RIKU・4 君の還る場所

RIKU・4 第2話 嘘つき

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「あれえーーー! どうしたの? 玉城先輩、その怪我」
いち早く玉城を見つけた多恵の甲高い声に、長谷川とリクばかりでなくラウンジにいた数人の社員まで一斉に振り返った。

・・・だから嫌だったんだ。
玉城はバツの悪そうな顔をし、そっと長谷川達のテーブルに近づいて行った。

長谷川もリクも多恵も、玉城をマジマジと見つめたまま、しばらく唖然としていた。
その額には真っ白い包帯。首にも腕にも指にも至る所に包帯や絆創膏が巻かれている。

「すみません、遅れてしまって」
申し訳なさそうにぺこりと頭を下げる玉城。
「すみませんじゃないよ。どうしたの玉城、その怪我。ヤクザに喧嘩でも売られた?」
「あ、するどい! 長谷川さん」
長谷川の冗談に笑いながら飛びついた玉城だが、逆にギロリと睨まれた。
「で? もう一度聞くけど、どうしたの玉城、その怪我。それから携帯にも出なかった理由を説明しなさい」
今度の長谷川の声は厳しかった。
子どもの悪ふざけを咎める親の厳しさに似ている。
玉城はようやく取り繕った笑いをやめ、ほんの少し神妙な表情をした。

口を開く前に一度チラリと窓際に立つリクと視線を合わせたが、その問いつめるような目に、慌てて玉城は目線を反らせた。

「いや・・・。実は昨日の夜、めちゃくちゃ酒を飲み過ぎてしまいまして。帰り道で階段踏み外したんです。そんで転げ落ちて、気を失って、救急車で運ばれて・・・こんな感じです」
玉城は両手を広げて苦笑いをしてみせた。
「携帯もその時無くしちゃったみたいですね」
「うわあ! やっちゃったわね、玉城先輩。言ってくれたら病院まで飛んで行ったのに。水くさいなあ。で、もう大丈夫なの? 入院とかいいの? 検査とかは?」
心配そうに玉城の肩や頭に触れてくる多恵から慌てて玉城は体を離す。
べたべた触ってくるのは昔からの多恵の癖なのだが、まさかこんな所でされるとは思わなかった。
「大丈夫だから、多恵ちゃん。ちゃんと検査してもらって解放されたんだ。ついさっきだけど」
そんな様子を長谷川は、ほんの少し眉間に皺をよせ、じっと黙って見つめている。
ワザと視線を反らす玉城。

・・・気まずい。
早く打ち合わせに入ってくれないだろうか。
俺の怪我の事なんてもう、どうだっていいじゃないか。スルーしてくれ。・・・

玉城はじっとりした空気に呼吸が苦しくなるのを感じた。どうしたものかと戸惑いながら、もう一度リクを見る。
やはりリクはじっと不機嫌そうな目を玉城に向けている。
あの、心をすべて見透かしているような目が苦手だった。いや、見透かしているに違いない。
今にもその唇が動きそうで、玉城は怖かった。

「嘘つき」・・・と。


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~ Comment ~

どうした 玉城! 

何故 正直に 言わないの?
もしかして いえ これは 絶対に 「リク」が 絡んでるからでしょ!!

玉城って 正直者だから 嘘つくだけ 無駄なのに(笑)
「リク」だけでなく 長谷川も バリバリに 疑ってるし~(苦笑)

えっと 今日 初めて オープン・コメにしますッ!! lime様の ファンの皆様って 博識の方が 多くて 私のような 浅識者には ついて行けないけど まぁ こんな おバカコメ者も いても いいのではと やっと 自己中結論に 至りました。
これからも 今まで 同様 宜しくお願いします(*^o^*)ゞbyebye☆

けいったんさんへ 

わーい、オープンコメありがとうございます!
いや、なんで今まで鍵だったのか・笑

何をおっしゃる。陽気で楽しいけいったんさんのコメ、大歓迎ですよ♪
重いの書いてますが、なにしろ私がお馬鹿なので、もう、好き勝手にコメしてください・笑

お、するどい!
じつは、底の方でリクにも関係してるんですが・笑
関係ないと言えば関係ないし、関係あると言えば関係ある・・・。
まあ、怪我したのは玉城のドジですが。
じれったいですが、じわじわと説明していきますね。

NoTitle 

トリビアは好きだけれどひと皮むけばただのバカのわたしが通らせていただきますよ(^^)

今回のRIKUは苦い話になりそうですねえ~。

なんか触れちゃいけない過去話が出てきそうな気がします。

いまだにちょいと鬱々しているので妙に暗い方向に想像が進むのでありましたが、うーむ。

今回はどんなふうに幽霊がからむんだろう?

ポール・ブリッツさんへ 

ポールさん、いらっしゃい♪

そうですねえ、今回は実はとても単純な話なんです。
玉城のせいで、話がややこしくなるだけで。
ポールさんを鬱々とさせないと、いいんですが。

いいところを突いてきました。
今回は。がっつり「霊力」がかかわります。次回にはもう、わかりますが。
もしかしたら、今までと違うジャンルなのかも・・・。

NoTitle 

友達と会った瞬間に

「うそつき」

なんていわれたら・・・悲しいよりも怒りが勝ってしまいそうです。
霊力もガッつり来るんですか、やっぱり!

