、一番春樹は自然に生きられてたのかもしれませんね。
そんな4歳児だからこそ、起こせる奇跡があったらいいな・・・と思いました。
>春樹の能力が一番発揮できて喜ばれるとしたら、
こんな風に慰めることなのかも・・・
私も、そう思います。
呪われた能力だと思ってる春樹が、なんとも不憫で。
けいったんさんへ
> チョコバー、「ナイショね」の言葉
> これらは、春樹が山村から 読み取った上での言動でしょうか。。。?
> もし 読み取っていたとしても
> 幼い春樹には、深く考えずに 自分の内に浮かんだ事に 純粋に従ったのかもしれないですね。
そうなんですよ。
春樹には、「癒してやろう」「喜ばしてあげよう」なんて計算は、まるで無いんです。
純粋お気楽ポヨヨン幼児ですから(*^-^*)
まだ、相手から流れ込んだ言葉や感覚と、自分の感覚をはっきりと分けられなくて、無性にチョコが食べたくなっちゃったんですね、きっと。
これが、後に「浸食される」ということになるんですが。
まだ「死」と言うものが的確に理解できてないので、山村の、訳の分からないほどの悲しみを、ただ労わってあげたい気持ちだけで、動いてるんですね。
>プニュプニュの小さな手が、「泣かないで」と慰めてくれる
これには、キタ ━━━ヽ(TωT)ノ ━━━!!
されたいですよね、よしよし・・・って><
されたい~~~!(おちつけ)
>「おじさんだって、ちっとも悪くないよ」...そう 誰の責任でもない。
だけど やっぱり 子供の死は、受け入れ難く、
ここなんですよね。
そうは言っても、そんなことでは、慰められないんじゃない?・・・なんて思ったりもします。
でも、きっと山村は、何かに救われたいと、どこかで思ってるんじゃないでしょうか。
自分を責める傍ら、救われたい・・・って。
そんな時に、春樹と、出会わせてみました。
次回、ラストです。
これ、じつは春樹の物語でもあるんですよね^^ふふ。
> これらは、春樹が山村から 読み取った上での言動でしょうか。。。?
> もし 読み取っていたとしても
> 幼い春樹には、深く考えずに 自分の内に浮かんだ事に 純粋に従ったのかもしれないですね。
そうなんですよ。
春樹には、「癒してやろう」「喜ばしてあげよう」なんて計算は、まるで無いんです。
純粋お気楽ポヨヨン幼児ですから(*^-^*)
まだ、相手から流れ込んだ言葉や感覚と、自分の感覚をはっきりと分けられなくて、無性にチョコが食べたくなっちゃったんですね、きっと。
これが、後に「浸食される」ということになるんですが。
まだ「死」と言うものが的確に理解できてないので、山村の、訳の分からないほどの悲しみを、ただ労わってあげたい気持ちだけで、動いてるんですね。
>プニュプニュの小さな手が、「泣かないで」と慰めてくれる
これには、キタ ━━━ヽ(TωT)ノ ━━━!!
されたいですよね、よしよし・・・って><
されたい~~~!(おちつけ)
>「おじさんだって、ちっとも悪くないよ」...そう 誰の責任でもない。
だけど やっぱり 子供の死は、受け入れ難く、
ここなんですよね。
そうは言っても、そんなことでは、慰められないんじゃない?・・・なんて思ったりもします。
でも、きっと山村は、何かに救われたいと、どこかで思ってるんじゃないでしょうか。
自分を責める傍ら、救われたい・・・って。
そんな時に、春樹と、出会わせてみました。
次回、ラストです。
これ、じつは春樹の物語でもあるんですよね^^ふふ。
NoTitle
う~む。
この心の心情がチョコレートによくでていますね。
流石の描写力ですね。
私では真似できないところです。
こういう文学的な表現が良いですね。
この心の心情がチョコレートによくでていますね。
流石の描写力ですね。
私では真似できないところです。
こういう文学的な表現が良いですね。
- #6466 LandM(才条 蓮)
- URL
- 2012.06/10 12:44
- ▲EntryTop
LandM(才条 蓮)さんへ
ありがとうございますーー。
あまり正統派文学を読んだことがないので、自信がなかったのですが、そう言って貰えるとうれしいです。
いつも、ダークなものを書いていますので、たまにこんな純粋なものも書きたくなってきます。
でも、そうするとまた、ダークなのが書きたくなって・・・。
心情をチョコレートというアイテムで引き出してみました。
そこを感じ取ってもらえて、とてもうれしいです♪
あまり正統派文学を読んだことがないので、自信がなかったのですが、そう言って貰えるとうれしいです。
いつも、ダークなものを書いていますので、たまにこんな純粋なものも書きたくなってきます。
でも、そうするとまた、ダークなのが書きたくなって・・・。
心情をチョコレートというアイテムで引き出してみました。
そこを感じ取ってもらえて、とてもうれしいです♪
さりげなく
小さな奇跡、山村さんにとってのこの出来事は、本当にその通りですね。
生涯忘れない愛しい息子とのやりとりが、春樹くんとの触れ合いでよみがえってくる。痛くもありやるせなくもあり、甘美でもあるひととき、と解釈していいでしょうか。
十五年前の京阪電車……これは京都のほうの駅ですか?
三条とか四条とかではなさそうな。
私はもっと昔には京阪沿線に住んでいたこともありますので、どこの駅かなぁ、なんてのも気になっています。
生涯忘れない愛しい息子とのやりとりが、春樹くんとの触れ合いでよみがえってくる。痛くもありやるせなくもあり、甘美でもあるひととき、と解釈していいでしょうか。
十五年前の京阪電車……これは京都のほうの駅ですか?
三条とか四条とかではなさそうな。
私はもっと昔には京阪沿線に住んでいたこともありますので、どこの駅かなぁ、なんてのも気になっています。
あかねさんへ
こんな、何気ない偶然の、ちいさなドラマを書いてみたかったんです。
次回の最終話も、こんな感じで続きます^^
じつは、最後にKEEP OUT読者へのおまけがあるのですが、まだ本編を読んでいない方には、
「なぜここが必要かな?」と、思われるかもしれませんね。
その部分がどう映ったか、印象を教えていただけると嬉しいです。
さあ、何駅でしょう。
なんて、もったいつけるほどの事じゃないんですがww
大阪から出町柳方面へ行く途中の、N駅です。^^(大阪府内ですね)
15年前は、どうだったのかな・・・などと、想像しながら描写してみました。
(水飲み器は、置いてないと思うんですが)
次回の最終話も、こんな感じで続きます^^
じつは、最後にKEEP OUT読者へのおまけがあるのですが、まだ本編を読んでいない方には、
「なぜここが必要かな?」と、思われるかもしれませんね。
その部分がどう映ったか、印象を教えていただけると嬉しいです。
さあ、何駅でしょう。
なんて、もったいつけるほどの事じゃないんですがww
大阪から出町柳方面へ行く途中の、N駅です。^^(大阪府内ですね)
15年前は、どうだったのかな・・・などと、想像しながら描写してみました。
(水飲み器は、置いてないと思うんですが)
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NoTitle
前回のを読んだ時、正直きつい~~想像したくない~~と思いながらも想像してしまう梶(^_^;)
でも、小説として本当に気持ちの伝わるものですね☆
ちょっとだけ、梶は吹っ切れました☆