KEEP OUT 5  死の馬

KEEP OUT5 最終話 その先にあるもの

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 ―――今度もまた、この4階の住人だろうか。
 そう思いながら隆也は、その階に止まったエレベーターのドアを見つめた。

 もう午後の10時。春樹がここを飛び出してから既に、気の遠くなる時間が過ぎたように思える。それでも、ただじっと、石になってもじっとここで春樹を待っていようと隆也は思った。

 春樹のドアの前で座り込んでいる自分に不審な目を向けてくる住人に小さく頭を下げ、携帯を握りしめ、尻が冷えて感覚が無くなるのも構わずに、ひたすら春樹を待った。

 朝になっても構わないと思った。これは自分への戒めなのだ。

 期待はせずに視線を送ったエレベーターのドアが開いた。
 細いジーンズの足。ゆっくりと降りてきたのは春樹だった。

「……隆也」

 夕刻見た時よりも更に青白い顔をして春樹がこちらを見る。隆也は痺れて半分感覚が無くなった足に少し慌てながら、ドアレバーを掴んでゆっくり立ち上がった。

「春樹……ごめん」
 頭の中で何度もシミュレーションしたくせに、決まりの悪い言葉だった。
 けれど、それでも良かった。無様で情けない自分を晒しても、春樹に謝りたかった。それが単なる自己満足であったとしても。

「ごめん、春樹。本当にごめん。もうしないから。もう絶対にあんなことしないから」
「……ずっとここに?」
 春樹の声は、今目覚めたばかりのようにボンヤリしている。いや、疲れ切っていると感じた。

「ああ、ずっと。朝まででも居ようと思った。謝りたくて……」
「こんな寒いところで」

 ふいに春樹の腕が伸び、隆也はそのままふわりと抱きしめられた。それは思いも寄らない春樹の行動だった。
 今までふざけて隆也が春樹に抱きついたことはあったが、春樹が自分から触れて来るという事は、隆也に対しても今まで一切無かったのだ。
 隆也の目の奥で何かが白くスパークし、さっきまでの自分中心の思案は、別次元にはじき飛ばされた。
 触れてきた頬が氷のように冷たい。冷え切っているのは春樹の方だった。

「僕の方こそ、ごめん。……メールで何度もそう送ろうと思ったのに、出来なかった。ちゃんと言葉で謝りたかった。……ごめん、隆也」
 そう言いながらも春樹は体を離そうとしなかった。ただ、自分の力で立っているのが辛いようにも、隆也の体温を確かめたがっているようにも感じとれる。
それとも、別の何かを求めているのか。

「……どうした?」
「……」

 どうした? 春樹。……何があった? 再び心の中で春樹に訊いてみた。
 一瞬動きも呼吸も止めてしまった春樹は、けれどすぐに体を離し、少しばかり赤くなった目をそらして笑い、首を横に振った。

「大丈夫。何もないよ」
 離れてゆく瞬間、春樹の髪から知らない香りがした。そして、今まで見たことのない目をして笑う。

 なぜ自分はこいつの心を読むことが出来ないのだろうか。なぜこいつはいつも一人で苦しもうとするのか。

 隆也は沸々と沸き上がる奇妙な感情に戸惑い、腹を立て、胸に重くのし掛かってくるのを為すすべもなくやり過ごした。

「そうか。……それならいいんだけど。じゃあ、また。……今度はメール、返せよな」
「うん、分かってる。ありがとう、隆也。……おやすみ」

 春樹が静かにドアを閉めて部屋の中に入るのを確認すると、隆也は半日居座ったその場所をようやく後にした。
 けれど自分の中によぎった感情は、尚も隆也の体内に居座っている。
 この嘘つきで不器用で傷つきやすい友人をどうにかして楽にしてやりたい。守りたいと思った。

 そのすべてが今、伝わっただろうか。この肌に触れて、あの友人の胸に届いただろうか。
 植わったらいい。 芽吹くといい。 根を張ればいい。

 隆也は自分でも処理仕切れないその感情を胸に押し込み、目を背けながら、エレベーターのボタンを押した。



 --- エピローグ ---


「あれ? この前来てくれた子よね」
 花屋の店員は濡れた手をエプロンで拭きながら、店先に並んだ切り花を見つめている少年に声を掛けた。
 確か10日ほど前、入院のお見舞いに持って行く花を探していた少年だ。一度見たら忘れられない、透けるように白くきれいな肌の、可愛らしい子。

「あの病院、お花禁止だったもんね。どう? その、お知り合いの方のお加減は」
「おかげさまで、あのあと直ぐ退院できました。僕の大切な上司なんです」
 少年は琥珀色の瞳を輝かせて微笑んだ。柔らかそうな亜麻色の髪を、ゆるい冬の風がフワリと揺らしてゆく。

「それは良かった。じゃあ、今日は別の人への贈り物かな?」
「ええ、そう。……ああ、これがいい。この紫の花、全部ください」
「ぜんぶ? 50本あるよ? これ全部?」
「全部ください。6時間ほど持ち歩いても大丈夫ですか?」
「ずいぶん遠くに持っていくのねえ。どこ?」
「大分の由布川。このあと新幹線で行くんです」
「ええ~? そんな遠くまで? ……私が言うのも変だけど、向こうに着いてから買った方がいいんじゃないかしら。荷物になるし、このトルコキキョウなら、どこのお花屋さんにも置いてあるし。あ、宿に泊るんなら、そこに宅配っていう手もあるよ?」
「いえ……。ここのお店のでないとダメなんです。ここで買って、この手で届けたいんです。由布川に眠るその知人に、僕の手で届けたいんです」
 少年は穏やかな、けれども真剣な目をして店員にそう告げた。

「そう……。うん、わかった! 持ちやすいように、萎れないように、ちゃんと包んであげるからね。任せて」
 店員の女は何かを感じ取り、あとはただ黙々と50本のトルコキキョウを包み始めた。

「じゃあ、気をつけて行ってきてね」
 そう言って店員がコンパクトにラッピングした花束を渡すと、少年はとフワリと微笑んだ。
「きれい……。ありがとう。また来ますね。毎月届けるって決めたから」
 小さく頭を下げてそう言うと、少年は花束を抱えて、眩しい陽射しの中に消えていった。

……まるで木洩れ日のような子だ。
柄にもなくそんな事を思いながら店員は店の中に入っていった。

「大分の由布川って言ってたね、さっきの子」
 奥の椅子に座っていた足の悪い店主の女が、広げた新聞を眺めながらポツリと言った。
 相変わらず耳だけは達者だと、店員の女はこっそり笑う。
「そんなこと言ってましたね。湯布院の近くかしら」

