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【  2012年12月  】 

人魚の夜 最終話 そして空の青

【短編】 人魚の夜 

2012.12.29 (Sat)

 それから30分後。ミズキが教えてくれた隣町の駅で電車を降り、誠一は小春日和の陽射しの中を歩いていた。駅前商店街を抜けたあたりから、ようやく自分の馬鹿さ加減に気づき、少しばかり途方に暮れる。どんな職場かも聞いていないのに、ぶらぶら歩き回ってひょっこり出会える確率は、どれくらいのものだろう。けれど、このバカらしくて無意味な行動が、誠一にはなんとなく楽しかった。子供の頃からずっと敬遠していた父親を、やっ...全文を読む

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人魚の夜 第6話 泡

【短編】 人魚の夜 

2012.12.26 (Wed)

 いつの間にか、誠一の濡れていたスラックスもすっかり乾き、そのせいなのか、体がほわりと軽くなってきた。傘をさして歩いていた1時間前の自分は、まったくいじけた粘土だったと、少し滑稽で、少し愉快になった。「なあ、俺にも何か手伝えることない? 絵は下手くそだけど、ただのべた塗りなら出来ると思う」そう言ってやると、ミズキは実に嬉しそうに、「自由に、好きなように描いてください」と言って、ペンキ用の筆を一本、誠...全文を読む

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(4P漫画)雨猫たちの聖なる夜

☆イラスト・マンガ・水彩画

2012.12.24 (Mon)

        今年もクリスマスが やってきました毎年、何らかの短編を書いていたのですが、今年は(拙いですが)、4ページ漫画を描いてみました。もうすでに懐かしい、「雨の日は猫を抱いて」をパロディ漫画にしてみました。(小説「人魚の夜」は、ちょっと更新をずらします^^)あの雨猫の面々(沢村、倉田、由希)のその後を、漫画にしたら、こんな感じでしょうか。彼らの、何気ないクリスマスを、覗いてみてください。・・...全文を読む

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人魚の夜 第5話 共犯者

【短編】 人魚の夜 

2012.12.20 (Thu)

 今度は別の色のペンキ缶を持ち上げながらミズキは、相変わらずボンヤリと立つ誠一を振り返った。「高山さん、今度は僕の話を聞いてくれますか?」「うん。どうぞ」改まったミズキの言葉が可笑しくて誠一はクスリと笑った。「僕も人魚姫の話は、とても悲しいと思いました」「今夜は僕ら、最後まで人魚姫の話から離れられそうにないね」軽くそんな冗談を挟んだ誠一だったが、ミズキがもう、少しも笑っていないことに気付き、その笑み...全文を読む

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人魚の夜 第4話 取り留めのない思い出

【短編】 人魚の夜 

2012.12.16 (Sun)

 「分かってくれる? 8歳の男にだって、プライドはあったんだよな」誠一は遠い昔の自分の“プライド”とやらを思い出してみた。最初はあの時、いつもいる受付の優しいお姉さんに「ごめんなさい、うっかり破いてしまいました」と、ちゃんと言うつもりだった。けれどまさか、あのワンピースの少女がちょうどその時間、そこにいるとは思ってなかった。8歳の誠一の、すこし間違ったプライドが首をもたげ、急きょ予定は変更された。自分...全文を読む

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(雑記)寒くなりましたね・・・

☆雑記・四方山話

2012.12.14 (Fri)

 12月中旬の大阪は、だいたいいつも、「まだ頑張れる><」くらいだったと思うんですが。今年は「え、ちょっと待って、もう? Σ( ̄ロ ̄lll)」な、中旬です。通勤途中の溜池には、例年より1ヶ月も早く氷が張りました。クリスマス前に雪が積もったのも何年ぶりでしょう。そうそう、もうすぐクリスマスですねえ・・・。この時期は仕事が一年で一番忙しいのですが、今年はそっちも2割増な感じです。そんな中、太陽待ち・・・という、...全文を読む

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人魚の夜 第3話 最後のページ

【短編】 人魚の夜 

2012.12.11 (Tue)

 過去の苦い記憶をうっかり思い出してしまって、せっかく温まった気持ちを削がれた誠一の横で、ほんわりと柔らかい声がした。「月、綺麗ですね」壁際に視線を戻す。創作中の青年は一度手を止めて、月光の差し入る窓を見上げていた。中性的で端正な横顔は蒼白い光を受けて、男の自分から見てもやけにきれいに見えた。本当に風変わりな無職ホームレスだと思いながらじっと見つめていると、ミズキまたすぐ別の色のペンキ缶を掴み上げ、...全文を読む

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人魚の夜 第2話 青の幻想

【短編】 人魚の夜 

2012.12.07 (Fri)

 青年が言った“作業場”までは、本当に歩いてすぐだった。ひとつ筋を入って右に折れ、「ここです」と、青年が示した先にあったのは、ビルと言うにはあまりにも小振りな、四角い箱のような2階建ての建物だった。「1年前までこの建物は、ギャラリー喫茶だったらしいですよ」まるで通りすがりの人間のように、青年は言う。室内からこぼれる灯りは無く、そのキューブは僅かな街灯の明かりを受けながら、ぼんやりと青白く発光していた。...全文を読む

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人魚の夜 第1話 失態

【短編】 人魚の夜 

2012.12.03 (Mon)

 雨は、いつの間にか止んでいた。けれど傘を畳むのも億劫で、高山誠一は、ポタポタと時折しずくを垂れる歩道の街路樹の下を、こうもり傘をさしたまま歩いた。体はまるで、空気中の水分を全て吸い込んだかのように重く、気だるい。おかしいな、まだ24だぞ、と情けなく笑ってみる。すぐ横の、濡れたアスファルトの上を走るシャーッという車の音が何故か遠くに聞こえる。代わりに脳の奥に広がって来るのは、読経と木魚の単調な音階だ...全文を読む

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人魚の夜 あらすじ

【短編】 人魚の夜 

2012.12.01 (Sat)

 薄ら寒い、雨上がりの夜。鬱々としながら、自宅アパートに向かって歩いていた高山誠一。バッグには喪服。 ポケットには、くしゃくしゃになった一枚の罪悪。数日間を実家で慌ただしく過ごし、心身ともに少しばかり疲れてしまっていた誠一だったが、その帰宅道中に、奇妙な出会いが待っていた。その出会いは、遠く懐かしい、そして少しばかり苦い記憶を蘇らせた。誘われるままに飛び込んだ、思いがけない『青』の世界は、誠一の心に...全文を読む

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