「白昼夢 」
第8話 渇望

白昼夢 第8話 渇望(4)

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予感はあった。
だがその暗闇での襲撃はあまりにも突然で、笠原はとっさに身を守ることができなかった。

角材か何かによる頭部への一撃のあと急激に意識が薄れ、路地のアスファルトの上にうずくまった。薄く開けた瞼の隙間で、どこかの店の寂しげなネオンが歪んで瞬いた。
鼻の奥に血の臭いが広がる。
そのあと強い蹴りが腹部に入り、笠原は防御のために全身に力を入れて丸くなった。
けれどそんなものは何の抵抗にもならない。
何度も振り下ろされる角材に打たれ、顔になま暖かいものを感じながら、ただひたすら石のように体を硬く縮めた。
息ができない。
意識が遠のいていく。
けれど不思議と笠原には悲壮感はなかった。

金と退屈しのぎのために危ない橋を何度も渡った。
酔狂が過ぎると女に言われ、愛想をつかされた。
いつこんな日が来てもおかしくないと思っていた。
閉じているのに目の前が真っ白になっていく。
ああ、やっと・・・。笠原は痺れた口元に笑みを浮かべた。

・・・やっと渇きが止まる・・・

けれど、急に音が消えた。
体への衝撃も途絶えた。
チラチラと小さな丸い光が泳ぐ。
バラバラと数人の足音が乾いた音を立てて遠ざかっていく。
助かったのだろうか。奴らはもう、俺が息絶えたと思って引きあげたのか。
硬直した体をアスファルトに投げ出したまま、笠原は思った。

奴らの正体の検討はついていた。
例の組織の情報屋に取り引きの予定を高く売りつけた。出所が自分であることにバイヤーの元締めが気付いたのだろう。

笠原はゆっくり目を開けた。
深夜の寂れた路地は陰鬱な闇に包まれている。
通りに面した方向からチラチラ光が揺れた。
誰か立ってこっちを見ている。
光はその人物が手に持っているライトから放たれていた。
その人影はゆっくりと近づいてくる。
通りがかりの奴なのか、それともさっきの仲間なのか。
冷たいアスファルトの上で笠原は目を凝らした。

「こんなライトを怖がって逃げて行っちゃった。巡回の警官とでも思ったのかな」
まるで友達にでもするように、その声は軽く話しかけてきた。

その人物はさらに近づいてくる。
建物の隙間からこぼれてくるネオンの灯りがちょうどその男を浮かび上がらせた。
男はゆっくりと笠原のすぐ側にしゃがみ込んだ。
ボタンを開けたシャツの胸元で、銀色のクロスが鈍く光りながら揺れている。
「・・・あんたか」
安堵とも恐怖ともとれる声が笠原から漏れた。
陽は冷たく静かな視線を笠原に落としながら、小さく目の前の血だらけの男に尋ねた。

「助けて欲しい?」

「・・・・・・」

体を貫くような寒気を感じて笠原はじっと陽の目を見上げた。

「ねえ、助けてほしい?」
陽はガラスのような目を笠原に向けて、もう一度繰り返す。
近くのビルからこぼれたブルーのネオンの光がその瞳の中で冷たく揺れた。

「いや、・・・助けはいらない」
喉の奥から絞り出すように笠原は声を出した。
自分でも滑稽に思えるほど、それは本心だった。

「・・・そう? わかった」

そう答え、陽はそのままの姿勢で横たわる笠原をじっと見つめていた。
まるで悪魔が命のこときれる人間の最後を見届ける時の目のようだ。
笠原は重く疼く痛みの中でそう思った。
悪い癖だ。直面しているこの構図がおかしくさえ思えてきた。

“やはり、マヤ。天使はもういない。だが、極上の悪魔が生まれたよ”

笠原は痺れる口元で少しニヤリとすると、まだ動く左手をゆっくりと陽の方に差し出した。
陽の胸元に揺れるクロスに笠原が触れようとした瞬間、陽は拒むようにほんの少し体を退いた。

「ギリシャ正教の十字架。ナザレのイエス。そんなリアルなデザインのクロスはめったにないんだよ」
「・・・・・」
笠原の言葉に、陽はそっと手を自分の胸のクロスに持っていった。

「何より君は本当にあの人によく似ている。生きていて嬉しいよ。探していた。ずっと」
「あなたはどこまで知ってるの?」
「・・・どこまで? どっちのことを言ってるのか・・分からないが・・・そうだな、たぶん・・・君が想像する通りだよ」
陽はほんの少しその目に困惑を表した。