「あそこでホレ、2日前にまた死体が上がったそうだよ。一週間くらい前にも、男の死体が見つかったって言ってたのにさあ。今度は女だってよ。絶景見に行くのもいいが、危ないよねえ、ああいう渓谷は。わたしゃあ、ああいう険しくて高い所は昔っから嫌いでね。観光しに行って死んじゃぁ、馬鹿らしいよね」
「へえ……そうなの。気の毒にね」
 若い店員の女は束の間哀れむ気持ちになりはしたが、またすぐに慌ただしく次の作業に取りかかった。

 またあの可愛い少年は来てくれるだろうか。
 そんなことを思い、小さく口元をほころばせながら。



       (END)


      最終章へ続く


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~ Comment ~

NoTitle 

連載、お疲れ様でした。
何とも晴れ晴れとしない最後でした。
limeさん、あなたどうしていつも・・・・・・。

この章はどこかすっきりしない終わり方ですね。
春樹と美沙の関係はこじれたままのような気がしますし、
隆也に対しても、春樹は胸の内にに何かを含んでいるかのような感じです。
最終章への伏線なんでしょうね。これ。
あ~、今からダークな最後が予想されて怖いです。

次からもがんばってください。

NoTitle 

ニャーーーーー
イライラのぉーーモヤモヤーーの。
うわぁーーーー
ギブミー次回作ぅーーー
叫んでしまった
このへんで真面目に・・・

とても考えられた章でした。
咲子の生涯を飾るにはあまりに美しい瞬間を春樹が与えることが出来た。
春樹が人に何かを与えたのは初めてだっただろう。
最後の咲子の行動も頷けた。
若く美しい美沙と会ったからこそ、春樹を道連れにしなかったのだろう。
自分の前に春樹と共に歩く道はないことも納得できた。
咲子は微笑んで町田のもとに逝ったと思う。
そんなのもいいな。
美沙とのことは楽しみにしよう。

本当にお疲れ様でした。
楽しかったです。
耳の具合はどうですか?
無理しないでね。

ホッとしているでしょうね。
のんびり休養してくださいね。

ヒロハルさんへ 

ははは。
キラキラした日差しの中で終わったのに、ほんと、スッキリしませんよね・笑

私も書きながら、「こりゃあ、すっきりしない」と思いましたもんw

そうなんです。ご推測通り、この「5」は、「6」の前置きのようなもので。
かといって、「5」の内容とは一切関係ないんですが。
とにかく、不穏のはじまり・・・というかんじでしょうか。

ヒロハルさんも、お付き合いくださってありがとうございます。
次回もさらに感想が書きにくい内容になりそうなので、コメ等気にせずに、読みにきてくださいね。

おかしいなあ~。爽やか路線で行こうと思ったのに、なぜかいつも、こんな感じです^^。
「6」は、もっときついです・爆

NoTitle 

大丈夫じゃないし、何もなくないですよね。

まあ、お互いに言葉でごめんが言えたことだけが救いでしょうか・・・

春樹の成長が見られました。
でも、もっともっと成長してこの先のlimeさんからの仕打ちに(?)耐えなければ。隆也と二人で筋トレから^^

連載、お疲れ様でした。
読み応え、たっぷりでした^^

ぴゆうさんへ 

ま、またもや、ぴゆうさんを、もやもや地獄に落としちゃったか!
スッキリしないし、問題が山積みですもんねえ(>_<)
(解決するのか??いろいろ)

>とても考えられた章でした。

うおお、嬉しいお言葉です。
伝わらないかと思っていたことが、伝わったのだなあ~と、感激です。
なにより、咲子の行動に納得して戴けて、すごくうれしかったです。

本当に咲子は人間的に不適合な奴ですが、最後くらいは、納得した終わり方を与えてあげたいと思いました。
普通、許されないんですけど^^;あんな最期。

>春樹が人に何かを与えたのは初めてだっただろう。

ぴゆうさんに言われて、初めて気がつきました。
ああ、そうなのかもしれませんね。
考えてみると、春樹に出会って無かったら咲子の人生はもっと悲壮なものだったかも・・・。
想像すると悲しいです。
でも、春樹はきっと、そんなこと思ってもないでしょうね^^;

美沙のことは・・・・・・汗 た、楽しみにしてくださいi-201

そして、お気づかいありがとうございます(ToT)
耳の方は、まだまだ通院が続いておりますが、以前よりも楽になりました^^

ぴゆうさん、いつも長いお話にお付き合いくださって、ありがとうございます。
「6」は、いろいろ問題のある章ですが(w)また、宜しくお願いします^^

けいさんへ 

そうですよね、春樹、全然大丈夫じゃないのに。
自分の中で全部処理しようとするのは、たぶん一生変わらないでしょうね。
いいかげん、隆也の気持ちに甘えればいいのに。

ほんとうに、バカな子ばかりで・涙
このバカな子たち、大きくなってくれるのか。

あ!やった!春樹の成長が、見えましたか!
よかったです。
打たれて打たれて、春樹は少しずつ強くな・・・ってほしいな><

だって、そうじゃなければ「6」には耐えれないよ~~(鬼
けいさんも、がんばって耐えてください。

けいさん、長い「5」に、お付き合いくださってありがとうございます。
この章は、モヤモヤを残してしまいましたが、「6」は・・・。

がんばります!また、お付き合い、よろしく!

NoTitle 

この状況下で、春樹が美沙に濃厚に触れていなかったら、春樹くんは男ではないと思うであります(^^;)

「6」への前振り、というのは、美沙が秘密にしてきたことを、春樹くんが知ってしまった、ということではないのかなあ、と思うであります。

違っていても腹を切るつもりはありませんが(^^;)

ポール・ブリッツさんへ 

ん? この時点ですでに、春樹が美沙に触れている・・・と踏んだんですね?

ぶぶぶーなのです><

春樹はまだ美沙には、指一本触れていません。^^
触れて、美沙の秘密を知るなんて、生易しいことを私がすると?
もっと恐ろしいことを企んでいます。

そのたくらみは、成功するか。
がんばりましたから、いろいろ^^;

しかし、じゃあ、「5」は「6」への前振りでも、何でもないかなあ・・・。汗

それはそれとして 

しかし、ダメージを食らった美沙選手に、おーっと、これは大技です!

咲子選手、捨て身のスーサイドボム! 美沙選手、これはたまらないーっ!

フォールに入る。ワン、ツー……起き上がれません! スリー!

咲子選手の勝利です!

