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(雑記)魔性を呼び覚ます?三島由紀夫『禁色』

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少し前から、三島由紀夫の『禁色』(きんじき)を読んでいます。
そして、いま、まだ半分くらいです。
読み終わってないのか! ・・・はい、いつも長編は、半分くらいで語りたくなってくるのです。

何となく、あらすじに魅かれて購入したこの本。なんと昭和26年に書かれたものです。(発行はもっと後)
私の初、三島作品。

私の三島由紀夫に関する知識は、クーデターの末、壮絶な割腹自殺をした、という程度でした。
政治的思想故か、それとも別の理念なのか。
(この作品を読みながら、並行していろいろな記事を読み漁りましたが)
そんなわけで、作品を読む前には、少しばかりの身構えがありました。

ところがです。
なんでしょうね、もう、純愛と清らかな嫉妬と恥じらいと、人に言えない道ならぬ恋・・・そして魔性。
恋愛ものがまどろっこしくて苦手な私を、完全に引き込んで行きました。


禁色 (新潮文庫)禁色 (新潮文庫)
(1964/04)
三島 由紀夫

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【あらすじ】
女を愛することの出来ない同性愛者の美青年を操ることによって、かつて自分を拒んだ女たちに復讐を試みる老作家の悲惨な最期。


内容は、あらすじ通りなんですけどね。
これはね・・・読む者の道徳心やら、モラル、いえいえ、魔性を掻きたてます。

ある一人の著名な老作家(檜俊輔)。
名声は欲しいままにしていますが、彼の容姿は醜く、とにかく女に酷い目に合ってきました。
そんな老齢の彼がある日海で出会ったのは、絶句してしまうほどの美しい22歳の青年、悠一。
彼はどうしても女性を愛することができず、それでも女性と結婚しなければならない苦悩を、俊輔に打ち明けます。
悠一の結婚相手は、老齢の俊輔を見限り、離れて行った少女。
女への憎悪が頂点に来ていた俊輔は、悠一をそそのかして、その少女を筆頭に、自分を蹴散らした女どもに復讐しようとするのですが・・・。

最初は俊輔の操り人形でしか無かった悠一の変化に、もうゾクゾクします。
愛していないまでも、妻となる康子への優しさから、偽りの結婚に罪悪感を感じていた悠一。
けれども俊輔の洗脳により、彼の魔性が開花されるんです。

愛せないならばせめて、この手で不幸にしてあげる。

次第に悠一は世間一般のモラルから解放され、自分の美しさ、残酷さに気づきます。
男を愛し、愛される喜びに目覚め、その一方で自分に色目を使い独占しようとする美女たちを翻弄し、時に甘い言葉をかけ、愛の無い口づけをしながら、冷酷なゲームを楽しむ・・・。

・・・この小悪魔!

彼の行動は時に理解に苦しむんですが、とにかく憎たらしいほど魅力的です。
中盤からはもう、彼は俊輔の操り人形ではなく、一匹の美しい妖艶な獣。

俊輔先生、・・・その美しい獣に惚れてしまうんですね (o´_`o)ハァ・・
さも、ありなん・・・です。

それからの俊輔先生ったら、いじらしくて、可哀想で・・・・。
さあ、これからどうなるんでしょうかね。じっくり楽しみながら読んで行きたいと思います。


この三島作品の文章は、やはり時代的に、表現方法や熟語の使い方が若干違いますが、難なく心に響いてきます。
とても読みやすく、そして・・・ピュアです!!
そう、三島作品は、こんなドロドロした展開だと言うのに、ピュアなんです。
まったく、嫌な気分にならないんです。

これはね、すごいことだと思いますよ。
三島由紀夫自身が、とても純粋な人だったに違いありません。

三島作品は沢山映画やドラマになっていますが、この作品は・・・ないですよね。
テーマ的に無理なのかな。
でも・・・面白いと思いますよ、これ。映画にしたら。だれか、しないかしら・・・。


以上。とっても偏った途中感想でした。
(ほとんどあらすじ語っただけですね^^ sorry)



