☆感想(観劇・映画・小説)

(レビュー)『サマータイム』。懐かしい光

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このところ、アマゾンさんの、お得意様です(^^ゞ
先月は15冊以上、本を購入していました。
衣料品も多いんですが。(そっちの方が大きいかな^^;)

半分は、今ハマっているイラストレーターさんの関連ですが、もう半分は、小説。
色々読むうちに、今まで読んだことの無いタイプのこの一冊に、新鮮な驚きを感じました。

佐藤多佳子さんの『サマータイム』。






【あらすじ】
佳奈が十二で、ぼくが十一だった夏。どしゃ降りの雨のプール、じたばたもがくような、不思議な泳ぎをする彼に、ぼくは出会った。左腕と父親を失った代わりに、大人びた雰囲気を身につけた彼。そして、ぼくと佳奈。たがいに感電する、不思議な図形。友情じゃなく、もっと特別ななにか。ひりひりして、でも眩しい、あの夏。他者という世界を、素手で発見する一瞬のきらめき。鮮烈なデビュー作。


高校生の「ぼく」が、11歳の頃からの、自分たち姉弟の間で起こった出来事を1人称で語るこの物語。
これがもう、最高にキラキラしてるんです。

嵐の日のプールでの、左腕の無い少年との出会い。
ピアノが上手で、ちょっと大人びた彼への憧れ。
ちょっぴりエキセントリックな姉の、その少年への恋心。
少年と、ジャズピアニストの母親の、何とも言えず甘く、寂しげな関係。

少年には片腕がありませんが、それに起因する悲劇が描かれているわけではありません。
ただ、自転車に乗るのが、難しい。
ピアノは、右手だけで弾くんだよ。
・・・それだけのこと。
あとは、弟と、姉と、少年の、ピュアな懸命な、日々なのです。

これは「MOE」という雑誌の童話大賞に選ばれた短編らしいです。
文庫本にして、50ページ足らずの物語。
だけど、その中に、瑞々しい、絞ればじゅわっと果汁が出てきそうな、甘酸っぱい感動があります。

こんな純粋な物語を読んだのは、何年振りだろう。
最後に森絵都さんが、興奮気味に書かれている解説が素晴らしく、私のレビューの代わりに載せたいくらいです。(笑)

この物語の最後の2行がね、特に素敵。
児童文学や、童話と言ってもいい感じの物語ですが、最後の2行で、「大人までビリリとさせる」秀逸な物語だと感じました。

この文庫本の中には、『サマータイム』に続く、他3編が収録されていますが、どれも素晴らしいです。
特に、『五月の道しるべ』は、好きだなあ~。
これ、中学生の国語の教科書に載せたい!と、なぜか思ってしまいました。
幼い弟、そして姉。
その、微妙な微妙な、優しさと、意地と、意地悪と、健気さと。
そんなものが、お風呂に浮かんだ無数のつつじの花弁と混ざり合って、胸にぐっと来ます。
「ああ、子供の頃って、こんな兄弟げんかをしたな・・」って、そんな思いが胸に込み上げます。

とにかく、鮮明、鮮烈。キラキラ度が半端ない。
子供に読ませるのは、もったいないくらいの、大人の為の児童文学って感じがします。
ん? さっき、教科書に載せたいって言ったくせに( ̄_ ̄;)

けっこうハードなサスペンスが好きな私には、なかなか出会えない、高純度な物語でした^^


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~ Comment ~

NoTitle 

limeさん、ダメですよ。
’最後の二行’がめっちゃ気になるじゃないですかっ。

ピュアとか、じゅわ果汁とか、そんなキーワードに弱い・・・
行間からキラキラなんてもう・・・わーてなちゃいます。。。
(ピュアキラ系(?)大好きです)

童話ですか。良いですねぇ。
実は童話を描くことには大いに興味があるんです。
興味があるだけで始めるにはまだまだ至らないのですが。いつかね。

ちなみに、ピュアキラ系を描くためには、自分もピュアキラ系の面持ちにならねばいけないのでしょうかねえ・・・それは・・・(滝汗)

けいさんへ 

えへへ。
2行のことは、忘れてください!(おそいおそい)

そうなんですね?
けいさんは、きらきら、純粋でピュアなものが、お好きだったんですね!
(なんだと思ってたのかw)

私はぎゃくに、あまりピュアすぎるとなんとなく気恥ずかしくなってしまって、読めなかったりするんです。
でも、このサマータイムは、まったくそんなモゾモゾ感が無く、突っ切ったピュアさがあります。
1日で読めますので、ぜひ^^

けいさんが童話書いたら、楽しいものが出来るような気がします。
是非読んでみたい!