いやーすばらしい試合でしたねえ解説のlimeさん(ええっそこで人に振るの?(笑))

ポール・ブリッツさんへ 

そうですねえ、これは痛いですねぇ、美沙選手。
もう最後は手も足も・・・・・・って、なにさせるんですかww

やっぱり最後は実況ですね^^;
咲子の勝利かあ・・・。

でも、最初から咲子は戦ってなかったような気もしますね。この戦いは、美沙の脳内バトルなのかな。

いろんな意味で、美沙はまだ未熟でした。i-202

NoTitle 

だめです、やっぱりポールさんので笑ってしまう。
くそう、くそうっww

なんんとかなりませんかw

るるさんへ 

楽しんでいただけて、何よりです^^;

いやいや、それより、もう一踏ん張りですよ。がんばってくださいー。

咲子~の~勝利ぃ~! 

私も そう思った!(`・ω・´)ノ ァィ
再挑戦できないだけ 美沙には辛い結果だぁ~!

ところで ダリの「死の馬」の絵を見たのですが、”災厄を運ぶ死神の乗る馬”との事
単純に考えれば、”死神”は咲子で 「馬」は春樹
だけど よ~く考えると・・・ね♪

春樹が選んだトルコキキョウ
花言葉を調べれば、「永遠の愛」、「希望」、「思いやり」、「清々しい美しさ」...って
春樹は、この花の意味を知っていて買ったのですね?゚(*´・ω・)o∠✿✿  

[5]で 読者にモヤモヤ病を発症させ 胃薬が必需品に! 
[6]は、それにプラスで 頭痛薬も必要になるの、それとも”救+心”かな、limeさま?
続きを 早く読みたいのに 読む勇気がない私、あぁ~どうすればいいんでしょうか!?
読む?ォロo((≧ω≦*三*≧ω≦))o読まない?ォロ...
な~んて、結局 誘惑に勝てずに読んじゃうけどね~(o´ェ`o)ゞエヘヘ

寒い!とにかく本当に {{{{(+ω+)}}}}寒ううぅ~ぃ!
インフルエンザ、ノロウイルスetc...が流行ってるので limeさまも お耳を大事にして くれぐれも お体に無理の無い様に お過ごし下さいませね。
o(・ω・。)o---∈・^ミ┬┬~ ヒヒィーン...byebye☆

けいったんさんへ 

> 再挑戦できないだけ 美沙には辛い結果だぁ~!

そうなんですよね。美沙にはもう、手も足も出ない。
複雑ですね~~、美沙。咲子の死を、どう受け止めればいいのか。
春樹と、その話をすることは、きっとこれからもないでしょう・・・・。

> ところで ダリの「死の馬」の絵を見たのですが、”災厄を運ぶ死神の乗る馬”との事
> 単純に考えれば、”死神”は咲子で 「馬」は春樹
> だけど よ~く考えると・・・ね♪

え!そうなんですか。ダリの作品に??
大好きなダリなのに、そのタイトルは知りませんでした。
春樹が馬で、咲子が死神?
咲子が、春樹に乗るのですね。・・・ああ、確かに。(←そういう事じゃない??)

私のイメージは、死の馬自体が、死へいざなう死者^^
「おいで。私の背に、乗りなさい」と美しい目をして誘うのです。
のっちゃうかも・・・。

> 春樹が選んだトルコキキョウ
> 花言葉を調べれば、「永遠の愛」、「希望」、「思いやり」、「清々しい美しさ」...って
> 春樹は、この花の意味を知っていて買ったのですね?゚(*´・ω・)o∠✿✿  

えええ!そうなの?(爆
い・・・いや、春樹は知っていたのかもしれませんね。
(作者がしらないのにか?)
トルコキキョウにはそんな花ことばがあったのですね。
実は、私の2番目に好きな花なのです^^

「6」は、重苦しいし、痛いし、嫌な予感がビシビシ来ますよ~。
作者がどれだけイジワルなのかが分かるはずです。
でも、最後は・・・最期は・・・すべて払拭して・・・・。いや、どうかな?
とにかく、どうかがんばってついてきてくださいね!!

本当に、日々寒すぎです。しもやけなど、できちゃいました。
おおお、優しいお気づかいありがとうございます。
風邪などひくと、耳が最悪になりそうなので、がんばって防ぎます。
けいったんさんも(わたしよりもか弱いような・・・)どうぞ、インフルなどに、襲われませんように!!

NoTitle 

連載おつかれさまでした。

うーん…すっきりしません。。すいませんっ(汗)
一応物語としての決着はついているんですが…うーん…美沙に肩入れしているから、彼女の思いがのりうつって、なんかこう、もやもや感が読後に残ってしまっているんでしょうか(苦笑)

「6」を楽しみにしてます。
…でも悲惨なんですよね。。うーん、うーん…で、でも物語の行き先を確かめないとなあ。。

くれぐれも無理のないよう、連載を続けてくださいね。

綾瀬さんへ 

綾瀬さんも、読んでくださってありがとうございました^^

すっきりしませんよね~^^;
美沙の問題は、置き去りですもん。
「5」はただの第5章で、次の最終章の問題提起のような感じで捉えていただけたらうれしいです。

章ごとに、スッキリさせたかったんですが、ものすごく長くなってしまうので、咲子の物語だけを完結させました。
美沙には、ほんと、申し訳ないことをしたな~~~。

でも「6」では、かたをつけます。
辛い展開ですが・・・きっと最期には・・・幸せが・・・・。

お時間ありましたら、また覗いてやってください^^
ありがとうございました!

ありがとうございました。 

(すいません、感想・・・ ちょっと長文になりました。。。)

おもしろかったです。
なにがよかったって、今回、春樹が自ら動いた! (いや今まで止まってたとは言いませんが)
なんというか、なんでこの子はこんなに物静かなのか、事情はわかるけど、お前男だろ? もう少しなんとかできないのか? と焦れったく見ていた部分があったので、今回の彼の決断には拍手でした。
いつもはある意味、美沙に気を使い過ぎて大人しかったんだなという感じ。

