☆雑記・四方山話

(雑記)再読で改めて・・・

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記憶力がどうにも乏しい私は、幸か不幸か、読んだ本の内容を、2年くらいで程よく忘れてしまいます。
「不幸だろ」というツッコミが正解ですよね(笑)
でもね、《再読》という楽しみが待っているわけです。

映画化の話があってから、また無性に『黄金を抱いて翔べ』が読みたくなり、
自作の製作も止まったままなのに、またジワジワと読み始めました。
(すみません、またこの作品の話で^^)

驚くことがありました。
初めて読んだ時よりも、断然、断然、面白いのです。
なんでしょう、この感覚。
(この感覚はもしかしたら、この後私が高村作品を沢山読んだことで、著者への圧倒的信頼感、理解が生まれたからかもしれません。)
物語全体の殺伐とした物悲しさはもとより、淡々とした文章一つ一つが魅力的で、心に沁み入ってきます。
もちろん物語とは「作り物」なのに、そこにはリアルを越えたリアルがあり。
ちゃんとそこに血がかよって、汗臭くて、切なくて。
愚かで、馬鹿で、どうしようもなく愛おしい男たちの命の鼓動があります。

もしも一度でも、私にこんな物語の断片でも書くことができたら、もう何もいらないし、二度と文章を書けなくてもいい。
そう思いました。
(いえいえ、参考にしようなどと、大それたことは思いもしません。私には神ですから)

きっとこれは、恋なんでしょうね。この著者の文章への恋。恋の病。
他の人に「え?なぜそこまで?」と言われても、恋に理由はなく、そうとしか説明できない。

映画になるにあたって、高村先生が寄せられた文がありました。
自作について先生が語られる文章をみたのは初めてだったので、ドキドキ。

(抜粋記事)
「大阪で会社勤めをしながら、朝から晩まで大阪の風景を眺め、大阪の匂いを嗅いでいた時代に、じっとりと汗が噴き出すようにして生まれ出た小説が『黄金を抱いて翔べ』でした。荒唐無稽な金塊強奪という筋書きも、必ずしも金目当てではない男たちの行動原理も、盲目的で破滅的な彼らの疾走ぶりも、みんな大阪という土地の空気と匂いと熱から来たものです。だから、映画になるのであれば絶対に大阪出身の監督さんで、と思ってきました。アジア的で、ほの暗くて、ざらざらしていて、暴力的で、男も女も初めから壊れているような、そんな大阪の映画を観たい、とも思ってきました。小説のほうは、いまから振り返るのも恥ずかしい若書きで、ずいぶん甘いところがありますが、このたびの映像化では、井筒監督がこれを換骨奪胎して、スピード感のある男臭い映像に仕立ててくださるものと期待しております。とまれ、もう二十年も前の小説がこうして井筒監督に再発見され、二十一世紀を生きる若い俳優さんたちによって登場人物たちが甦るなんて、まさに小説家冥利につきるというものです」

ああ、そうです。雑然とした熱帯の大阪と、人間の持つ狂気に似た孤独。
この作品からにじみ出るものは、そうなんですよね。

昨夜また夢中で読みなおして、入り込み過ぎて吐きそうになったんですが・・・。
初めて読んだ時には、気付かなかった感慨がたくさんありました。
再読。かなり魅力です。
でもそれはきっと、珠玉の文章で織り込まれた高村先生の作品だからかな・・・とも思います。

映画の方は・・・そうですね、やっぱり期待と不安が、半々です^^;
(どうか、どうか、いい作品にしてくださいね、監督(>_<) )


さて、自作のほうも頑張らないと。

誰かを満足させる物語は、まだまだ書けないのかもしれませんが、
自分の情熱を試すべく、ここで足掻いていたいと思います。

自分自身が惚れ込む文章が、書ければいいな。
それに出会うために、日々奮闘です。




黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)
(1994/01)
高村 薫

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~ Comment ~

NoTitle 

読みたい……!
よみたいです、おねえさま!

よみたいっ……!

