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【  2012年07月  】 

雨猫 第12話 暗闇の中で

雨の日は猫を抱いて

2012.07.30 (Mon)

 時刻は8時を回っていた。雨は止みもせず、ひどくもならず、ポツポツと倉田達を濡らした。氷のように冷たい雨だ。駅前を抜け、そこら辺では一番大きなショッピングモールを通り過ぎても、由希は歩き続けた。半年前に閉鎖された食品加工工場の暗い路地を入っていく頃には、ようやく倉田にも、由希が誰をつけているのかが分かってきた。由希の10メートル先を行く、背がヒョロリと高い、ヨレヨレのジャンバーを着た、あの中年男に間...全文を読む

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(雑記)楽しみな秋、不安な秋

☆雑記・四方山話

2012.07.28 (Sat)

 こんにちは。夏本番になってきましたね。みなさん、体調の方は大丈夫でしょうか。今週は暑さと忙しさにやられ、毎晩10時には睡魔に襲われて執筆できない日々が続いていますが、来週は・・・休みをもらいたいと願っています(>_...全文を読む

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雨猫 第11話 追跡

雨の日は猫を抱いて

2012.07.26 (Thu)

 「嫌ですね、まったく。こういう事件が一番腹が立ちますよ。生き物をなんだと思ってんのか」その日の仕事を終え、帰り支度をしている倉田の後ろで、沢村が絞り出すような声で言った。ジャケットに袖を通しながら倉田が振り返ると、沢村は以前と同じようにネットニュースを目で追っていた。「今度は何? ウサギでも殺された?」倉田が軽い口調でそう言うと、くるりと椅子を回転させた沢村が目をつり上げて睨んできた。何事にも反応...全文を読む

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雨猫 第10話 人質

雨の日は猫を抱いて

2012.07.22 (Sun)

 「由希、由希」ゆらゆらと、澱んだ空気を揺らすように、その声が由希の名を繰り返す。けれど鼻にかかった甘ったるい声は、由希を苦しめるものでしか無かった。湿り気を帯びた腕が、ベッドに横たわる由希の裸の体をすくいあげるように絡まってくる。由希がまるで興奮も同調もせず、人形のように動かずにいると、冷たい手のひらがピシャリと頬を打ってきた。・・・体はこんなに火照って熱いのに、どうしてこの人の手はいつも、こんな...全文を読む

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(雑記)夏、ですね

未分類

2012.07.19 (Thu)

 やっと大阪も梅雨が明けました!けれど、とたんにものすごい猛暑です。自転車通勤の往復30分足らずで、ローストされてしまう感じがします。(>_...全文を読む

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雨猫 第9話 バイバイ

雨の日は猫を抱いて

2012.07.18 (Wed)

 艶やかにネイルの施された指先が器用にカードをめくり、テーブルに並べていく。あの爪の細工にどれだけ時間が掛かっているのだろうかと思いながら、倉田はその占い師の手元を見つめていた。ネイルなどに興味は無かったが、この“亜利沙”という占い師は黒のベールで顔を覆っており、評判の美貌を見ることが出来ない。形のよい豊かな胸元をじっくりと見つめている訳にも行かず、つい手元ばかりに目をやってしまう。「こんな薄暗い所に...全文を読む

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雨猫 第8話 由希

雨の日は猫を抱いて

2012.07.14 (Sat)

 「何か探し物かい? 坂崎健人くん」倉田がすました調子でそう言うと、少年は不快そうに眉根を寄せ、一歩うしろに下がった。「・・・何か用ですか?」その声は怯えと嫌悪に満ちていた。「あれ? でもおかしいよね。坂崎健人って子は亡くなったんだって、さっきネットニュースで見たんだけど。君のことじゃなかったんだ。なんで嘘吐いたんだ? 2日前」「何の事ですか」「忘れちゃった? そんなことないよね。あの携帯は今は亡き...全文を読む

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雨猫 第7話 つまらない思い出

雨の日は猫を抱いて

2012.07.10 (Tue)

 倉田は、臙脂色の生徒手帳の住所を見ながら、古い家屋の建ち並ぶ、ひっそりとした住宅街を歩いた。高瀬由希の自宅の最寄り駅は、偶然にも倉田が利用する駅のひとつ隣りだった。つまり各停に乗って職場に向かうとき、倉田はその「泉ヶ丘駅」を必ず通過する。泉ヶ丘駅は、半分が森林と化した泉ヶ丘緑地公園の横にあるためか、小さな子供を連れた若い母親達が多く利用している。小さな子供の奇声や泣き声が苦手な倉田は、いつも少しば...全文を読む

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雨猫 第6話 事件

雨の日は猫を抱いて

2012.07.06 (Fri)

 「坂崎建人!?」思わず立ち上がった倉田に、沢村はこの日2度目の少しばかり驚いた目を向けた。「知ってる子ですか?」「知ってるっつーか、俺は今のところ2人しか日本の現役高校生の名を知らんが、そのウチの1人だよ。2日前、見た。多分あの学生服の子だ」倉田は電車の中で、つり革に掴まってぼんやり進行方向を見ていたガッチリした少年を必死で思い出した。倉田に背を向けていたし、もう1人の少年に気を取られていたので、...全文を読む

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雨猫 第5話 不機嫌

雨の日は猫を抱いて

2012.07.03 (Tue)

 「誰がHMI借りろって言ったよ。今日はタングステンでいい。小さいイメージカットだし、予算押さえたいって言ったろ?」倉田はアシスタントの沢村にイラッとした声を投げた。この日の仕事はクライアントは違ったが、嫌な思いをした2日前と同じホリゾントスタジオでの撮影だった。光明出版のファッション誌中面のイメージカットは、わりとカメラマンの自由に撮らせてもらえる。けれどギャラは安かった。定常光が得られるHMIを使いた...全文を読む

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