私は咲子さんが好きでしたね。
上手くいかない人生を、それでも頑張って生きて来た。
本当は全然強くなのに、悪い女気取って強いふりして、最後まで悪ぶって死んでった。
最後まで自分の足でちゃんと立って、一人であの結末を選んだ彼女はそれだけで美しいし、彼女の人生を一本のお話に書いてみたいと思わせてくれるいいキャラでした。
美沙を「姫」とするなら、咲子はそれこそ「商売女」
したたかで図太く見えるし、事実多少の事じゃビクともしないけど、それは何も感じないんじゃなくて、自分を護る棘の鎧をつけているからなんじゃないかと思うんですよね。
このシリーズの一話目でのように、春樹目線でなく、春樹の関わった相手、咲子目線で書かれた物語だとしたら、それははまたとても魅力があっただろうなと感じました。
だって哀しいじゃないですか、愛し合ってたのに、お互いちゃんと口にしなかったばかりにあんな結末になるなんて、だから「いい人」って始末が悪いんですよね。
もう少し自分に我侭になってれば、たとえ病で先が長くなくとも、咲子は彼について行ったと思うし、幸せになれたと思う。
町田さんも、咲子にすまないと思いながらも幸せな最後を迎えられたんじゃあないかなぁ。。。
まあ、物語は終わってしまったし、言ってもはじまらないんですけどね。
でも今回、春樹が咲子に触れ、なにかを確かめたのはよかったと思う。
咲子にとってはもちろんだけど、春樹にとっても……
春樹は今までちゃんと生きてなかった(すみません私見です)けど、咲子に触れ、それを見た事で、そしてその道を選んだ事で、彼はようやく生きた人間になった(または、なろうとしている)ような気がします。

また、物語の鍵になった「死の馬」ってのがいいですね。
なんというか、やるせないほどの愛と哀が詰まってる感じがします。
「死の馬」を見る人は真っ直ぐで一途な心の持ち主なんじゃあないかな。
エジプトでは「死の馬」って、結構宗教的というか一般的に知られてる(信じられてる)みたいですよね。
(関係ないでしょうが、ついつい「ナイル姫とスネフィル王」の話を思い出しました。)
そういう、「死の馬」に囚われる、咲子はやはり、本当は可愛い少女だったんだろうなとか、いや、相手次第で今でも物凄くいい女だったろうなと思ったり。
文学少女ですよね、咲子。
春樹に触れている時、彼を殺そうとさえ思ったって文章では書かれてあるけど、たぶん彼女は本当はそんな気はなかったと思う。
殺意のような、一緒に死んでくれる? 的な甘えは、表面あったんだろうけど、本当の根っ子の部分ではそんな事考えてなかったでしょう。
咲子も、春樹の中にある、黒い塊を無意識にも察して、春樹を楽にしてやりたいって思いも、どこかにあったと思います。
たとえ、はっきり形に残る意識でなくとも、そういう思いはきっとあった。
だから春樹も彼女に魅かれたんだと思います(それが恋とか愛とかではなくとも、心が魅かれるってのはあると思う)
自分に重なるなにかをお互いに見つけた。
咲子はああいう結末になっちゃったけど、春樹は間違えないでねってきっと思ってるんじゃないかなぁ。

今回のお話は、毎回毎回とても丁寧に、場面場面が描写してあって、本当にいいお話だったなと思います。
美沙の事については、シリーズものなので、モヤモヤと消化不良になるのは仕方ない部分だと思うので、それを除くと、(個人的には)「呵責の夏」に次ぐ、いい作品だと思いました。

良いものを読ませていただきました。
ありがとうございました。

高丘明さんへ 

わーーー・・・。
高丘さん、もう、感動です。

こんなに丁寧で温かいコメ・・・。
もう、ものすごい高揚感のなか、じーーーっと読み耽っていました。

私が心の中で温めながら描いた描写や言葉、想いが、こんなに伝わってくれたのだとおもうと、感無量です。
実際、最初に想定していた咲子は、春樹を惑わすだけの脇役だったのですが、
その人生を想い、感情を入れるごとに、この女がどうにも愛らしく思えてきて・・・。

きっと、読者さんには嫌われ者になるだろうと覚悟して描いた咲子ですが、その生涯の悲哀が、
私の思う以上に伝わってくれて、本当に安心しました。

>エジプトでは「死の馬」って、結構宗教的というか一般的に知られてる(信じられてる)みたいですよね。
(関係ないでしょうが、ついつい「ナイル姫とスネフィル王」の話を思い出しました。)

私もじつは、そんなに詳しくないのですが、いつか聞いた(読んだ)「死の馬」というフレーズと、その意味が、タナトスを感じさせてくれて、とても印象に残っていました。
そしてもちろん、ナイル姫達の悲恋も、「死の馬」と言う言葉の中に、織り込まれています^^

咲子・・・そうなんです。可愛い女だったんですよね(>_<)

一瞬、春樹を手に掛けようという、幻想、甘えに似た感情が過ぎったとしても、
やはり本気で春樹を道連れにしようなどとは思わなかったでしょう。

春樹には、その深い部分まで咲子を読みとっていたんだと思います。
彼らは体を交えたと言うより、本当に融合して解け合ったんだと思います。


そして、背筋ののびる思いがしたのは

>なにがよかったって、今回、春樹が自ら動いた!

というところです。
ああ、そうだ、今まで本当の意味で、春樹は自ら行動していなかった。
美沙の庇護の元、仕事をしているだけで。
「5」で、奮起してくれて、良かった・・・と、胸をなで下ろす作者です。

ああ、こんなに素敵で丁寧な感想を貰えて、本当にうれしいです。
それと同時に、「6」は、大丈夫かな・・・・という不安も^^;
また、春樹の悪い癖で、美沙の顔色をうかがう面が出て来なきゃいいけど・・・。

きっと、ものすごく賛否両輪になる「6」だと思いますが、(賛はあるのか?)、
突き進んで行きたいと思います。
結末までは3カ月ほど掛かると思いますので、どうぞ、ごゆるりと遊びにきてやってください。

感想、本当にありがとうございました!!

ああ。私は・・・春樹を愛している 

↑ここから、一気に最後まで来てしまいました。
最後に思うのは、確かにこれは必然の結果だな、ということでした。
ものすごくしっくり納得する展開で、ここに至っている、ということ。

最後に咲子が春樹に遺したメモが悲しかった。あれは、春樹に対する最後の精一杯の誠意であり、遺される者への敬意のようなものだったのだろうか、と思いました。

恐らくfateはこの一連の物語の中で一番咲子さんが好きだったかも知れません。
誰よりも潔いような気がして。
自らの想いをどんな形でも、昇華してけじめをつけられたから。
最後の未練のような、後悔のようなものを春樹が消し去って、いや、持ち去ってくれた。彼が命を削りながら引き受けてくれた。
そして、想い残すことなく彼女は逝ったんだろうと思います。

常識的に間違っているとか、犯罪だとか。
そういうことを越えるところにだけ咲く花があって、それがまさに彼女の命の煌めきのようなもので、強さであり、脆さであり、美しさだっただろうと。