初めからよんでよかったです・・・

初めてと始めてと創めてが使い分けれない・・・

管理人のみ閲覧できます 

このコメントは管理人のみ閲覧できます

ねみさんへ 

そうですよね。
嘘つきなんて言われたらムッと来ます。
(まあ、まだリクは何も言ってないんですが・笑)
でもリクは言いますね、そんなこと、さらっと。
不器用ですし、それが彼なりの心配の仕方ですから。

今回はがっつり霊力が絡んできます。
非現実的なお話に持っていきたくないんですが、ギリギリのラインかな??

ねみさんに、このシリーズを読んでもらってて、良かった。
この章だけじゃ、わからないですからね。

鍵コメRさんへ 

そうですよね。
バレバレです・笑

あ、メール、大丈夫でしたか?よかった。
そっちの方も、楽しみにしています!!

NoTitle 

ニャンだろv-389
玉城が巻き込まれたことってなんだろ。
二人に隠したいことなんだろうか。
感だけじゃない知力、腕力なみじゃない長谷川。
霊感バッチリのRIKU。
さっさと話した方がいいよね。

多恵、やっぱり就職したのね。
KYちゃんも彩りだよね。

楽しみでござる。
昨日はごめんなさい。
またニャーーv-283

ぴゆうさんへ 

じれったい始まりでごめんなさい (^^ゞ

玉城が怪我した理由は、すっごく単純なことなんです^^
(リクにはもう、しっかりバレてます・笑)

まだ玉城、この時点では何にも巻き込まれてないんですよ。
(もう、作者の書き方がややこしいから><)

玉城が巻き込まれるのは、そのあとです。
今回は玉城がかなり「うざい」ですが、どうかお付き合いください~。

多恵ちゃんのKY、いいでしょ・笑
でも、なかなか重要人物ですよ、彼女^^

それから、忙しくて来れない時は、ホント、気にしないでくださいね~。
ポチだけでもめっちゃうれしいんですから。

いつも読みに来てくださって感謝ですe-266

こんにちは^^ 

むふ。
読みに来てます。

てかこのお話、最初読みかかった所で春樹に浮気しちゃったんですよね~e-330
出だしも、綺麗に忘れちゃってました。
しかも、読み直しても思い出せない・・・・アル中ハイマー・・・・・??

多恵。
そう言えば、この章からこの子が登場するんでしたね。
う~~~~ん・・・・・・・・・・(--;
果てしなく苦手だ・・・・・・・・・・・・i-202

まだまだ滑り出し。
また連休明けにでも読みに来ますv-290

蘭さんへ 

あ! そうか、勘違いしてました。
もう蘭さんは、この「4」を読んだもんだと思って。

ちょっと久々に悪人が出てきますからね、この物語は。
今までみたいな爽やかさはないかも・・・。

このお話を読まなくても、「5」は分かるので、苦手だな~~とおもったら、
迷わず「5」に行ってくださいね^^ 本当に!

「4」のあらすじ完全版(超短め)を、蘭さんに送りますからね~。

NoTitle 

あはは(笑) たしかにリクなら「嘘つき」と言いそうですね。
こんな友人がいたら、冷や汗かいちゃいそう。

そうか、「霊力」がっつりですか。それは、楽しみ♪
実は私も「霊力」の使える青年キャラを出そうと思ってるんです。
また、limeさんと、「シンクロ」しちゃいましたかね?(笑)
(「春樹」のときみたいに・・・)

いま、一生懸命「RIKU」を読んでいます。
早く、追いつきたいな~と。。。

西幻響子さんへ 

おおお!RIKUをまとめて読んでくださってるんですね?ありがとうございます。
うれしいです。
あ、でも、大量なんで、ゆっくり追いついてきてくださいね^^

西幻さんの作品にも、霊力のある子の登場ですか!
すごく楽しみです。
いっぱいシンクロしちゃいましょう^^

このRIKU・4は、今まで以上に霊がらみのお話になっています。
このあとの、「5」と「6」の展開にも、重要な課題を呈したお話です。
玉城の馬鹿っプリを見てやってくださいねe-267

嘘つき 

ううむ、嘘つきかぁ…。
と、何故かしみじみしてしまいました。
人物に嘘をつかせるときって、fateは何故かドキドキしてしまいます。
そう! 絶対鋭い別の誰かに見破られる! と思うから(^^;
それで、必要以上に挙動不審な文章になる(どんな文章だよ…)。

3のマジックから一夜明けて(?)また新たな展開にわくわくしております。あんまり追いついてしまうと寂しくなるので(?)まだ、ある! と思いつつ拝読させていただきます(^^)

女の子が出るとなんだか場が華やかになりますね!

fateさんへ 

小説の嘘。
ミステリーの中核ですもんね。
ミステリーでなくても、「嘘」を効果的に使おうとおもったら、いろんなところに神経をとがらせないといけませんよね。

でも、玉ちゃんの嘘は、見抜かれて初めて魅力が出てくる嘘です。
リクにだけは見抜かれる。
そこが、楽しいんです(作者がww)

ちょっと、この「4」は、いろんな事実を少しずつ隠して書いてあるので、分かりにくいかもしれません。
もし、「なんで?」と、イライラっときたら、みんなへのコメ返に、ヒントが書いてあったりします。

なにしろ、登場人物が誰も本当の真相を知らずに展開していきますから。
分かっているのは、読者だけ・・・的な。

でも、根本は単純なお話ですので、ゆる~~っと、読んでやってください^^
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