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(雑記)孤独。サクラという花。

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『花の下では風がないのにゴウゴウ風がいっているような気がしました。
そのくせ風がちっともなく、一つも物音がありません。自分の姿と跫音(あしおと)ばかりで、それがひっそり冷めたいそして動かない風の中につつまれていました。
花びらがぼそぼそ散るように魂が散っていのちがだんだん衰えて行くように思われます』

                        ---坂口安吾『桜の森の満開の下』より抜粋---

sakura

私は子供時代を山口県の田舎で過ごしました。
天然記念物に指定された滝の名勝がすぐそばにあるほどの山奥です。
両親は忙しく、兄弟とも年が離れていたため、よく一人で山をぶらっとしていました。
春になると川沿いや山裾に桜が咲き乱れました。
春も桜も大好きでした。けれど、誰もいない花曇りの日なんかに、一人ぼっちで桜の木の下には立てません。
なぜか怖かったんです。
言葉にできない感覚でした。

大学時代に、あるきっかけで上記に挙げた坂口安吾『桜の森の満開の下』を読んで、ああ!と思いました。
そう、まさにそのお話の世界観は、私が子供の頃に感じたものに近いんです。

おとぎ話ふうで、特に好きなタイプの話ではないのですが、花の下で孤独に狂う男の心情がやけにズンときました。
花の下には人間の絶対的な孤独が潜んでると、そのお話は告げているような気がします。

春と言えばお花見。その下で飲んで騒いで宴会する風習はなぜか終わりませんよね。
けれどそれってもしかすると、ストレスのたまった現代人が、
その桜の下に漂う狂気を、酒と一緒に味わいたい、と、無意識に思うのかもしれませんよね。

『桜の花の下から人間を取り去ると怖ろしい景色になります』
「桜の森の満開の下」の冒頭に、こんな一行があります。
否応なしに、その世界観に引きずり込む卑怯ともいえる言葉。
でも、思わず小さく身震いします。
子供の頃、誰もいない山道で、ぽそぽそ散る桜を眺めた時のたとえようもない寂しさをを、ふと思い出したりして。

・・・白昼夢第5話「サクラ」の後書きに変えて(*´ー`*)
(とくにあのお話とは関係ないんですが・笑)
あなたは何に、孤独を感じますか?


次回の更新は 白昼夢 第6話「追憶」です。
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~ Comment ~

NoTitle 

初めてみる詩でしたが、でも素敵な言葉ですね!
確かに桜は趣があると同時に畏怖も感じます。
それでも、春になれば一番に桜と思ってしまうのは日本人の好みにあった花だからでしょうかね。
満開になって一瞬で散ってしまう様はいっそ見事だと思います。
これが一か月ちかく咲いていたら多分誰も見向きもしないような気がします。
そして卒業シーズンに咲くというのもいいのでしょうね。
人生の節目に満開に咲くというイメージです。

Re: NoTitle 

るいささん、いらっしゃい~♪
あの「桜の森の満開の下」はとってもグロい話に展開するんですが、
文章は綺麗なんですよ・笑

桜って、特別な花ですよね。
卒業、入学、出会いと別れ。
感情が大きく動く時期の象徴的な花ですもんね。
さみしさと、あまずっぱさと、何かが始まる希望も感じてしまいますね。

そうそう、そしてすぐに散ってしまう儚さ。
それこそ、日本人の求める美学なのかもしれません。
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