こうやって、命を燃やしつくして逝った彼女にはもうこの世に生き続ける意味なんてなかっただろう。
可哀相な人生だったとは思わないし、不幸だったとも何故か思えない。
殺したいほど誰かを愛して、失った人を追って逝ける情熱を使い果たして、綺麗に逝った。
そんな風に映りました。

咲子さんの生き様に、春樹は少なからず何を得て、失った以上に大きな重いものを手にして、十字架を背負ってしまいましたね。

でも、これも必然だったのかと思います。

fateさんへ 

わあ、最後まで読んでくださったんですね。
うれしいです。

そしてfateさんの感想を読んで、私も再び、じんとしました。

倫理的に言えば、この咲子はどうしようもなく弱く、愚かで、最終的には人を殺めて自ら命を絶つという、身勝手な女だったと思うのですが。
その咲子の中に、この女だけが持ち得るきらめきと美しさを感じてもらえて、すごくうれしいです。

>最後の未練のような、後悔のようなものを春樹が消し去って、いや、持ち去ってくれた。彼が命を削りながら引き受けてくれた。
そして、想い残すことなく彼女は逝ったんだろうと思います。

↑ここも、うれしいですね。
この「5」での春樹は、自分の寂しさに溺れ、咲子に救いを求めたのかもしれませんが、
それを咲子を苦悩から解放したのかも・・・。
そう思うと、春樹も救われます。

お互いがなにかをしてあげようとしたわけではなく、この二人の出会いの偶然が、必然であったのかもしれませんね。
私も、綴りながら、不思議なものを感じていました。
私が作り上げたものではなく、彼らがお互いを呼び合った物語のような気がします。

咲子。
最初はきっと、嫌われ役だろうなと思いながら生んだ人物なのですが。
その咲子を好きだと言ってくださって、すごくうれしいです。
彼女は、この世界には適合してなかったかもしれないけど、きっと自分にもわからないきらめきを持っていたんでしょうね。

さあ、春樹は、少し変わったのでしょうか。
「6」では、もしかしたら、また自体は後退するかも・・・^^;

ゆっくり更新なので、また、のんびり覗きにきてやってください。

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鍵コメ、土屋マルさんへ 

マルさん、一気に読んでくださったんですね!!
そしてこんなに感動もののコメント、本当にうれしいです!
鍵コメなのがもったいない~~><
(とかいって、ちょこちょこ引用してしまうかもしれません。いや、する)

この物語を読んで泣いてくださったのですね。
私も、一番思い入れの強かった作品なので、すごくうれしいです。

> 本当は、読みながら、全部の章にコメントしたいぐらい、いろいろなことを思ったのですが、読み進めながら、どうにも言葉に出来ずに、ただただ苦しく、文章を追いかけて唸りながら、美沙と、春樹と、咲子の、それぞれの心の「痛み」、「苦悩」、「葛藤」、「逃避」、「汚濁」、そして「愛憎」を、共に感じて来ました。

ありがとうございます!
マルさんは、細かな心理描写を的確に受けとって読みこんでくださるので(そう信じています)私も感激です。
短い時間の中に、たくさんの感情を詰め込んでいますので、きっと感想も難しいですよね。

マルさんが、町田の死や、咲子の犯罪を予感してしまうだろうというのは、覚悟していました。
要所要所の人物の言葉を、しっかり読みこんでくださってるから。
だから、あえて、そこまでは読まれてしまおう・・・みたいな感覚もありました。
(そこが、ミステリーに徹することができない甘さですよね^^;)

私の物語は、謎が解けてからが本番だと、いつも思っています。
ここでは、春樹が咲子のホテルに行ってから。
(そこまでが、長かった・・・)

咲子の罪はもちろん法的にも許し難いものなのですが、ここはあえて、法などと言う無粋な枠を外し、
愚かな人間が、愚かなりに苦悩して、その罪を背負う様を描きたいと思いました。
(町田さんは、あまりにも哀れでしたが・・・ゴメンナサイ)

> 満喫しました、「死の馬」!!!

もう、もう、本当にうれしいお言葉!

> 私としては、最終話へのヒキとして、とてもキレイ、かつ自然な切り方に感じました。
> 咲子がもたらした、春樹の中の「闇」。
> 次回は、美沙と春樹の、最後の心の決着がテーマだと思うのです。

うれしいです!
この章は、きっと賛否両論だろうと思ったのです。
途中の春樹の、あまりの弱さに引かれるかも・・とか。
でも、私はこの章は、春樹の変化の上で必要だと思ったし、あのラストしか思いつかず。
春樹は確かに咲子の中の「死」に、自分も感化され、無謀な行為に至ったかもしれませんが、同時にしっかりと美沙への本当の気持ちに気づき、羽化への第一歩を踏んだのだと思います。

> 自分から咲子に「触れた」春樹。
> 自分から咲子に「触れてくれ」と言った春樹。
> 今回の章では、さらに隆也に自分から「触れて」いる春樹。
> そんな春樹と、美沙の、最後のお話ですもの。

そう、いよいよラストの章です^^
人間って、そう簡単に大人になれないのね・・・という幕開けかもしれませんが、後半、確実に春樹の変化が見て取れるはずです。

> 美沙の「受容するだけの器」という言い回しが、とても痛々しかったです。
> だけど同時に、春樹を躊躇いなく汚した咲子という女を、美沙はどこかで羨ましいと思っていると思うんです。
> 愛しているからこそ。
> 触れて、穢れを恐れずに、自分の中のすべてを晒して、春樹と闇を分かち合った咲子のことを、美沙は羨んでいると思う。

おおおおおお。
なぜそれを!
流石です。「6」で美沙を苦しめるのは、まさにそれなのかもしれません!(これ以上は語れませんが)

> 咲子、怖い女だったし、嫌なやつなんですが、今はただ悲しいと感じます。
> そして、局長と話す美沙を見かけるだけでモヤモヤしていた春樹にとっては、必要な展開だったのかも、とも。

咲子の印象。
マルさんの中でも変化していきましたね。不思議なキャラで、最初はあんなに読者様から嫌われてたのに、最後ではほとんどの人が、憐れんでくれて・・・。
本当、幸せになってほしい人でした。
最後一瞬でも春樹が、この人に光りを与えてくれたと思いたいです。

> 次はいよいよ、待ちに待った最終章!
> どんなラストを迎えても、私はきっと満足できる!(かなり自信アリです)
> もー、もーですね、「keep out」、大好きです。
> 言葉ではちょっと言い表せない‥‥すごい、の一言だったので、今回。
> 圧巻。すべての流れは、きっと、用意されたラストへと収束してゆくのだろうと、そう思うと、期待がむくむくします。

