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(レビュー)『神の火』vol.2 まだ読み終えてませんが、語らせて

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途中経過レビュー、第2弾です。(性懲りもなく・笑)
現在下巻の半分まで読み進めています。この後の展開を知る前に、とにかく熱を放出しなければ・・・。

※一部、文中の抜粋があるので、絶対にネタバレは読みたくないと言う方は、ご注意ください。
 とはいえ、当の本人も結末は知らないので、一緒にドキドキできるかも・・・(^^ゞ

                         ◇

                   
---網を垂らして断崖を降りると言う危険な遊びを思いついたのは日野だったが、『ああ、やろう』と島田が応じたときに二人の子供が駆り立てられていたのは、冒険でもいたずらでもなかった。---

この物語の根底に揺らぎ、全体を支配しているのは、「虚空」。
けれど、与えられた命の意味をただ模索し、絶望し、もがく登場人物たちに魅了され、
この『神の火』を読み始めてひと月あまり、心を掴まれて身動きできないくらいです。

兄弟と違う、緑の目を持ち産み落とされ、いつしか謀略の海に身を浸してしまった島田の虚空。
幼少から人と違う観念を持ち、堅気とはいえない奔放な人生を歩く日野の虚空。
島田をスパイへの道に引き込み、自ら各国を手玉に取りながらも、自分の人生の意味を見い出せない江口の虚空。
たぶん登場人物の中で一番強い意志を持ち、目的を持ちつつ日本へ来た良(パーヴェル)の中にも、自分の消えゆく命を静観し、恐怖をマヒさせるべく、虚空を飼いならしていたように思えます。


---『お前のその目がきれいできれいで、それ見てたかっただけや。小学校になったら、今度はその目、いっぺん突き刺したいと思うようになって、その一心や。中学になったら、今度は食うてみたいと思うようになってよ』---

心揺さぶられたこの日野のセリフ。
小さい頃、気の合わなかった島田にいつも付きまとった理由を、日野草介はそう説明したのです。
この後島田は、『自分が死んだら、この目、二つともお前にやるよ』と言い、日野は『約束やぞ』と言う。
それは島田の死を予感させるもので、読んでいるこちらを身震いさせます。

島田の緑の目に魅了された日野は同時に、島田の中にある「虚空」を読みとり、魅了されたんでしょう。
そしてその「虚空」を食って、自分に取りこみたい、自分の虚空と合わせてみたいと思ったのかもしれません。
とても意味深で、官能的な台詞です。


“お前の目玉二つは俺のもんや。だから俺が守る。誰にも渡さへん。海に沈めたりせえへん”

下巻の中ほどの、息もつかせないような激しい展開は、この日野の言葉から予測でき、胸が苦しくなりました。


一行一行、読むうちに体中に緊張が走り、その文章に魅了され、登場人物たちの無事を願い、危険なくらい物語にのめり込んでしまいます。
小説というものは、これほどまでにすさまじい力を持っているんだと改めて思い知らされました。


下巻の200ページあたりで、私は震撼しました。
寝る前にベッドで読んでいたんですが、その展開に想像もしていないほどのショックをうけ、涙が止まらなくて、しばらく眠れませんでした。
「高村先生、どうして・・・・」と、恨み事をいいたいほど悲しい展開で、その夜はそのシーンばかりが夢に出てきました。

あまりに悲しくて、あまりに美しすぎるシーン。

私の心に、どれ程登場人物たちが生きて、住みついているのかを思い知らされました。
もう、物語の登場人物の枠を超えてしまっていたんです。
恐るべき高村先生の筆力。怖いとすら感じました。

さて、残すは200ページ余り。
このあたりから、新たな展開が始まる予感がします。
「読み終わりたくない」と言う思いは、切実になってきましたが、読み終えなければ何も手に付かないということに、やっと気付きました。

でも、・・・出来るだけゆっくり読もう。
そう思いながらパタリと閉じた文庫本の表紙を見て、ハッとしました。

ああ、これは、今読んだこのシーン。
そうか、そうなんだ。島田が心の中でつぶやいた、これが神の火。
じんわり、涙が出ました。(下の画像参照)

次は読み終えたあとのレビューを書くつもりですが・・・・いや、書けるかなあ。
この壮大な物語を前に、感嘆と放心意外に、でてくるものがあるのか、自身がありませんが。

最後まで「途中レビュー」を読んでくださってありがとうございます。
ただ、ひたすら自分の熱を放出するための、独り言でした(>_<)


                (最終レビューに続く)



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~ Comment ~

NoTitle 

!!