るるさんへ 

ええ、読んでください。

いつか読んでください。るるさん。
そして、ハードな男になってください。

でも、決して彼らの真似はしないでください。早死にします・爆

NoTitle 

limeさんは、ご自身を高められるために作家さんをしていらっしゃるんだなあと感じました。limeさんの作品はどれを取ってもとてもすばらしいものばかりなのに、さらに上を目指していらっしゃる。世界記録を持っているのにさらに自分のベストタイムを目指すランナーのよう。それはやはり高村さんという神の作家さんがいらっしゃるからなんですよね。そんな出逢いを持っていらして、何だかとっても羨ましいです。

自身の地元が舞台になっているお話には身が入りますよね。地元が出ると、話の背景や空気までが見えてきてぐっと理解が深まるんですよ。ご当地物には弱いです。

自分自身が惚れ込む文章が、書ければいいな。

これに激しく同意。limeさんについていかせて・・・^^

けいさんへ 

け、けいさん、褒めすぎです~>< は、はずかしい~。
どうすんですか、穴がみつかりません。
高めようにも、まだ地面にも出てきてない初心者ですよ~。
こうやって、読んでくださる方がいるから、「物書き」なんて、いってられるだけで。

でも、うれしいです^^最近、凹み気味だったのですが、ぐぐっと浮上しました!
じゃあ、けいさん、このあとどんな作品書いても、頑張って付いてきてくださいね~~ふふ。
(何を書く気だろう)

>自身の地元が舞台になっているお話には身が入りますよね。地元が出ると、話の背景や空気までが見えてきてぐっと理解が深まるんですよ。ご当地物には弱いです。

そうなんですよね。
でも、今まで大阪が舞台でも、その場所に行ってみたいとか、興奮することはなかったのに。
なんか、高村先生の、あの物語の舞台だと思うと、その場所を一日かけて歩いてしまったり。ミーハーですね。
この「黄金・・・」の作品の舞台の靭(うつぼ)本町は、私の本籍地なんです^^(住居は別ですが)
その場所で、あんなハードなドラマが展開してるんです!!
これが興奮せずにおられましょうか。

映画には、あの場所が使われるのかなあ・・・。
ああ、どきどきするなあ~~。

>それはやはり高村さんという神の作家さんがいらっしゃるからなんですよね。そんな出逢いを持っていらして、何だかとっても羨ましいです。

そうなんです。
本当に高村先生の作品に出会えて幸せです。
どはいえ、もう昔のような作品を書いてもらえなさそうなので、初期の作品を何度も何度も読む事になるだろうと思うのですが。
それでも、やっぱり幸せです^^

NoTitle 

再読って好きですよ。
再読させる力があるんですよね。
作家に惚れ込むもあり、文に惚れ込むもあり。
まっアリアリですよね。

井筒監督・・・
少し疑問がよぎりますが絶対に原作をいじくり過ぎ無いように、
それでもってラシサなんて考えないように。
原作に忠実にしてくれーー
外野の願い。

ぴゆうさんへ 

そうなんですよね!

再読したくなる作品って、そんなに沢山ないんです。
もう一度読みたくなる本って、それほど、力と魅力に溢れてるんです^^

>井筒監督・・・
少し疑問がよぎりますが絶対に原作をいじくり過ぎ無いように、
それでもってラシサなんて考えないように。
原作に忠実にしてくれーー

↑そう・・・・私もちょっぴり不安。
井筒監督の作品はそんなに沢山知らないんですが。

自分の信念のままに、撮り切ってしまうイメージがあります。
どうか、どうか、高村先生の、あの力強い中にある、精細な、小鳥のような純潔を、拾い取ってほしいです。
高村先生の作品は、ただ粗野で壊れている人間の暴力を描いたのではなく、
本当に繊細でピュアな血が流れているんです。

そこを・・・汲み取ってくれるかなあ・・・・。たのみますよ、監督。
北野作品みたいな映画は、見たくないです><

鍵拍手コメNさんへ 

鍵拍手コメの返信は、ここに書いてみました^^
なゆさん、気づくかな?

いつも、拍手コメありがとうございます♪
そうなんですねよ、年月を経て、また別の感覚が沸き上がってくることがあるんですよね。
人間、やはり、少しずつ変化していってるのかもしれません。
はい、執筆活動、がんばります。
家事は手抜きなのに、執筆となると、寝食を忘れてしまう私ですが(笑)
無理せずがんばります♪
(家事、がんばれ!)

NoTitle 

どうも、「ミスター再読」こと蛇井です。
limeさんなら共感いただけると思いますが、僕は映画でも小説でも
音楽でも漫画、アニメでも良い作品に出合うともうそればっかり視聴
します。
他の作品に触れると今の感動が消滅するような感じがするのです。
いつまでもこの世界、余韻に浸っていたい、と申しましょうか。
ゆえに他の優れた作品と巡り会う機会が遅れる事となるのですが
その時はもう『それでもいい!』とまで思っております(^-^;)

再読、まさしく作家冥利につきる、というやつではないでしょうか。
もし僕がその立場なら、自分の作品がキレイに本棚に並べてあるよりも
手垢でグニャグニャのフニャフニャになっている状態の方がはるかに
嬉しく思います。

「じっとりと汗が噴き出すようにして生まれ出た小説が~」
このような意味合いの事を読み手に伝えようとする時、僕なら何行、
何ページを費やしてしまうでしょうか。
さすがプロの文章だと思います。

蛇井さんへ 

いらっしゃい、ミスター再読!