か、鍵コメなのについ引用してしまう悪い作者。
最高のお言葉、本当にうれしいです。
こんなに愛されて、この作品は幸せものです!
さあ、最終章が、マルさんにはどう映るか!
作者、ドキドキです。

はい。ジャンルは違いますが、確実にあるメッセージ性を持ってラストに向かう作品の構成は、とても似ているし、苦悩も似ているのかなと感じました。
正直なところ、愛情を持って育ててきた作品が終わり、なかなか放心状態が解けない私です。

もしかしたら、もうこんなに書きながらドキドキするキャラ達に出会えないんではないかと、不安も感じている今日この頃なのですが。
でも、マルさんにも、こんなに大事に読んでもらえるこの作品を書くことができて、良かったと思います。
(あれ?もう最後まで読んでくださった時のご挨拶みたいになってしまった)

最終章も、スロースターターなので、前半は読みにくくてしんどいかもしれません。
どうぞ、のんびりゆっくり、お暇な時に、読んでやってくださいね!

手が痛むと言うのに、本当にていねいなコメを、ありがとうございました!!

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

鍵コメさんへ 

「死の馬」読了、ありがとうございますーーー。

> いや~、それにしてもこのラストは・・・
> もやもやする~っ(笑)
> 美沙がかわいそう・・・(どうしても美沙に感情移入してしまう
> もやもやしたまま、『6』に進みます。

ふははは。
この「5」は、美沙を応援している読者様には、もやもやーが残るのですよね。
(統計を取ると)
咲子に同情や共感を覚える方には、「ああ、これでよかったよね」と言って貰えるのですが。
作者的に、読者さんの二極化が見られて、とても勉強になりました。

そっか、Sさんは美沙を応援してくださるのですね!
じゃあ、最終章はどう感じられるか・・・。
恐いけど楽しいです。
どうぞ、ストレートな感想を聞かせてくださいね。
「6」で、とうとう彼らの結論が出ます!!

NoTitle 

limeさん。
こんばんは♪

そうですか、そういう事になりましたか。
咲子の人生を春樹は意識の中に絡めとり、
そしてそれに共感、共鳴してしまったのですね。
そう思えてしまったのは、春樹の中に、
自分の人生や性に対して、幾ばくかの無念さと言うか、
劣等感と言うか、そういった負の感情を
常に持っていたからなのでしょうね。
生きているけど、なんとなく申し訳ない気がしてる・・・
そういう事だったんではないでしょうか?

咲子は結局、望んでいた死を迎えにいけたのですが、
恋とは違う一種の連帯感が毎月春樹を大分に行かせるのでしょうね。

それにしても美沙!
ようやく自分の気持ちに向き合う事ができましたね。
春樹の変貌によってそれが明らかになってしまったのが、
残念ではありますね。
もっと早く、美沙が何かしらの行動をしていたら、
春樹もここまで自暴自棄にならなかったのではないでしょうか。
続きも楽しみにしています。

さやいちさんへ 

さやいちさん、「5」を読んでくださって、本当にありがとうございます。

そうなんです、そういうことになってしまいました。
まさに、「共鳴」してしまったんですね。
自分と同じようにナニかに苦しむ咲子に、身を預けて楽になりたかったのかもしれません。
今回のことは、たぶん事故なのでしょうが、もしかしたら、春樹には、通らなければならない事故だったのかもしれません。

咲子は、自分のたぶん自分の願う幕引きができたと思うのですが、やはり・・・美沙ですよね。

咲子と春樹のことを知ってしまった美沙の苦悩は、すごいと思います。
やっと春樹への気持ちを認めたのに。
咲子のことを、少し誤解している美沙には、この「事故」は「事故」と割り切れないでしょう。
「5」で、一番つらかったのは、美沙かも・・・。

美沙のもやもやは、「6」に引き継がれます。
春樹と美沙の物語の最終章。
どんな方向に進んでいくのか、もしよければ見届けてやってください。
かなり、ややこしい人物も登場しますが、集大成です!

limeさん、ありがとうございました! 

とても素敵なお話、すっかり堪能してしまいました。
正直なところ、続きのお話がなくても満足なくらい、素敵なお話でしたよ!
(って、まだ次を拝読しておらず…読んだら、やっぱり最後がないと、とか言い出すのですが^^;)
わたし的には、この中に全部が詰まってるな、と思ったくらい、満ち足りた気がします。
色んなものがこの中に詰まっていて、つまり過ぎて出ていけないような閉塞感もあるけど、押し込められた色々なものが、このままここに閉じ込めて置いておきたいくらい、一つ一つ大事に思える。
読んでいるほうもこの宝物みたいな言葉や人物の気持ちを大事に感じるし、誰より書いているlimeさんが本当に大事に大事に書いておられて、そのめいっぱいな思いが、ひしひしと伝わってきました。
何で満足って思えたかというと、多分、limeさんの思いがものすごく濃くて、持っているものをここに全部出し切ったような…

うまく言えないけれど、ミケランジェロのミラノにあるピエタを思い出していました。
ヴァチカンにある綺麗なピエタじゃなくて、今まだ石から掘り起こしかけているところに見える、一見未完のようなピエタ。未完なのか完成なのか、作家は掘り進めるのをやめてしまっているのですが…
どうにももうこれ以上掘り起こせないところに来てしまった、そういう感じ。多分、この石の中にある想いを出し切ってしまって、もう作家には掘るところがない、彼の集大成だったのだろうと思うほど、奥の深いもの。
それと同じような気配がしまして……
感動しました。
もちろん、読み手としては、次を期待するのですけど(#^.^#)

特殊な能力を持っている登場人物が出てくる話って、下手をするとその能力が浮いてしまいがちで、読み手として入り込めなこともよくあるのですが、春樹くんの能力は本当に浮くところがありませんね。
それは、心の葛藤を本当に過不足なくlimeさんが書いておられるからだと思います。
きちんと、伝わるように。だから『能力』が不自然じゃない。
心理描写、本当に上手ですね…ごめんなさい、上手、という言葉はあまりlimeさんに似合っていないような気がするのですが、他に言葉が出てこなくて……
小説って、心理を書きすぎるとうるさいけれど、ちっともうるさくない。ちょうどいい具合に各部分、各人物の心が配分されていて、絡み合っていて、本当に流れるように読ませていただきました。
うーん、本当にうらやましい、この世界…

