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【  2011年08月  】 

RIKU・6 第10話 途切れた記憶

RIKU・6 この胸で眠れ 

2011.08.30 (Tue)

 「約束が違うんじゃないか? 金は先月で終わりだと言ったはずだ。これ以上関わり合うと、お互いの首を絞めることになるぞ!」汗ばむ手で受話器を握りしめ、男は喉の奥から声を絞り出した。誰に聞かれているわけでもないのに、自然とそのトーンは卑屈に低くなる。『おいおい、冗談だろ? お互いってなんだよ。俺がどんなに惨めな生活してるのかわかってんのか? 仕事も出来ず、顔をさらして歩くことも出来ず。このまま日陰で腐っ...全文を読む

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RIKU・6 第9話 亀裂

RIKU・6 この胸で眠れ 

2011.08.27 (Sat)

 リクは冷ややかな鋭い視線を手加減なく玉城に投げた。あまりにも思いがけないリクの言葉は玉城を刹那絶句させたが、彼の低い怒りの沸点はすぐに沸き立ち、口から吐き出された。「うんざりってなんだよ! お前が苦しんでると思って俺なりに考えてやってるんだろ!」「だから話すのイヤだったんだ」リクはそう吐き捨てるように言うと立ち上がり、木製の窓枠の横に立った。まだ高いはずの太陽はいつの間にか陰り、どんよりとした色が...全文を読む

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(雑記)『ソー・ザップ!』稲見一良

☆感想(観劇・映画・小説)

2011.08.26 (Fri)

 次に読む本が決まらなかったので、私の〈嗜好〉を良くご存じなポール・ブリッツさんに相談したところ、薦めてくださったのが、稲見一良先生の『ソー・ザップ!』。ソー・ザップ! (角川文庫)(1993/06)稲見 一良商品詳細を見る【あらすじ】人を撃てる、こんな機会を誰が断わるか―。「パブ・パピヨン」の広い店内で、自分の命に三千万円もの賞金をかけたレッドムーン・シバと名乗る謎の男。挑戦をうけたのは、素手の格闘では無敵の元...全文を読む

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RIKU・6 第8話 苛立ち

RIKU・6 この胸で眠れ 

2011.08.24 (Wed)

 「何してんのじゃねーよ!」玉城はリクが鍵を開ける間我慢していた鬱憤を、リビングに上がると同時に爆発させた。中央のテーブルに食料品の入ったスーパーの袋をガサッと置き、すぐさまリクを睨みつけた。「ケイタイ繋がらないし、直接行ってやろうと思ったら居ないし。俺、40分玄関口で立ちんぼだ」「今日は鍵、掛かってたろ?」「なお悪い!」「言うことが前と違う」リクは洗面所で洗った手を拭きながら、呆れたように言う。玉...全文を読む

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(雑記)ご依頼イラスト

☆イラスト・マンガ・水彩画

2011.08.22 (Mon)

 最近めっきり絵を描く事が無くなったので、イラストカテゴリーが寂しい感じで・・・。(いや、小説ブログなんだから、いいんですよね。)先日、リン友さんから一つ、マンガイラストの依頼を戴きました。とても魅力的な小説を書かれている方で、2年前からファンなのです。久々のマンガイラストなので、イメージ通り描けるか分からなかったんですが、やってダメなら謝ろう(笑)と思い、描かせていただきました。これは、ブログ以外...全文を読む

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RIKU・6 第7話 優しい男

RIKU・6 この胸で眠れ 

2011.08.21 (Sun)

 微かに鼻孔を刺激する消毒液の匂い。心地よい温かさと、ふわりと軽くなる体。少しばかりまどろんだあと、瞼の裏でスイと動いた人影を追うように、リクはゆっくり目を開けた。薄いピンクのナース服を着た若い看護師がそれに気付き、少し頬を赤らめて「もうすぐ終わりますからね」と微笑みながらスライドドアの奥に消えた。入れ違いに入ってきた荻原医師が、わざとナースの消えた方へ視線を送る仕草をしてみせる。「眠ってる君を見に...全文を読む

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(雑記)さよなら『神の火』の陸橋

☆雑記・四方山話

2011.08.20 (Sat)

 大阪、阿倍野橋駅前の、陸橋が撤去されつつあります。いえ、正確にはリニューアルされて、再開発される阿倍野と共に、オシャレな陸橋に生まれ変わるんですが。高村薫の『神の火』の愛読者にとっては、けっこう悲しい出来事です。この作品の中で、あの近鉄阿倍野橋駅と、JR天王寺駅の間にある陸橋は、とても印象深いシーンに使われていましたから。何と言っても、島田と良が、別れた場所です。永遠の別れとなった場所です。だから...全文を読む

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RIKU・6 第6話 あふれ出す熱

RIKU・6 この胸で眠れ 

2011.08.18 (Thu)

 リクは疲れたように冷たい壁にもたれると、ダラリと両腕を垂れ、目を伏せた。さっきまでの棘々しさは、もう、そこには無かった。「リク・・・」そう声を漏らしたのは玉城だったが、つと前へ出てリクの肩をつかんだのは長谷川だった。「ねえ、・・・それは何? 何がリクの中に入り込もうとしてるの? 何がそうさせるの」長谷川の喉から出てきた声は自らも驚くほど細かった。玉城もその空気に逆らうように声を張り上げた。「なあ、...全文を読む

