☆雑記・四方山話

(雑記)小説にできない物語、小説にしか書けない物語

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小説を読んでいて、
「わあ~、これは小説でしか表せないシチュエーションだな!」って思ったことはないですか?

以前私が雑記「小説の主観、融合、胸の高まり!」に書いた事がありますが、
伊坂幸太郎さんの「チルドレン」の最後のお話「イン」なんて、まさにそう。
あのお話は、本当に好きです。何てことないお話なんですが、私のど真ん中です。
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もうひとつあげると、「アヒルと鴨のコインロッカー」(伊坂幸太郎)あれもそうです。
映像にしてしまえば、ばれてしまう・・・・。
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伊坂 幸太郎

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しかし(^o^;… 
「アヒルと鴨のコインロッカー」は、ご存じのように映画化されました。
ど、どうやって ( ̄□ ̄;)?
まだ見てないんですが、すごく不思議です。
きっと脚本を相当変えてあるのでは・・・と、踏んでいます。
だって、主人公が登場したら、すでにそれがネタばれなんですから。
上手く映画が成立したとしたら、素晴らしい脚本力だと思います。


逆に・・・。
この映画は絶対小説にできない!っていう映画もありますよね。
と、いっても思いつくのは今のところ2本だけなんですが。
映像、たとえば最初のシーンの登場人物を説明してしまったら、そのこと自体がすべてのネタばれになってしまうというものです。
登場人物の名前だけでネタばれになってしまう作品。
これです。
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【ストーリー概要】
母校の中学校で働く人のよい教師・神野の元に、かつての同級生だと名乗る怪しい探偵・北沢が訪ねてくる。
北沢は神野の親友で同じく同級生、現在は一流企業に勤めるサラリーマン・木村の行方を追っていた。
心ならずも神野は木村探しに巻き込まれてしまう・・・。人を疑うことを知らない男と、人の裏側ばかりを見てきた男。
ちぐはぐコンビの捜査活動から、神野の知らなかった、友人・木村の一面が次々と明らかになり、物語は思いもよらぬ方向へと向かっていく・・・


この、内田けんじ監督の脚本は本当に素晴らしい!
どんでん返しのお好きな方にはたまらないでしょう。


この監督の作品にはカンヌ5冠に輝いた「運命じゃない人」もありますが、
これがまた秀逸!!
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ただどんでん返しが素晴らしいだけでなく、心にグッとくる、爽やかなラストなのです。
アフタースクールは特に。
少し難点を言えば、複雑な部分が多くて、すべてのからくりが一度では分からない・・・というとこでしょうか。
私、3回観ました・笑
けれど、すべてが分かってからの2回目がまたいいんです。
全然別の視点で観るのがまた楽しい。一本で2度おいしい作品です。

内田監督の作品はとにかく「やられた!くやしい~!」感と、「こんな作品書いてみたい」という欲望に駆られます。
あ・・・でも、小説にできないタイプの話だから、やはりどう転んでも書けないんですね(´A`。)


(追記)
今分かったんですが、アフタースクールはノベライズされていました!
すべてのシーンを、それぞれの登場人物の1人称にすることで、ネタばれをクリアしているそうです。
そうか!その手が・・・。
やはり、小説の可能性はすごいです!


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~ Comment ~

NoTitle 

確かにありますよね、小説にしかできない物語や、小説にできない物語って。
そのメディアの特徴を活かしている証なので、そういうふうに言われるのは作り手にとっては最高のほめ言葉かもしれませんね。

Re: NoTitle 

>本条さんへ

あ、そうですね。褒め言葉ですよね。
よく映画に「絶対に映像かできないと言われていた名作、ついに映画化!」ってありますね。
まあ、あれはスケールの問題なのでしょうが・・・。

映画をノベライズしてガッカリされた、と言う例はあまり聞かないですが、
小説を映像化してガッカリ・・・というのはよく聞きますね。
やはり、別のメディアなんだなあと感じます。
小説は一人に一つだけの世界を構築するメディアなんですね。

NoTitle 

残念ながら僕は≪映画化≫でロクな映画にあたったためしがありません。
冒険物やカーアクションといった痛快娯楽なら映像が勝る事もあると思いますが
視聴者の内面に訴えかける様な原作なら、映画が小説に勝る事はまずありませんね。

そして最近よく見かけるのが≪大人の事情≫です。
すごく目立つ所にスポンサーの商品が置いてあったり。
ヒドイ場合には作中で役者に商品名を言わせたりします。
あと、興行収益のみに重点を置いた配役とか…。
すみません、愚痴だらけになりましたね(^-^;)

Re: NoTitle 

>蛇井さんへ

いやいや、よくわかりますよ。
きっと小説を超える映画を作るのは無理なんではないかと思います。

「ダレンシャン」が大好きだった子が、映画化されてがっくりきていました。
自分の想像のダレンは、全然違うと。
映画でしか知らない人は、それはそれで充分楽しめるんでしょうが。
難しいですね。

そして確かに大人の事情、感じる映画やドラマって多いですね。あちらも商売だから仕方ないのかもしれませんが。
小説を映画化する場合はとくに、オリジナルで作る場合よりもさらに細心の気配りが必要な気がします。

こんばんはー! 

映画はあまり観ないのですが、よく小説の書き手さんで、「ワタシの脳内では映像として見えていて、それを文章にアウトプットするだけです」とおっしゃる方いらっしゃいますよね?

昔は「ほう、それは凄い!」と感心していたのですが…最近は、ただアウトプットするだけでは小説として成り立たないのではないかな?と思うようになりました。

小説にしか表現できないもの…というのは、あると思うのです。
青臭い事言ってすみません。

有村司さんへ 

最近は、ヒットした小説がすぐに映画化されてしまう傾向にありますが、
「映画にして欲しくない!」という声をよく聞きますね^^(私も何度も思いました)

そこにこそ、答えがあるような気がします。
小説を書く人が、脳内の映像を文章に収めるのは当然のことで、それをどのように収めるかが、
腕の見せ所なんでしょう。プロの作家さんは、まさにその技術が卓越してるんですよね。
同じ映像を見せられても、きっと彼らは短い、無駄のない文章でそれを表現して、
読むものの五感に訴えるんです!(ああー、時々、そのすばらしさに悔しくなる・笑)

ただ、そうやって文章に収めた小説は、もう、それを読んだ読者のもの。
その読者の脳内の映像は、その読者だけのもの。
そこに小説のすばらしさがあるんだと思います。

そう言った意味でも、有村さんの「小説にしか表現できないもの」という意見は、
まったくその通りだと思います。

私は・・・大好きな小説が映画になるの・・やっぱり嫌だなあーーー^^;
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