美沙さんも咲子さんも、女性の登場人物、ものすごく素敵です。
少年を書くのがお得意なのかな、と始めは思ったのですが、女性のほうが生身で、惹かれる。女性が女性を書いたのを読むと、ちょっと微妙なときと、しっかり共感できる時とに分かれますが、二人とも、共感できる世界があって…
いえ、美沙さんに対しては共感だけど、咲子さんに対しては…
言葉にはしにくいけど、その闇にも光にも入っていける存在、に感じます。
咲子さんという存在に、本当にエールを送りたい。
この女性をこうして描ききったlimeさんにも。

そして、春樹くんの深くて繊細で、そして豊かな心に、こちらの気持ちがざわざわ揺れて、そして何だか納得した気がします。
始めは入り込めるというより、少し離れたところにいる子、という感じでしたが、このお話ですっかりそばにいる存在になりました。

本当に素敵なお話をありがとうございました(^^)
あ、まだ第6話を読んでいなかった…
またまた楽しみに読みまする!
年度末で忙しく、かと思ったら春休みでまた忙しく、なかなか読みに伺えなくてごめんなさい…でも、次がまた楽しみです。
(満足、とか書いておきながら、貪欲で我儘な読者^^;)

(反省文)私も見習って、もう少し読みやすいお話を、そして心理描写を考えようと思いました。あまりにも、ドキュメンタリー^^;な自分の話に、ちょっとがっかりしちゃいました。limeさんみたく、心をぐっと惹きつけるようなものが書けるように頑張らなくちゃ(#^.^#)
とか言いつつ、結局、なかなか変わらないのですよね……う~ん。


大海彩洋さんへ 

大海彩洋さん、こんなに素敵な感想、もう、もったいなくて、涙ものです><
読むのも時間と体力使われたでしょうに、こんなに丁寧な・・・。ほんと、ありがとうございます!!

そして、「すっきりしない」という感想が多かった中で、大海さんが、この話だけで終わってもいいといってくださったのが、すごく意外で、新鮮で、感激でした。
この話は、書いている途中は、これは読んで楽しいものなのだろうか・・・と、悩んだのですが(私の場合、どの作品もそうなんですか^^;)書きあがってみると、一番愛おしくて、夢中になれてたな、と感じる作品になりました。
大海さんが仰るように、キャラたちへの思いを大切に閉じ込め、詰め込んだ作品になったように思います。
あまり、自分の生んだキャラ達を愛しすぎては、独りよがりの作品になってしまうと、恐れてはいるのですが、これはやっぱり、仕方ないことですね(汗)
大海さんには、しっかりその愛情を、見抜かれてしまったようで、なんだか照れてしまいますが、それ以上に嬉しいことです。

> うまく言えないけれど、ミケランジェロのミラノにあるピエタを思い出していました。

おお~、これは、なんとうれしい。
実は、ほかの作品を書いていたときに「このラストは、ピエタですね!」という感想をいただきまして。恥ずかしながら、それまでピエタというものを知りませんでした。(これを書いていた時も知らなかったんですが)
知ってからは、ちょっと西洋美術にも目を向けるようになりました。
感想コメントから、知識をもらい、視野を広げることができるって、幸せなことです。

大海さんのおっしゃるピエタは、またそれとも違う、深みと文学的な芸術性を感じ、ゾクゾクします。
ピエタにも、ほんとうにいろんな形や思いがあるのですね。そして、それを復元させようとする人々の心の芸術性と。
そんな、形や言葉にできにくい神聖な世界、物語のなかに表せたらいいな・・・と感じます。

> 特殊な能力を持っている登場人物が出てくる話って、下手をするとその能力が浮いてしまいがちで、読み手として入り込めなこともよくあるのですが、春樹くんの能力は本当に浮くところがありませんね。

これも、本当にうれしいです。これに関しては、ずっと悩みながら書いていましたから。
この能力が、読み手にしっくりこなかったら、この物語はせいりつしないな・・・と。
実際、このサイコメトラーという能力者は、ドラマや漫画によく出てくるのですが、私は何か、違うと思っていました。
事件を解決するために、相手の記憶をさっさと読み取って・・・一件落着って。そんなにあっさりできてしまうはずがない、と。
実際、相手の記憶に入り込むって、とんでもなくしんどくて、辛い能力ではないだろうか、と。
そんな、能力者の気持ちになる訓練から始めた、物語でした。
(おまけに、春樹はどうしようもなく、繊細な子ですから><大変です)
そうやって作っていった能力者の物語。違和感なく、読んでもらえたことが、すっごくうれしいです。

今回初めて、春樹自身が行動にでました。
私の作品の傾向として、主人公の視点がすくなく、わりと脇役によって支えられていることが多いのですが、今回春樹の視点を増やすことで、やっと彼の内面を描けたような気がします。
彼の視点で書くと、ものすごく気力と体力がいるのですが(涙)

> 美沙さんも咲子さんも、女性の登場人物、ものすごく素敵です。

この、女性陣についても、温かい感想、本当に感激です。
私、本当に女性を書く事が少ないのです。なのに、気がついたら今回、女性の方が多い!!
驚きです(笑)
女性を書くのが少ないのはきっと、自分の中で女性が現実と密接だからなのだと思います。
生々しくなってしまうのが、ちょっと怖くて。
だけど、書いてしまうと意外に、その場が安定して、逆に男の非現実性が目立ってしまうような・・・。
男を書くのが好きなくせに、やはり男は私の中でファンタジーなのだな、と思い知らさせてしまいます。
そのバランスが、難しいですね。

大海さん、本当に嬉しい感想、ありがとうございました。

実は、昨日も大海さんのお話を少し読みすすめていまして、その表現力の多彩さと深さに、愕然としていたのです。ああ、これが小説だよな~~><と。
だから、ここで大海さんの最後のつぶやきを見て、「ええ? なぜ!」と思ってしまいました。

私のはまだまだ、ストーリー展開を追うまでにしか書けておらず、小説というレベルまで行っていないのが感じられます。
ブログ小説用に・・・というのも、実は逃げなのかもしれません。
大海さんの作品を読むたびに思います。
あの表現力が、自分にあったらなあ・・・と。
また、いろいろ勉強させてください!

次回はいよいよ、最終章です。
自信はまるで、ありませんが、これも、想いのありったけをつめて、今まで放置した部分をすべて帰結させました。
本当はもっと、放置したかったのですが><
もしよかったら、ちょびちょびでいいので、読んでやってくださいね^^
(一気読みは、しんどいし、目にわるいですからね!!)

ほんとうに、ほんとうに、ありがとうございました!!