「・・天使の名を持つ・・・悪魔たち。 探していた・・・堕ちた天使。その二つが・・・むすび・・つくなんて・・・ね・・。おもしろすぎて、・・わら・・えてくる」
笠原の声はだんだんか細く弱くなっていった。意識が落ちていっている。
陽はさらにゆっくりと体を離し、立ち上がった。

「そう。よかったね」
抑揚のない声で冷たい地面に転がっている男を見おろすと、そう呟いた。

もう何をする力もなくなった笠原は目を閉じて黙り込んだ。
絶望感も、恐怖も、悲壮感もなかった。
こんなもんだろう、自分の人生なんて。
悪魔に看取られるのも悪くない。
薄れてゆく意識の中で笠原はそう思った。


      ◇

途中でタクシーを引き返し戻ってきた坂木は、事の顛末をじっと黙って物陰から見つめていた。
何も手出しをするつもりは無かった。ただ、陽のケリの付け方をじと見守っていた。

陽は事を済ませると、坂木のいる方へ歩いてきた。
携帯を後ろポケットに入れながら、ふとこちらを向いた陽と目が合った。
「・・・帰らなかったの?」
少し驚いたように陽が呟いた。
「帰れるか。あんな状態で」
「そう?」
陽が少し困ったように笑う。

その時、坂木の背後でいきなりサイレンを響かせて救急車が近づいてきた。
赤色灯をせわしなく回しながら坂木達の脇を徐行気味に通り過ぎ、遠のいてゆく。

しかしある地点まで行くと、ピタリと音は止まった。
気に止めるでもなく大通りへ歩く陽に続くようにして、坂木も足を早めた。
背後から無言のつぶやきのように赤いライトだけがチラチラと瞬いている。
「救急車呼んだのお前だろ? なんで助けた」
坂木は前を歩く青年の後ろ姿に聞いた。

陽はしばらく無言で歩き続けたが、やがて前を向いたまま少し面倒くさそうにポツリと言った。
「助けなくていいって言ったから」
「・・・」
坂木は少し足を速めて陽の横に並ぶと、もう一度聞いてみた。
「じゃ、助けてくれって言ったら?」

陽はチョロチョロとまとわりついて来る坂木が可笑しかったのか、
目をそらして一瞬クスッと笑ったが、すぐに真顔になって坂木に向き直り今度は真面目に答えた。

「ちゃんと自分の目で見ればいいんだ、あの人は。 自分の悲劇の結末を」
陽の瞳が冷たい光を宿した。
坂木は一瞬息を呑んで、そのまま黙り込んだ。
いつもは決して見せない扉の奥をほんの少し垣間見た気がして坂木は目をそらした。

「ホテルに帰って飲もうか、坂木さん」
「・・・・ん?」
「僕も付き合うよ」
そう言って陽は何も無かったように笑うと、脇を走り抜けようとしたタクシーを止めた。
その笑顔に救われ、坂木も無言で笑い返す。

遠くで再びサイレンが唸りを再開した。
まるで誰かの悲しい叫びのようにそれは夜明け前の寂れた街にいつまでも響き続けた。


     ◇


・・・・渇きが止まらない。

体を満たす水の中に飛び込めると思ったのに。
生まれる前のような無の海へ。
またこのホコリっぽい世界に引き戻された。

俺は殺風景な病室の小さな窓から、色のない曇った空を見上げた。

すべてを話したはずだ。
もう最後だと思ったし。
生かしておいて良いはずはないのに。
忌むべき、憎むべき、狂った存在だ。
なぜ助けた。

それがおまえのやり方か?

俺が出会うはずだった悪魔は、意に反して白い羽根のままだった。
恐ろしいほど。残酷なまでに。

あの時手を伸ばして触れていれば良かった。
すべての罪を許してくれるという正教の十字架。・・・そしてマヤの天使。
狂って行く自分がイヤだった。
腐っていく心がイヤだった。
触れて、浄化されて、一瞬のうちに消えて無くなりたかった。

けれど、それを許さないとあいつは言った。
言葉ではなく。
全てを裁くようなあの目で。


もう一度会えるだろうか。

白い羽根を持つ、あの冷たい悪魔に。


いつまでも・・・   渇きが止まらない・・・・  ずっと・・・・・・





           (END)