私は昔、童話作家に憧れたんですが、自分の中に、そんなピュアさがなかったのに気づき、あきらめました。
高校生の頃、一作、絵本を書いて投稿したのですが、「大人の物語ですね」と、言われてしまいました^^;

いいんだもん・・・大人になるもん><

キラキラ 

昨日は、新曲を聴いてくださり、ステキなコメントまでありがとうございます。
キラキラ、いいですね。
天邪鬼でクールな私は、こそばゆくてしかたありません。
でも、そんな少年少女たちの頃の自分はきっと色々なキラキラしたものに憧れ、キラキラした時間の中に居たんだろうなあと思います。
真剣にそういう物語を読んで充電する時間を確保しないと、キラキラの届かない泥のような世界にずぶずぶとはまりこんでいきそうです。
>教科書に載せたい!
今の中学生って、そういうキラキラを知ってるのかなあ…
余計なお世話ですね、きっと。(笑)

銀さんへ 

銀さん、いらっしゃい。
はい!私も、とんとキラキラには縁が無い人間で^^;

青春モノやピュアな物語は、なんか気恥ずかしくて避けてきました。
たぶん、この物語は特別なんじゃないかなあ・・・と、思ってピクアップしてみました。

やはり、「がんばって充電しよう」と思うより、事故のようにキラキラにぶつかる方が、いいのです。
待っていましょう。キラキラにぶつかるのを。

(さっき、思い切りダークな短編を書いてしまった私が語りますww)

今の中学生は、なかなか・・・すごい世界に住んでいますからね。一筋縄でいかないかもしれません!
でも、根本は優しいですけどね^^

NoTitle 

そうそう!!
良い小説は小学生とかの教科書に乗せるべきだと思う!!

そんな考えに、一票!!

kaziさんへ 

やっぱり、教科書に乗っていた小説って、ずっと心に残りますよね。
何度も繰り返し読むから。
いい小説を載せてあげてほしいと思います。
(「良い」っていうのも、すごく感覚的なものですが^^)

NoTitle 

キラキラの時代っていいよね。
私は、小学校の低学年の時代がキラキラしていたなぁ~
見ている風景が違うんだよね。
すべての世界を仰ぎ見ている。
暑い夏も楽しかったし、寒い冬も面白かった。
男も女もなく遊んでいた。
妹もはしゃいでいたなぁ~
子供だし、目がいいから遠くまで見える。
畑も野原もキラキラに見えていた。
意識して見るのが初めてだから何もかも新しい発見。
戻りたいものだ。

ぴゆうさんへ 

ぴゆうさんは、小学校低学年がキラキラ時代だったのですね。
私はいつかなぁ。
でも、それくらいの時って、見るもの全てが輝いていましたね。
好奇心もいっぱいだった。

私は、もう一回もどれたら、もっと優しい子になりたいです。
末っ子で、わがままだったから。
そしたら、今はもうちょっとまともな大人になってたかな~^^。

あ、でも、この本はね、純粋で無垢なキラキラじゃなくて、大人に近づきつつある思春期の、複雑なキラキラ。
そういうのも、いいですよね^^

拍手鍵コメNさんへ 

Nさん、MOEの読者さんだったのですね^^
私は一回だけ買ったことがあります。
清水玲子さん特集の時♪
ぜひぜひ、今年はイラスト、おうぼしてくださいね!!応援しています。

このサマータイム、Nさんにぜひ読んでもらいたいです。
Nさんの、イメージだなーなんて、思います(勝手に)
ぜひ、ぜひ!

再び、拍手鍵コメNさんへ 

おお、Nさん、サマータイム、みつかりませんでしたか。
本屋さんで探されたんですか?
それともネット?
ネット通販だと、送料がすごくかかっちゃいそうですもんね。航空便だもん。
海外の本屋さん事情はわからないんですが、・・・みつかるといいですね><

ででで、また、逃しましたよ、キリバン。
戦いは、続く!
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