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RIKU・6 第5話 傷の訳

RIKU・6 この胸で眠れ 

2011.08.15 (Mon)

 長谷川の転勤に納得できず、いつまでも不毛な不満を露わにしている玉城に対し、長谷川は淡々と言った。「私の補佐に抜擢された多恵ちゃんも、最初あんたみたいにピスピス泣いてたんだけどね。さすがにあの子は切り替えが早いよ。ひと足早く向こうに飛んで、今頃は会社が借り上げたマンションを快適空間に模様替えしてる最中だと思うよ」「多恵ちゃんもシンガポールに?」「うん。あの子は強いね。私も頭を切り換えなくちゃ」・・・...全文を読む

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(雑記)高村薫『レディ・ジョーカー』・・・またしても

☆感想(観劇・映画・小説)

2011.08.13 (Sat)

 やっと『レディ・ジョーカー』(上)(中)(下)巻、読み終わりました。読み終えて、しばし呆然。正直、ラスト20ページを残すところまで、この3巻にわたる壮大かつ緻密な物語が一体どこで終結するのか、予想もつきませんでした。それがです。最後の最後で思いもよらない衝撃を喰らい、「ああ!!」と、思わず本を閉じました。「やられた!」という興奮と、「やっぱり高村先生は、裏切らない」という感慨とで、溜め息。【あらす...全文を読む

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RIKU・6 第4話 不機嫌な編集長

RIKU・6 この胸で眠れ 

2011.08.11 (Thu)

 「ええっ? 俺の居ない間にそんなことがあったんですか?」玉城は大東和出版のラウンジのソファから身を乗り出し、長谷川に言った。興奮気味の玉城とは対照的に長谷川は、腕組みをしながら一人がけソファにもたれ掛かり、憮然とした表情だ。「そんな事もこんな事も、2カ月近く一本も電話してこないヤツに話せないでしょうが。まあ、『グルメディア』スタッフと楽しい楽しい旅行中のヤツには、そんなことどうでもいいんだろうけど...全文を読む

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RIKU・6 第3話 ツォモリリの石

RIKU・6 この胸で眠れ 

2011.08.08 (Mon)

 光の中、リクが笑顔で立っていた。玉城は全身の力が抜けるような安堵を覚え、一つ大きく息を吐いた。「どこ行ってたんだよ。鍵開けっ放しで!」「勝手に人ん家に上がり込んで、それはないよ」リクは可笑しそうに笑うと、ゆっくりとリビングに上がり、玉城と向かい合った。「お帰り」「・・・うん」けれど玉城は笑い返せなかった。たった2カ月足らずで、リクは更に痩せてしまっていた。あまり外出していないのだろうか。元々日焼け...全文を読む

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(雑記)予想外な登場人物たちの心の動きに戸惑い唸る作者。

☆雑記・四方山話

2011.08.06 (Sat)

 相変わらず悩みながら書いております。今私を悩ませているのは『KEEP OUT』最終章。これがもう、ややこしい。大まかなプロットは一ヶ月も前に立っているのですが、AからBの間を埋める作業が進まないんです。【毎度おなじみ、なんちゃってプロット】↓私が「こう展開させよう」と決めて書き始めると、登場人物たちが「NO」を突きつける今まで従順だったキャラ達が、「そんな風には行かない。僕らはそう思わない」と反論してくるんで...全文を読む

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RIKU・6 第2話 ベッドルームの闇

RIKU・6 この胸で眠れ 

2011.08.05 (Fri)

 「リク、いるのか?」2カ月ぶりに訪れたリクの家の玄関ドアは、鍵が掛かっていなかった。外出時も鍵をかけない事が多いリクのことだ。居るのかどうかは、まるで分からない。グルメ取材先のインドから戻ってきたばかりの玉城は、木製のドアを開け、大声で友人の名を呼んでみた。けれどログハウス調の吹き抜けの部屋はしんと静まりかえり、人のいる気配はなかった。玉城はため息をつき、土産の入った袋を楢材の大きなテーブルにトン...全文を読む

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RIKU・6 第1話 受診

RIKU・6 この胸で眠れ 

2011.08.02 (Tue)

 処置室の、程良い室温と湿度が心地よかった。時折小さくカチャカチャと金属の触れあう音がする以外は、何も聞こえない。重くなる瞼に抗って、目の前を動く男の顔をぼんやりと目で追うと、その視線に気付いたのか、男がリクに顔を近づけてきた。「気持ちいい?」内科医は優しく笑って、ベッドに横たわるリクにそう訊いた。「君のはね、バカなダイエットし過ぎて倒れた女の子並の血液データだよ。見る?」荻原(おぎわら)という30...全文を読む

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(雑記)投票、ありがとうございました^^

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2011.08.01 (Mon)

 昨日、「アルファポリス ミステリー小説大賞」の1次選考(っていうのかな?)が終わりました。『RIKU』は、75作品中、8位でした。投票してくださった方、本当にありがとうございます。なんといっても1日1000アクセス以上もある人たちとの競争ですから、おっかなびっくり。でも毎日、一喜一憂できて、本当に楽しかったです。なんだか、あれですね。チビの我が子が運動会で徒競走に出るのを応援してる親の気分でした。...全文を読む

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