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~ Comment ~

NoTitle 

陽は笠原を助けましたか。なんとなくほっとする結末ですね。

狂気じみた感性の持ち主の笠原が何か大きな事件を起こすのかと思っていたのですが、最後まで傍観者(もしくは観察者)の立場を崩さなかったのが興味深いですね。
傍観者を貫き通したことで、内面的な狂気と心の渇きが強調されているように感じます。

Re: NoTitle 

>本条さん

コメントありがとうございます。
助けてしまいました。

結局のところ、笠原は何をするでもなく、本条さんの言われるように傍観者だったわけですね。ただ、かなり狂気的な嗜好をもった。
彼は辛いでしょうね、自分がコントロールできない渇きに支配されて。

伝わったこと、とてもうれしく思います。

あせあせ 

いやあ、一瞬焦りましたよ。
「ねえ、助けてほしい?」
といったとき、やはり陽は悪魔のように、
人の命を弄ぶような人間だったのかも・・・・・・

という勝手なストーリーを作り、勝手に焦りました。
そう、私の好きな大どんでん返し。
「えっ!あんなにいい人そうやったやん!」的な。

ほっとしました。
やっぱりlimeさんはそんなじめっとするようなものは
書きませんよね♪
こんなこと言ったらダメかな~。

次のウサギちゃんも楽しみにしています。

 

>ヒロハルさん

ふふ。そんなふうに思っちゃったんですね・笑
それはそれで、今までをひっくり返す感じで、面白いですね!!
でも、読後感がちょっぴり心配です。
しかし、あんなセリフを言うからには、けっこうなイジワルですよ、陽。
最後までありがとうございました。

うさぎちゃん、のんびり発進します!

NoTitle 

笠原氏の話はこれで終わりですか。

最終回あたりにまた出て来てもおかしくない人ではありますね。

「悲劇の結末を見ろ」というセリフに意味深なものを感じてしまうのでした。


PCは、しばらくの間だましだまし使うことになりました。大丈夫かなあこれ。

Re: NoTitle 

>ポール・ブリッツさん

笠原、ちょっとおもしろいキャラではありますが、なんだかもう暗くなりますから・笑
きっともう出てこないでしょうが、サイドストーリーも見てみたいような・・・。
真っ暗ですね。
彼の悲劇の結末は。
陽にまで突き放されて、本当に可哀想な人です。

PC、なんとか頑張ってほしいですね。

またご無沙汰・・・ 

いやぁ、何度読んでもいい!
ぞくぞくします。この陽に。
もうさんざん感想はメールで語っちゃったから
ここには割愛しちゃいますが(^^;

いらっしゃい♪ 

>あきささん

わーい、お久しぶり(ここでは・笑)
いらっしゃい!
このお話、未熟な部分も多くて、
ずいぶん加筆して、苦しみました・笑

あきささんに読んでもらった時はドキドキしましたよ~。
本当に感謝よ(#^.^#)

NoTitle 

母を見殺しに自分を見殺しにした男。
後悔すらなく、ただ己の乾きだけを癒そうとした外道。
陽は触れるのもイヤだったろうね。

自殺願望がある犯人が他者に刃物を向けるのと似ている。
情けない奴。

ぴゆうさんへ 

身勝手といえば、この男も相当な身勝手男でした。
自分は手を下さず、周りを不幸の底に落としてゆく。
その快楽に溺れ、自らの死をも快楽の対象にする。
ぴゆうさんのおっしゃるように、外道の外道。

陽はきっと、どうしようもないほど憎んでたでしょうね。
(外には出しませんが^^)

きっと生きながらえて行くうちに、この男は酷い地獄を見ていきますよ。
陽が下した制裁です。

怒らしたら、怖いですから、陽・・・・笑

NoTitle 

陽、、、助けて欲しい、って・・・?
うわっオソロシ・・・
一人の人生変えちゃいましたね。
あー、渇く渇く・・・

坂木もよく見守っていますね。
ていうか、それ以上のこと、誰にできますか。
坂木以外には・・・
あー、渇く渇く・・・

けいさんへ 

今回のお話は、陽の一番本質的な部分を覗かせてみました。
冷酷だけど、悪魔じゃない。でも、助けたようで、一番酷い罰を与える。

坂木もゾクっとしたんじゃないでしょうかね^^;
坂木だからこそ、静かに見守ってやれるんじゃないでしょうか。

どうぞ、いっぱい水分補給してくださいね( ^∀^)