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~ Comment ~

NoTitle 

人の心の魔性がお好みでしたら、赤江瀑(あかえ ばく)先生なんかいかがでしょうか。

こういうかたです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E6%B1%9F%E7%80%91

わたしは怖くて読めません(え)。

ポール・ブリッツさんへ 

う~~~ん、赤江 瀑ですか。

いかにも・・・・・な感じはダメなんです(^_^;)
耽美とか、前面に押し出したエロスはねえ・・・・。

三島由紀夫の、繊細で、純粋で、小鳥にそっと触れるような優しさが好きなのです^^
(それでいて、魅惑的)

それか、ソー、ザップ!的な美学の方がいいです♪

NoTitle 

う~~~~む。
もうこれは「小悪魔」どころの騒ぎじゃないですね(^^;)

これは危険なお話ですね・・・。
三島由紀夫・・・ピュアなお人だったんでしょうね、きっと。
でなきゃ、あんな死に方できませんでしょう。

あ、そういえば、私、嘘を言ったかもです。
友達が「女々しい」と言い放ったのは、三島由紀夫ではなく太宰治だったかも・・・(^^;)
いやぁ、歳は取りたくないな。

三島由紀夫、読んでみたくなりましたが・・・ちょっと、あまりにもハイペースでインプットをしてしまったので、(5巻もある小説を一週間以内で読みきったのは、たぶん私の新記録)ちょっとお休みしてアウトプットせんことにゃ、おかしくなってしまいそうです(^^;)

秋沙さんへ 

雑記にも、いらっしゃいませ~♪

やっぱり、小悪魔どころじゃない??ww
でもね、彼らはみんな、そんな悪漢じゃないんです。
女性に酷い(内面的な)裏切りをしてはいますが、それは勝手にこの美しい青年を(夫がいながら)自分のものにしようとする、美女の自業自得・・・とも思えますし。

この青年の行為を許せてしまうと言う事は、読者のモラルがひっくりかえされてしまうことかもしれません。そのうえで「同罪」の快感を背負うのですww
もしかしたら、「なんて奴ら!女性を弄んで!」と、怒る読者もいるかもしれませんが^^;

私はこの「禁色」しか読んだことがないんですが、他の作品はきっと男女の恋愛ものだと思います。
彼の描く女性は、本当に女性です!
女性が描くよりも、濃厚に「女」!これがまた、いいんですよ~~。
作家って・・・本当にすごい!

秋沙さんも、いつか読んでみてくださいね^^

あ、そうかもしれません。
太宰治は、けっこう女々しい感じ。
人間失格しか知りませんが、あれはなんだか・・・人間やめたくなる読後感で・・・女々しくて。
ちょっと苦手なタイプです^^;

え?もうあのシリーズ、全部読破したんですか!すごい。
そんなに面白かったんですね~~~。なんか、やっぱり魅力的な作品なんですね。


さて、秋沙さんはこれからアウトプット!!
わ~~い!楽しみに待っています!!

NoTitle 

おお。三島由紀夫ですかぁ。また、なかなか渋いところにきましたね(笑)
「禁色」、私もたしか読みました。ただし、二十年くらい前ですが ^^;
「仮面の告白」も読みましたが、どうもあの文章になじめず…。
でも、今読めば、少しは理解できるかもしれませんね。
し、しかし「禁色」は、ぶ、分厚い… ^^;

ああ、赤江瀑も読みました。
ちょっとタンパクな耽美、だったような気がします。

三島にはまったlimeさん、気がむいたら、でいいんですが、
もし栗本薫の「真夜中の天使」を読んでいただけたら、嬉しいかなあ。
あるいは、「翼あるもの」。
あ、気がむいたら、でいいです(笑)

追記
RIKUシリーズ、「5」に入りました~(すみません、読むの遅くて ^^;)
長谷川さんの気持ちに興味津々の西幻です。
まさかこんな展開になろうとは…(笑)

西幻響子さんへ 

西幻さんも、読まれましたか!
20年も前に!?
若いころだったら、あの文体はまどろっこしいかもしれませんね^^

「仮面の告白」は、たしかエッセイのような、自叙伝じゃなかったかな?
三島自身の若いころの告白。
物語風になってるんでしょうか。

赤江瀑って、信者的な熱狂ファンがついてるらしいですね^^;
同郷なんだけど・・・ちょっと怖いかな?