びたっとツボに来るコメ、ありがとうございます。
そう、わかりますよ~~。
巷にはベストセラーと謳われる作品が溢れているのに、自分はもう、それよりも、自分の心酔したこの作品に浸っていたい!
溺れていたいと思うんですよね。
そんな感覚をもつ方が、いようとは~。うれしいです。

その作品に心酔している自分がまた、なんか嬉しかったり。
ヒット作品の話題にはついて行けないけども、たぶん、その作品を見ても、心に入って行かないと思うんですよね。飽和状態ですから。

私も、もしも自分が作家なら、表紙も中身も、ぼろぼろになってる方が嬉しいです^^
しかし、私は高村先生の本を、アマゾンの中古で買ってしまいました。
これって、作家さんには何の恩返しにもなっていないんですよね。
これは申し訳ない。
次回買う時は新品で買うぞ~~!(ああでも、もう全部そろってる・・・)

>「じっとりと汗が噴き出すようにして生まれ出た小説が~」
このような意味合いの事を読み手に伝えようとする時、僕なら何行、
何ページを費やしてしまうでしょうか。
さすがプロの文章だと思います。

↑ですよね! ですよね! ですよね!(うるさい)
そうなんです。
プロとは、こうなんです。
過不足なく、絶対的な文章で言いのけてしまう。
さらっと。
ああ、いいなあ。やっぱりいいなあ。

NoTitle 

以前のレビューで「読みたい本リスト」にいれた作品です。
でも今回の記事を読んで「すぐ」読みたくなりました。
本屋さん行ってきます。

Happy Flower Popさんへ 

おお、なんだかうれしいです。

最初に読むなら、やはりこの作品だと思います。

この作品を、仕事をしながら、初めて書いたというのです、高村先生は! 
人間業じゃないと、私などは思うのです。
(このだけ方は、先生と呼んでしまいます^^)

でも、万人に受け入れられる作風ではないのかな、とも思い、薦める時、ドキドキします。
Happy Flower Popさんに、気に入ってもらえたらいいな^^

NoTitle 

こんばんわ☆
もう一度読む!って作品をもっと深く読み込めるんですよね。!
でも梶には勇気がなくなかなか読めません(^_^;)
最初に読んだ感動が薄れるんじゃないかと心配で(笑)

映画化はいいけど、井筒監督かぁ~~って感じです(ほかのコメントにもありましたが・・)
アクションやっているのでわかるんだけど、割とガチンコでアクションっていう芝居じゃないんですよねぇ(^_^;)
とにかく原作にはこだわってほしいですよね(^^)/

高村さんの作品って確か昔に読んだと思うけど、きっと貧乏時代だったので、某古本屋に行ってしまったようです(笑)

kaziさんへ 

> でも梶には勇気がなくなかなか読めません(^_^;)
> 最初に読んだ感動が薄れるんじゃないかと心配で(笑)

ああ、その気持ちもわかります。
ミステリーなんかだと、あの驚きをもう一度体験できないなあと思ってしまいますね。
でも、高村先生のは、なんだか万華鏡のようで、読むたびに景色が違うんです。
生きて動いてるようです(こわいってw)

や、やっぱり井筒監督は・・・ちょっと癖がありますかねえ^^;
私、あまりあの監督は知らないので、イメージしかないんですが。

でも、この『黄金…』は、アクションよりも、人間の心理に迫ってほしい。
決して「うわべのカッコいい」映画にしてほしくないんです。
とにかく、やるせなくて、切なくて、真夏なのに凍るような、そんな作品に仕上げてほしいです。
ああ・・・心配だなあ。
俳優陣も、イケメンばかりの若手だし・・・。
でも、がんばってほしいなあ。

NoTitle 

現代の日本映画には「制作予算と面白さ反比例の法則」とでもいうべきものがあるから、高村先生のようなベストセラー作品の映画は気をつけたほうがいいのではと思います。

わたしは怖くて見に行けませんとほほ(><;)

まあ「電人ザボーガー」みたいなきわもの映画を喜んで見に行くようなやつのたわごとですからお気に障ったらごめんなさい。

ポール・ブリッツさんへ 

やっぱり、こわいですよね~~><

私も、評判を聞いてからにしようかな・・・。

ああ、怖くなっちゃいましたよ~~~・汗
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