いっぱい読んでくれて、うれしいです。

生きて償う 

最たる‘復讐’は、生かして償わせることだとfateも思います。
だから、一般に言われている‘復讐’という行為を容認しない。
しない、といういり、それは…死の女神の腕に託してしまうなら、それは相手を楽にしてしまうことだと思います。いや、厳密には現実の‘闇’からの逃避であって、死後の世界の業火は永遠だから安息なんてないのだろうけど。
だけど、fateは地球上の生き物には結局冷酷にはなれないかも知れない。
そんな魂も救われて欲しいと思う。
どうすれば救われるのか?
それは‘後悔’の炎に焼かれ、罪の意識にさいなまれ、地を這う辛酸を舐め尽くして、やっと‘魂’は浄化される。
そうして救われるのは本人のみならず、被害者も、被害者の遺族の魂も。
…甘いけど、救われて欲しいのダ。
それこそが、fateのいうところの‘闇’の昇華だから。

陽は、そんなことを本能的に分かっているのだろうか、と背筋が凍るくらい感動しました。(変な表現ですが、本当です(^^;)
『ハリー・ポッター』シリーズでも、ハーマイオニーが言ってましたよね。
ヴォルデモードの魂が救われる唯一の方法が、後悔することだと。
そして、題も著者も忘れましたが、こんなハナシを読んだことがあります。母親からの虐待に寄って、弟を殺された兄が、自分はさっさと再婚して、新しい旦那さんとの子どもを身ごもり、幸せそうな母親を訪ね、大きくなったお腹を指さして言ったのです。「その子が男の子なら、間違いなく弟の生まれ変わりでしょう」と。
その母親は、生まれた子どもを見る度に、自分が殺した我が子を思い出す。そして、一生苦しめば良い。それが、兄の‘復讐’でした。

陽の根本はやはり‘天使’だったから、人間を裁くことを受け入れ、そして、ヒト(それがきっと坂木さん…)を許し、罪人をも許し、何もかもを受け入れることで、その瞳には美しいものだけを映していた。
そんな気がしました。

ああ、また引っ掛かったらすみません!!!


fateさんへ 

> 最たる‘復讐’は、生かして償わせることだとfateも思います。

私も強くそう思います。
しかし、たとえ終身刑になった罪人がいたとして、本当に罪の重さに苛んでくれるのか・・・。

罪を犯した人間に、本当に罪を償わせ、昇華させ、そして被害者の心が慰めれられる方法が、
いったいこの世に存在するのでしょうか。
その方法が無いことを、人間は本能として知っているので、死語の世界に望みを託すのかもしれませんね。

fateさんの話してくれた、罪深い母親の話、ゾッとしました。
これはすごい制裁です。なるほど・・・と思いました。

fateさんの、“罪人の魂も、最終的には救われて欲しい”という言葉は、新鮮でした。
怒りは、とにかく制裁しか求めませんから。
救われて欲しいという、そう言う感情が、結局人を救い、高めていくのだろうと感じます。

陽は、全てを分かっていたのかもしれませんね。
自分の心と、笠原の魂が、一番救われる道を。

私はこの物語を書く時は常に「無」でした。
ふわりと陽や坂木が語り出す通りに筆をすすめ、書きあがった時、彼らの意思に気づくと言う事の繰り返しでした。
不思議な時間でした。

そんな、陽の行動に感動していただいて、すごく嬉しいです。
彼はもう、私の手を離れた一個体のような気がします。

ね? 私が事あるごとに、陽に相談したくなる気持ち、・・・わかりますよね^^;

生き地獄。 

死んだことがありませんので「死」というものがどういうものか私には解りません。

が、「生き地獄」というのは、確かにこの世にあると思います。

陽は彼に「渇きながら苦しみ続ける」ことを選ばせたんですね。

しかし、手を下さずに傍観するだけの悪魔である彼を、私は初めて憎いと思いました。

でも…。
「傍観するだけの悪魔」は、ごく普通の人の中に「無関心・興味本位」という言葉で宿っている気がします。

有村司さんへ 

笠原って、法に触れる悪事は働いてないんですが、
これがまた、イヤらしい存在ですよね。
無力な傍観者ではなく、「転落を願う傍観者」。ある意味笠原のセイヘキかも・・・。