栗本薫の「真夜中の天使」ですね?
面白そうな無いようだったら読んでみたいと思います。
なんだか、西幻さんとは読む本の路線が似てる気がするので、
もしかしたらハマるかも^^

RIKU、もう「5」なんですね。
「5」は、またもやじれったいかもしれないけど、長谷川さんの恋心に注目して、読んでやってくださいね^^

ゆ~~っくりでいいですよe-267

NoTitle 

三島由紀夫ー!
すごいっ、よんだことあります。

というか国語の教科書に・・・w

NoTitle 

三島由紀夫は『金閣寺』と『葉隠入門』を読んだ事があります。
若い頃に読んだせいか、もう少しスピード感が欲しかったと思った
記憶があります。
今読めばまた違った感覚なのかも?

これは僕だけかも知れませんが、大昔の作家や、誰もがその題名を知る
古典の超メジャー作品は何故かあまり物語に引き込まれない傾向が多々あります。
僕が好きなのは最初にグイッと引き付けておいて、それからジワジワと
世界観を浸透させていく、というパターンです。
やはり今と昔では書法そのものが違うのでしょうか?

ねみさんへ 

ほお、教科書で?
それは、どの作品でしょう。
たしかに、美しい表現がたくさんありますもんね^^
でも、高校生には、受け入れにくいかな??

蛇井さんへ 

わたしも、蛇井さんの意見に共感。
昭和初期~中期の文豪の作品は、「引き込む」という感じではないような気がしますね。
じわりと、その空気感を味わう、時間的、精神的余裕が必要かもしれません。
現代人はスピード感を求めてしまいますからね。

文法も表現法も、かなり違いますよね。
三島由紀夫の内面の描写は、本当に分かりにくいです。
180度間違って受けとめてしまいがち(笑
でも、自分の感覚とぴたりと一致した時には、「おお」と思う・・まるで宝探しです。

しかし、あまり読み過ぎるときっと、自分の作品に妙な「癖」がうつってしまいそうで、それがちょっと心配です。(文章の運び方・・という意味ですが^^)

NoTitle 

【~じわりと、その空気感を味わう、時間的、精神的余裕が必要】
そう!それです!僕が言いたかったのはまさにそれです。
僕が言った事にして下さい。

蛇井さんへ 

わかりました。

「それは蛇井さんが言った」ことにしましょう ( ̄ー ̄) e-267

昔々に 

私も読みました。
ただ、ザル頭ですので、読んだ作品、かたっぱしから忘れてしまうのですね。
limeさんのこの文章を読ませていただいて、「禁色」をもう一度読もうと決意しました。

「ベニスに死す」のもう一歩踏み込んだストーリィのような?
「愛せないのならば不幸にしてあげる」って、ずきーっと来ますね。
歌詞に時々ある、「きみを傷つけたい」よりも深い、ああ、私もそんなの、書いてみたい、と思いますが(ムリに決まってますが)。

三島由紀夫は私もけっこう好きでしたが、近頃は読んでいませんでしたので、思い出させて下さってありがとうございました~~

あかねさんへ 

あかねさん、よんでらっしゃったんですね。
私は初三島です。
(文学作品と言うだけで、一歩退いてたんですが、こんな作品だとは。)

矛盾した優しさや愛情が、なんだかゾクっとするんですよね。
後半は、わりと悠一も人間らしい感覚を取り戻していったんですが、逆に先生のほうが、哀れでしたね。

この後「仮面の告白」も読んだんですが、この時代にこれを書くって、斬新だったなあ・・なんて思います。

挑戦してみて良かったです。イメージがガラリと変わりました^^

あかねさんも、面白い本があったら、教えてくださいね。

ありがとうございました♪
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