NoTitle 

読者に対して、どれだけの情報を見せるのか、どれだけの情報を隠すのか。
小説を書く上で、これも重要なポイントの一つだと思います。ミステリー系の作品であれば特にそうでしょうね。
今回のお話は、その点が、すごくよく考えられていると思います。そして、見事に成功しています。

物語の始まりは、春樹を見つめる女の視線、というものでした。
この段階では、その女に関する情報はほとんど伏せられています。
ただ、何らかの悪意を持っていることだけは、はっきりと示されていますね。
このオープニングでの、情報の見せ方、隠し方というものが、その後の展開すべてに、いい効果をもたらしていると思います。

オープニングとエンディングで、同じ花屋のシーンを使うというのも、うまい構成ですね。これも、しっかりとしたプロットがあればこそなんでしょう。
limeさん自身にとっても、きっと会心の作品になったんじゃないでしょうか。

それから、
“触れた人間の心に犯されてしまうだけの受容体”
この表現はすごく説得力がありました。
春樹は、なぜ自分の能力を悪用しようとは思わないのか、という疑問が一気に解けました。
『不可視光線』が、すごくすごく気になりつつも、このまま順番通り読み進めます。
ああ、どう完結させるつもりなんだろう。

片瀬みことさんへ 

片瀬さん、死の馬、読んでくださってありがとうございました!

毎回、要点をびしっと捉えた片瀬さんの感想コメに、しびれています。
一気に読んで下さる、片瀬さんならではの感想なのですね。
まるで第三者のように、「ああ、そういう作りなのか・・・」と、しみじみ思わせられます。

確かに、プロットは頑張って立てますが、わりと流れは雰囲気で組み立ててしまうので。
何かを狙うとかいう高度な計算は、まだまだできないみたいです。

でも、この作品は私が作った中でも、読者様に気に入られて、成功していたのかもしれません。
片瀬さんの読み通り、実は、この作品が私、一番気に入っているのです。
(一番春樹が苦しんだから・・・とかじゃないですから!・汗)
最終章の方が、春樹はもっと苦しみますしね(爆)

春樹は、誰かに抱かれることが、この先あるんだろうか・・・なんて思ってしまったのがきっかけです。
抱く・・・ではなく、「抱かれる」というのが、春樹には似合う気がして。
咲子の登場は、必然だったように思います。
美沙を、このあと動かすにも^^

>“触れた人間の心に犯されてしまうだけの受容体”

ここに注目してくださって、本当にうれしいです。
これは、この先も春樹の本質を表すキーワードになります。
自分で仕掛けることはない。ただ傷つき、侵されてしまう体質。やっかいです!!

たまに、「仕掛ける」ことはあっても、諸刃の刃。次回の最終話で、それが証明されるはずです。
こんな厄介な主人公ですが、このあともどうぞ、応援してやってください。
(次回、最終章、ズバッと完結します!)

ながい物語なのに、本当にありがとうございます。
『不可視光線』は、まだ2ヶ月くらいは終わりませんので、どうぞ、ゆっくりのんびりお付き合いください^^

読んじゃったwww 

止まりませんでした(笑

いやー、何度も鳥肌が湧きました。
なんでしょう。なんと申し上げたら良いのでしょう。
limeさんの経験値の半端無さを汲み取ってしまいます。
そしてどこか草津と同じ匂いとシンパシーを感じてしまうのは気のせいでしょうか。
いやいや、勝手な自己解釈を呼び起こすほどの展開だったということでしょう。

春樹くんのどうしようも無さの中に、それでも尚感じてしまう光のようなものにひどく惹かれますわ。
まるで彼は生きるパンドラの箱ですね。
美沙さんはその僅かに残る希望に一縷の望みをかけているのでしょうか。
でもそれは自身が如何に関わらない場所で展開するかを望んでいるようで。

次のお話を読むのも楽しみすぎて、このままうっかりページを開かないように自重するのが精一杯ですわ。
素敵な時間をありがとうございました。

草津輝夜さんへ・2 

おおお。最後まで行ってしまいましたか! なんともうれしいです。

そして、この物語に感情移入してくださったのですね。
それが伝わってきて、本当にうれしいです。
この物語、春樹を気に入ってもらわなければ、成立しないので。

>春樹くんのどうしようも無さの中に、それでも尚感じてしまう光のようなものにひどく惹かれますわ。
まるで彼は生きるパンドラの箱ですね。

ああ、本当に。そうかもしれません。なんと言い得て妙。
自分自身や他人を、幸せにするも不幸にするも、彼自身なんだけど、本当にもろくて薄いガラスでできたパンドラの箱。自分の存在が怖くて、崩壊寸前です。

美沙の気持ちも複雑ですよね。自分が幸せになろうとすると春樹を幸せにできない。
でも美紗って、天使のような優しい女性ではないことを、自分でも分かってる。利己的な部分も、結構強いのかも。
がんじがらめの状態で最終話突入です。

草津さんに、シンパシー感じてもらえてすごく嬉しいです。
草津さんのような感覚で読んでもらえることは、本当に幸せです。
はい、きっと同じような感情で物語を動かしていると思いますよ。
またいろいろ、お話したいですね。

私はここの読者様からは「S」だと言われていますが(笑)
そんな展開がこのあとも続くと思います。
どうぞ、最終章も、春樹たちを見守ってやってください。

暖かいコメント、本当にありがとうございました!!

NoTitle 

はぁー。
ため息をついてしまいました。
limeさんの読ませる力は凄いですね。
「死の馬」読み始めから物語の世界に入り込んじゃいました。

春樹も美沙も今後の展開が気になります。
ハッピーエンドを願いながら、でもそうじゃないのかと予感もあり・・・。
なんだか2人を守ってあげたくなっちゃいますね。
心の準備をしてから、次を読みたいと思います。
ハッピーエンドを願って(*´`)
  • #16825 ひだまりさん。 
  • URL 
  • 2015.12/25 13:46 
  •  ▲EntryTop 

ひだまりさん。 へ 

ひだまりさん、「死の馬」最後まで読んでくださって、ありがとうございました!!
春樹の心的イメージを強く出したので、分かりにくい描写もあったでしょうに、温かいコメント、本当にうれしです。
純粋であるがゆえに、妙な方向に折れてしまう春樹です。
危なっかしいこの子と、その春樹をどうやって守ろうと心を痛める美沙。そして、隆也の存在も、このあと大きくなってきます。

最終章は、・・・さあ、ハッピーエンドになるのかどうか(><)
ひだまりさんには、もしかしたら、納得してもらえないかもしれない…とか、不安もあるのですが、渾身の最終章。
また、お時間のある時に、ちらっと覗いてみてやってくださいませ。
本当にいつもありがとうございます!
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