彼は、このあとどんな人生を歩むのでしょうかねえ。
とことん生の苦しみを味わい、陽の苦しみや悲しみを、分かる日がくるといいんですが。

そうですよね。
無関心・興味本位の悪魔。この世には沢山いるのかもしれません。

NoTitle 

弱いものいじめが大好きな人間のようですね。この笠原と言う人は。
自分は直接手はくださないけど、
傍観してそれを楽しむ、2番目に卑怯なヤツです。
もちろん1番目に卑怯で残忍なのは、直接手を下す人でしょうが。

あの時、この笠原がマヤにもtと違う何かを言っていたら、
もう少しマシな結末が待っていたかもしれません。
ちょっとの間、陽を連れて旅行するとか、
ちょっとの間、陽を連れて知り合いに匿ってもらうとか。。。
子供は親を選べませんからね。
自分の勝手で産んだのなら、責任持って育ててほしかったです。
ちょっと主旨がずれてしまったかな?
でも、陽がもとからの冷酷?な人間ではなく、
それなりのトラウマがあって、
今のような仕事を難なくこなせる人格になったと言う点が
読んでいて私は救われるのです。
もちろんそんなトラウマがなく、
そんな仕事をしないと言うのが一番救われるのですが。


さやいちさんへ 

傍観という悪も、この世にはありますね。
この笠原は、そんなひねくれた、悲劇の堪能に溺れてたのでしょう。
そして、そんな自分の中の悪魔を飼いならすことに、少しばかり罪悪感も抱いていると言う、複雑な男です。

だから、身を滅ぼすと分かっていながら、陽に自ら近づいて行ったんじゃないかと思います。
自殺願望に似たものでしょうか。
どこかで自分も浄化されたいと思ってしまった、身勝手な悪魔です。
でも、陽はそれを許しませんでしたね。

この笠原が、幼いころの陽たち親子を助けると言う事は、ありえなさそうですね。
ほんとうに、マヤは、運が悪かったです。

あの夜の悲劇がなかったら、陽はきっと、普通の、心優しい青年として生きていたことでしょうが。
さやいちさんが陽のトラウマを理解してくれて嬉しいです。

次回のお話もまた長いです><
どうぞ、少しずつ、無理なさらずに読んでくださいね^^

確かに…… 

だんだん重くなってきましたね……
なるほど、リアルタイムで読んでおられる方は、ラビットちゃんと交互に読んでおられた…んですよね。
しまった。交互に読めば良かった…と後悔ぎみ^^;
自分は結構重い話を書くくせに、読者の立場で読むのって結構つらいんだわ、としみじみ思いました。
入り込むと余計にしんどいものですね^^;
ということで、何故か読み進むのが緩慢になり、いちいち考え込み、唸っている大海です。

こういうことを生業にしている人は、やっぱり自分が救われないのを知っているんだろうなぁ。仕事人でも、その手の話が出てくるときはいつも暗いですもんね。で、嫁とかの馬鹿な会話に救われていたりして。
今日もドラマの中で、十津川警部が叫んでいたなぁ。それでも法治国家に生きている我々は『正義の殺人』を許すことはできないんだ、と(でも怒り狂って、生き残ったある事件の被害者=過去の凄惨な事件の加害者を殺してしまいそうなほど殴っていた)。
簡単に仕事人がいたら、とか思うけれど、死刑判決を出した裁判員のかたの記事を読んだら、本当に簡単じゃないとわかるし。どんなに悪い奴でも、自分が『死刑』の判断を下すことで、自分も殺人者であるような気がしてしまって、トラウマに苦しんでいると。
正義の鉄槌…ってのもやっぱりエゴですものね。
そして、どんなにその制裁者(あるいはその手先)が愛すべき人物でも、これがまかり通っちゃいかんと思うわけです。その人が幸せになることはありえないと思うわけなんです。
思うんですけれど……ねぇ。

いかんとも言い難い話ですね。陽の純粋さが、これを可能にしているのだろうなぁ。
毛虫をやっつけながら考えていた、少年兵のこと。彼らは本当に悪意がなくて、カメラマンたちの写真に笑って楽しそうに納まっている。
悪意など何にもない。
それだけに、残酷ですよね。

でもやっぱり、坂木氏は向いていませんね!ともにスプラッシュマウンテンへ参りましょう。
(ちょっとラビット気分にならなければ、読み切れそうになくなってきたので、茶化してごめんなさい)
ではまた、気を取り直して読みます^^;