ブックカバーをつけて読んでいたので、気付きませんでした。
本当だ、この表紙・・・。あのシーンですね。

もうね、limeさんのレビュー全部、本当に「そうそう!そうなの!」って感じで。

あの、日野のセリフ。すごいですよね!?
「李歐」の口紅のシーンも官能的だったけれど、なんかこれはもっと、雄々しくて、魂をつかんで揺すぶられるような激しい情熱と官能。

物語の最後まで、このそれぞれの「空洞」「虚空」がテーマなんですよね。
すごく危険だなと思うのが、こういう「虚空」って大きさの違いはあっても、現代人なら誰しも抱えてるんじゃないかと思うところなんです。
私みたいなのーてんきな人間でも、なんか、若い時にはものすごく危ないことを平気でやっていた気がするんです。高いところからわざと身を乗り出してみたりとか・・・。そういう感覚を、思い出させるんですよ、この物語は。

limeさんがショックを受けたあの場面は、本当に高村先生に訴えたくなりますね(^^;
息詰まる展開の中で、唐突過ぎるんです。あまりにも理不尽でそして、美しい。

あぁもう、キリがない。
limeさん、私の夢のなかにも出てきてよ~~~、語り合いましょうよ~~~。

たぶん、今、同じ辺りを読んでますね。
どちらが先に読み終わるのか・・・。
私はたぶん、レビューはまとめられないので(^^; 楽しみにしてます、limeさんの読後レビュー(笑)

秋沙さんへ 

もう、あのショッキングなシーンを読んだ夜、夢の中で必死に秋沙さんに泣きつきましたよi-201
「うわ~~ん、○○が~~!なんで~~?i-201」って。
悲しかった・・・。
でも、思い返してみると、すさまじく神聖で、暴力的に美しいシーンでした。
はあ・・・もう、溜め息です。

今まで得体の知れない日野でしたが、あのセリフのおかげで、ぐぐぐっと、輪郭が見え、ひきつけられて行きました。彼もまた、狂気に似た虚空の持ち主で。
高村先生の言わせるセリフは本当に情熱的で官能的で、ドキドキしてしまう。
なんでしょうねえ、もう、人物の描き方が半端じゃない。
ほとんど島田視点なのに、それぞれの気持ちが伝わってきます。

ああ、真っ白いカレイ。・・・焼いて食べたい・・・。

さあ、ゆっくり読みますよ!(何宣言)
どっちみち、今のところ新作を書く余力も無いことだし、じっくり読みます。
・・・でも、最終レビュー書けるかなあ。自信無いです。
(なんか、危なっかしいことやってるし、あの二人!)
私が書けなかったら、秋沙にバトンタッチだ~・笑

「神の火」進めてくださって、本当に感謝です!!

NoTitle 

なんだか秋沙さんと二人して盛り上がっていますねぇ~(≧▽≦)
ネタバレを避けるために少々斜め読みしましたがlimeさんの
興奮は充分に伝わってきました。
 
次はもう僕も『神の火』読むしかないですね!
感動を共有したいと思います。

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蛇井さんへ 

やった~!
蛇井さんも読みましょう~~。
(いつも、乗せてしまって申し訳ない感もありますが)
ぜったい、損はさせませんよ~。

すっかり秋沙さんと盛り上がってしまいました。
たぶん私のレビュー、重要な部分のネタばれは無いと思いますよ。
私が書き出すポイントは、ちょっとアレですから(≧∇≦)i-201

あれを読んだら絶対に天王寺界隈をくまなく歩きたくなります。
土曜日、四天王寺に行かれるんですか? 散策する時間があったらいいですねえ。
私も、もしもその頃読み終えてたら、ブラッと出かけるかもしれません。
(晴れて、温かかったら・笑)

蛇井さんも、もし読まれたら、ぜひレビューを!
私が何回にも分けて書く気持ちが分かっていただけるかも。
(いや。。。単に一回じゃ膨大すぎて私の頭では書ききれないって理由かもしれませんが)

最後に・・・・。とにかく、でてくる男たちがとにかくかっこいいですから!

鍵コメMさんへ 

> お返事いらないっす。
いえ、書きます・笑

「そう言うの」書くかもしれません。いや、マジで考えてるんです。
読者、減るかな・・・。

か、買っちゃったんですか!!
(うれしいやら、もうしわけないやら・・・。)
Mさんにも、楽しんでいただけますように^^

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鍵コメさんへ 

おおおおおお。
そ、そうなんですね。わかりました。了解です。
行きます!笑
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