あ、この『俺』さん、何だかちょっと分かる気もします。
気持ちがというよりも、存在がわかるというのか。

大海彩洋さんへ 

いや、もう、ゆっくり少しずつ読んでくださって、かえってうれしいです。
そして、ただひたすら、重い><
申し訳ないです。

それにしても、久しぶりに読み返しましたが、感想を書きにくい話ですよね。
中核となる陽たちの存在が先ず、正義じゃないのに、悪い奴と対峙するのですから。
刑事もののように、善と悪がはっきりしている方が、葛藤なく書けるんだなと、しみじみ思いました。

私も死刑制度にはものすごく抵抗がありますし、それゆえに、OEAは、絶対善ではないと思っています。
エゴの塊ですよね。
でも、この話に出てきた、アジア地域での子供の売買はリアルな話で、それを操る組織に、猛烈に腹が立って、仕事人がいてくれたら・・・と、本当に思ってしまったのです。
矛盾ですよね><
でも、そのへんを大海さんも汲み取ってくださっているので、ちょっと甘えてみます^^。

本当は、罪人には、生きて罪を償って欲しい。
陽は、この話の中で、それをやってくれたんだと思っています。
本当は陽はわかってるんだろうなと。その上で、OEAに身を置いている子なんだと・・・書きながら思いました。
この白昼夢、矛盾だらけなのですが、そんな矛盾も併せ持って、このまま読んでいただければ・・・うれしいです^^

戦争と兵士。これもまた、外から見るのと、現実にその地で育ち、生きる人間とではまったく世界がちがうんですもんね。
何が正しくて、何が間違いかを決めるのは、本当に難しく。
一言で言えば、人間て、愚かな生き物だなあというところに行き着くんですよね。

人間て、愚かでどうしようもないけど、それでも愛らしい生き物なんだ・・・というのを、私は小説で描きたいな、なんて思っています。
だから、そんな物語には、惹きつけられてしまいます。
大海さんのなかにも、それがすごく濃厚で、やっぱり吸い寄せられてしまうのです。

このあとも、OEAや彼らは、矛盾の中を進んでいきますが、彼らの・・・いや、坂木(といったほうがいいかな)の行き着く先を、見てやってください^^
ほんと、ゆっくり、お暇なときでいいですよ~~!

NoTitle 

陽は笠原を助けましたね。たぶん陽なら助けると思いました。陽も殺しは極力したくないのではないかと思います。

笠原は陽の正体を知ってしまいましたが、それで殺されても仕方なかったでしょうが、生きていたのは本人も予想外だったんでしょう。

最初、このOEAの組織を知った時、名探偵コナンに出て来る黒の組織を思い出しました。OEAはああいうのとは違うでしょうけどね。

この作品も重くなっていってますが、こちらも重い方ですけどね。私はいつか彼らで京都を舞台にした話や、カナダや香港を舞台にした話を描きたいと思ってます。後連続猟奇殺人に挑む話もです。

私的でうが、この話は関東が舞台なんでしょうか?こちらもなかなかそちらに行けなくてすいません。

楓良新さんへ 

こんばんは。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
そうですね、陽はもちろん、殺しなんて極力したくないでしょうね。
でも今回は笠原を助けたというよりは、生かすことで罰を与えたということだと思います。
笠原は密かに消えたがっていましたが。そうはさせません^^

コナンは、ほとんど見たことはないのですが、このOEAは、創設者のポリシーと、現幹部の方針が食い違ってきてるのが、問題のようです。
OEAのモットーは、善・・・なんだそうです(信じられないけど^^;)

楓さんのメンバーが、またいろんな舞台で動き出すのですか。それは迫力ありそうです。
京都編とか、楽しそうです。

白昼夢は、OEA本部は関東ですが、日本全国に支部があり、坂木と陽はずっと旅をしていると思ってください。
こちらこそ、なかなか読みに行けなくてごめんなさい。またゆっくり、伺いますね^^

追記です。 

言っておくのを忘れてました(笑)。こちらのブログのキャラの紹介をカテゴリ別に増やしてます。こちらに来る時は登場人物紹介を観てみてください。

京都には行った事ありますが、たぶん自分勝手に描くと思います。カナダや香港は行った事ないので、これは本当に自分勝手に描くと思います。

でもこれは今のシリーズが終わればの話です。いつになるやら(笑)。

来年のW杯が終わってもたぶん始動しないと思います(笑)。

楓良新さんへ 

人物紹介が増えたんですね。
それは、読みやすくなると思います。

行ったことのない都市を想像で書くのも、物書きの腕の見せどころかもしれませんよね。
楽しみにしています。
ゆっくり、時間をかけて制作していってください。
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